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最大7000MB/sオーバーのPCIe 4.0対応SSD「PG4VNZシリーズ」をレビュー!CFD販売の次世代SSDの実力は如何に(4/6)

文●北川達也 編集●AMD HEROES編集部

性能アップは発熱とのトレードオフ
第2世代は性能がアップしたため温度も高め

次にPG4VNZシリーズの発熱についてみていくが、その前に現在のNVMe SSDにおける温度管理機能について説明しておく。現在のNVMe SSDは、コントローラーに備わっている温度管理機能とホストコントロールによる温度管理機能を備えることが一般的になっている。前者は、コントローラーが自身の温度やNANDメモリの温度を監視し、必要に応じて性能を調節して温度管理を行なう機能である。対して後者は、ホスト、つまりCPUから行なわれる温度管理機能という違いがある。

前者の温度管理機能は、明確にどのような温度で発動しどのように制御されているかを知ることは完全にはできないが、後者のホストコントロールによる温度管理は単純で、指定された温度に達すると発動する。ホストコントロールによるサーマルスロットリングの発動温度は、2段階の温度が用意されており、通常、第1段階の温度に達するとできるだけ性能を維持しながら温度を下げるように緩やかな制御が行なわれる。一方で第2段階の温度は、危険水域に達すると発動する温度であるため、よりアグレッシブな調整が行なわれ、大きく性能を低下させて温度の低下を促す。

初期のNVMe SSDは、コントローラーの備える温度管理のみだったが、現在のNVMe SSDでは、このようにコントローラー自身とホストコントロールによる2種類の温度管理機能によって制御されている。

PG4VNZシリーズは、ホストコントロールによる温度が「66度」と「70度」に初期設定されていた。つまり、66度に達すると第1段階のホストコントロールによるサーマルスロットリングが発動し、70度に達すると第2段階のサーマルスロットリングが発動するというわけだ。ちなみに、PG3VNDは82度と85度、EG1VNEは68度と70度に設定されていた。

この温度を基準に、まずは500GBモデル同士の発熱をみていくが、5分間の連続シーケンシャル書き込み(2048KB QD32T1)ではPG4VNZ、PG3VND、EG1VNEのすべてでサーマルスロットリングが発動する温度に達することはなかった。ただし、後述するPG4VNZの1TBモデルでは、書き込み速度が5000MB/sを超えることもあり、サーマルスロットリングが発動している。このため、PG4VNZシリーズ全てが、5分間の連続シーケンシャル書き込みでサーマルスロットリングが発動しないというわけではない点には留意してほしい。

また最高温度は、500GBモデル同士では性能が高いPG4VNZが最も高く、最大60度だった。PG3NVDは最大53度、EG1VNEは最大48度とPG4VNZよりもかなり低かった。EG1VNEの発熱が少ないのは、もともとの最大速度が低いことが寄与していることは間違いない。一方で、PG4VNZの温度がPG3VNDよりも高いのは、書き込み速度がPG3VNDよりも高速なことに加え、NANDメモリのインターフェース速度が高速化されていることも影響している可能性がある。

PG4VNZ 500GBモデルの書き込み速度と温度推移のグラフ。TxBENCH Ver.096betaを使用し、2048KBのQD32T1によるシーケンシャル書き込みを5分間行なっている。PG4VNZ 500GBは、最大温度が60度まで上がっているが、サーマルスロットリングは発動していない。また、総書き込み容量約169GBで速度が低下していることをみると、記憶容量のほぼ全容量を可変長のSLCキャッシュとして使う仕様になっていることがわかる

PG3VND 500GBモデルの書き込み速度と温度推移のグラフ。最大温度は53度とPG4VNZよりも低い。総書き込み容量約168GBで速度が低下していることをみると、PG4VNZ同様に記憶容量のほぼ全容量を可変長のSLCキャッシュとして使う仕様になっていることがわかる

EG1VNE 500GBモデルの書き込み速度と温度推移のグラフ。最大温度は48度ともっとも最大温度が低い。性能が低い分、発熱も少ないとみることもできる。総書き込み容量約123GBで速度が低下していることをみると、こちらも前2つと同様、記憶容量のほぼ全容量を可変長のSLCキャッシュとして使用しているようだ

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