インターフェースはピンポイント
4K/60p対応HDMIやUSB 3.2 Gen2対応が◎
ほかのAMD A520マザーボードも同様だが、バックパネルにはレガシーインターフェースが搭載されている。TUF GAMING A520M-PLUSでは、PS/2のほかDsub 15ピンとDVI-Dが見られる。
PS/2はともかく、D-sub 15ピンやDVI-Dはミドルレンジ以上のモデルではほぼ搭載されなくなってきているが、液晶ディスプレーなどはPCよりも寿命が長いこともあり、古いモデルをお使いの方も多いだろう。そうした周辺機器を利用するなら、こうしたところがポイントになる。
反面、現行映像インターフェースはHDMIが1つあるだけだ。HDMI 2.1とされているので、Ryzen 7 PRO 4750Gとの組み合わせでは4K/60p出力で動作させることが可能だった。とはいえ、現行の液晶ディスプレーでマルチディスプレーを構成したい場合は、もう1本をDVI-Dから変換ケーブルを介してHDMIに出力するといった手間がかかるだろう。
一方、インターフェース面でここはよいと思ったのが、USB 3.2 Gen2 Type-Aを1ポート備えている点だ。AMD A520チップセット搭載モデルでは、USB 3.2 Gen1(5Gbps)のみというものもある。ここから数年間使いたいとなれば、USB 3.2 Gen2(10Gbps)のインターフェースを1つでも備えておきたいところだ。USB 3.2 Gen2x2(20Gbps)に対応する製品はまだ少ないが、USB 3.2 Gen2に対応するデバイスはこのところSSDを中心に増えてきている。
とはいえ残念ながらUSB Type-Cは非搭載だ。ピンヘッダではUSB 3.2 Gen1を1つ搭載している。
M.2スロットは、無線LAN専用のM.2スロットはあるが、ストレージとしては1つだけになる。ストレージ用M.2スロットは、しっかりとPCI Express 3.0 x4/Serial ATA 3.0両対応。このほかにSerial ATA 3.0ポートを4つ搭載している。上位チップセット搭載モデルほど豊富ではないが、ベーシックなPCを組む上では問題ないだろう。
ネットワークはRealtek L8200Aチップを採用している。聞き覚えのないチップ名だが、これは同社独自チップとのこと。ネットワーク速度は1GbEで、CPU効率がよく低遅延を特長にしていると言う。
またLEDライティング機能は、マザーボード右下部分に設けられたTUF GAMINGではおなじみのスラッシュデザインが発光することに加え、AURA専用ヘッダーも1つ搭載している。
一方、コストダウンが見られるのはオーディオ回路。チップはRealtek ALC887で、オーディオ用コンデンサも品質こそオーディオグレードだが、容量が小さめだ。バックパネルの出力も3系統しか備えていない。
コストを抑えつつ制限がある中でも
「長く愛用できるTUF」
TUF GAMING A520M-PLUSは、AMD A520チップセットを搭載するだけに、全体的に見ればコストを抑えた設計になっている。フェーズを構成するチップ、オーディオ回路、独自チップと言うRealtek L8200Aもおそらくはコストダウンの狙いもあるのだろう。
ただし、ヒートシンクや8フェーズ回路、インターフェースでも4K対応HDMIにUSB 3.2 Gen2と、機能的にも限定されがちなAMD A520チップセット搭載マザーボードの中にあって、「1つ上」を感じさせる。そしてその分、より長期にわたって満足できる製品と言えるだろう。