電源回路はアッパーミドル級
ヒートシンクも冷却重視
CPU電源回路を見ていくと、まず電源端子は8+4ピンの構成。OC向けモデルよりはシンプル、スタンダードマザーボードよりは余裕を持たせているといったところだろう。変換ロスや発熱を抑えた高密度パワーコネクタを採用している。
電源回路の構成は14フェーズ。まずPWMコントローラはRenesas Electronics「RAA229004」で、6+2または5+2フェーズといったコンフィギュレーションに対応している。背面にはフェーズダブラーがソケット左(の裏)に5基、ソケット上(の裏)に1基搭載されていた。レイアウト的に6+2というコンフィギュレーションを採用しているものと思われる。
MOSFETはVishay「SiC634」を採用していた。50A対応のDrMOSで、メインストリーム以上で採用例が多いコンポーネントだ。そのほかチョークは60A対応品、コンデンサはニチコン製の耐久が12K仕様のものとされる。
ヒートシンクはCPUソケットの左と上の2ピースで、ヒートパイプによって結ばれているところは本製品が上位のモデルである証と言えるだろう。接触面の熱伝導パッドはMOSFETとチョーク両方に装着されていた。チップセットヒートシンクは従来のAMD X570チップセット搭載マザーボードと同様、小径ファンを搭載している。
X570 PG Velocitaはマザーボードのカラーもインパクトあるデザインだ。これに加えてVRMヒートシンクとチップセットヒートシンクにLEDを搭載しており、Polychrome SYNCによる制御が可能となっている。LED用ヘッダーは、RGB LED用、ARGB LED用が各2基。マザーボードの上部と下部に分け、実装されている。
新設計のAMD X570マザーボードは
ミドル以上の設計と次世代I/Fが魅力
X570 PG Velocitaはゲーミング向けのPhantom Gamingシリーズの中で上位に位置づけられる製品で、見た目のインパクトもありつつ、アッパーミドルグレードのコンポーネントで構成されている。また、2.5GbEやWi-Fi 6、USB 3.2 Gen 2など新しい世代の高速インターフェースを備える。これからの数年にわたって、長期的に利用していく上で必要とされる機能を満たす、新しい設計のAMD X570マザーボードと言えるだろう。