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CezanneはRenoirをZen 3に置き換えただけでなくあちこち再設計されている AMD CPUロードマップ(3/3)

大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII

※この記事はASCII.jpからの転載です(文中リンクはASCII.jpの記事に飛ぶことがあります)

Zen 4デスクトップに関する考察

最後は余談となる。これでRyzen 5000シリーズは一応ラインナップとしてはそろった(まだデスクトップ向けのRyzen 5000Gは発表されていないが、後追いで投入するとAMDは明言しているので、これは時間の問題である)。

問題は次のRyzen 6000シリーズ(あるいはRadeonと合わせるために6000番台をスキップして7000番台の可能性もなくはないが)となる、Zen 4世代のCPUである。

この世代はDDR5やPCI Express Gen5の対応のために、Socket AM4は使えないことになる。信号的に言えばPGAパッケージでは厳しい領域に入るので、そろそろLGAパッケージに切り替わる可能性もあるのだが、それはともかくとしてZen 3の世代までは下図のような構成だったので、素直に考えればZen 4世代ではその下の図のような構成になると思われる。

Zen 3世代までの構成

Zen 4での予想構成図

ただPCIeはともかくDDR4とDDR5の互換性はないので、ここでパッケージは変更にならざるをえず、AM4のままでは使えないことになる。

ただAMDはこれまで、互換性を非常に重視してきた。もちろんX570チップセットはもう発表からずいぶん経つので、次のRyzenではマザーボード交換もやむなしという判断は確かにあり得る。ただ下表が主要なチップセットと対応製品一覧(△はBIOSアップデートが必要)であるが、これを見るとB550やA520のような製品はもう一世代くらいサポートを継続してもいい気がする。

AMDの主要なチップセットと対応製品
Ryzen 1000 Ryzen 2000G Ryzen 2000 Ryzen 3000G Ryzen 3000 Ryzen 5000
X570 × ×
X470
X370 ×
B550 × × × ×
B450
B350 ×
A520 × × × ×
A320 × ×

もう1つ、昨年の前半~中旬くらいに言われていたWarholというコード名(Andy Warholから取ったのだろうが、画家ではあっても明らかに毛色が異なる)の製品がZen 3の後継として噂されていた。こちらは引き続きAM4になるという話である。

理由は、まだPCIe Gen5には早い(NVMe M.2 SSDですらまだGen 5対応が間に合っていない)し、DDR5への移行は2022年以降になるので、コンシューマー向けは2021年もDDR4のままである、という話である。このメモリーに関しては微妙なところであって、確かに2021年中にDDR5 Unbuffered DRAMの出荷も始まるだろうが、それほど分量は多くなく、しかも高止まりするだろう。

すると、下図のような構成が当然考えられる。コアがZen 3のままか、それともZen 4かは断言できないが、CIoDは引き続きAM4対応のものを使う、という形だ。これだとDDR4メモリーのままでPCIe Gen4なので、既存のプラットフォームがそのまま使えることになる。

Warholの予想構成図

このあたり、今年のCOMPUTEX前後のタイミングでもう少しなにかしら情報が出てきそうではある。今回はあくまで筆者の与太話レベルということで。

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