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定番のゲームベンチマークである「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」(以降FF14ベンチマーク)も見ていきたい。「Armoury Crate」のシステムでは、実は省電力としてiGPUモードの切り替えもできる。外出先でGPUを使う重い作業をしない際に、GPUの消費電力を減らし、バッテリー駆動時間を延ばす際に使用する。
そこで、この検証においては、「Ryzen 9 5900HS」の内蔵GPUでのみ動作するiGPUモードでの結果も加えてみた。品質設定は「最高品質」、フルスクリーンにして計測。解像度は、プリセットから選択、解像度をカスタムすれば1920×1200ドット(WUXGA)とアスペクト比16:10でも計測できるが、そこまで大きな差にはならないので、ここでは他の製品との比較がし易いよう、あえて基本の比較用としてプリセットの1920×1080ドットで計測。それ以上の解像度は2560×1600ドット(WQXGA)、3840×2400ドット(WQUXGA)と16:10のプリセットを選択して計測した。
XG Mobile接続時は、3840×2400ドットでも7000以上と最も評価の高い「非常に快適」。一方、dGPUであるGTX 1650でもフルHDでは「非常に快適」、3840×2400ドットでも「普通」と、それなりに高いスコアーを示している。
さすがにiGPUであるRadeon Graphicsになると2560×1600ドット以上だと厳しいが、フルHDなら「やや快適」と標準的な動作が可能に。Ryzen 9 5900HSの高いシングルスコアと、AMDの優秀な内蔵GPU性能もあって、省電力動作時でも、そこまで重くないライトなPCゲームなら遊べるし、簡単な写真や画像編集くらいなら十分な性能を有していることが分かる。
最後に実ゲームのフレームレートをCapFrameXにて計測。平均フレームレートと、全体の1%である99パーセンタイルのスコアーの2種類を示す。
超重量級のCyberpunk 2077はXG Mobileなら
最高画質設定&高画質でもプレイ可能!
まずは、何かと話題を呼んだAAAのオープンワールド・アクションアドベンチャーで描画負荷の高い「Cyberpunk 2077」をピックアップ。クイックプリセットを最も負荷の高い「ウルトラ」に設定し、コーポレートの冒頭のビル内を1分間、走り回ったりした際のフレームレートを解像度ごとに測定した。「Cyberpunk 2077」はDLSS対応のゲームではあるが、GTX 1650との比較のため、今回は適用計測は実施していない。
XG Mobileを使えば、1920×1200ドットなら平均81.2fps、最低fpsも62.1fpsと60fps以上で快適にプレイできる。2560×1600ドットでも最低fpsで43.3fpsと常時30fpsで安定したプレイが可能だが、3840×2400ドットではさすがに動作が重い。
一方、GTX 1650では、平均24.5fpsと一応プレイはできるが、ややもっさり感は否めない感じ。やはり、最高の画質設定ではちょっと厳しいが、画質設定を「中」まで落とせば平均30fps以上で遊べる。
「Cyberpunk 2077」は、非常に動作の重いゲームだ、ライターの加藤勝明氏が、以前デスクトップ用AMD「Ryzen 9 5950X」(16コア/32スレッド、3.4~4.9GHz)と、最新のAMD「Radeon RX 6000シリーズ」の組み合わせで検証を実施した際も、Radeon RX 6800でも3840×2400ドットだと平均31fps未満という結果だったため、3840×2400ドットで快適というのは現状なかなか難しいようだ。
最新の3D RPGは画質設定次第なら
XG Mobileなしでも遊べる!
今度はゲームジャンルを変えたかったため、Steamでは1月に発売されたばかりで、レビューが非常に好評と評判も高いRPG「ライザのアトリエ2 〜失われた伝承と秘密の妖精〜」でフレームレートを計測。冒頭ストーリーを進め、最初に訪れる「王都アスラ・アム・バート」内アースター中央区の広場周辺、大体同じルートをぐるぐると移動して計測。
3Dモデリングで描かれているためかRPGにしてはそこそこ重いが、1920×1200ドットであればGTX 1650で平均35.1fps、最低fpsは27.7とやや30fpsを下回ったが、1フレームの遅延が致命的になるFPSや格闘ゲームとは違うので、十分快適にプレイ可能。2560×1600ドットでも不快感を覚えるほどの遅延はないが、さすがに3840×2400ドットにすると平均fpsが15を下回り、移動速度が目に見えて遅くなり、周辺を見回すと酔いを覚える。
一方で、XG Mobileを接続すると、3840×2400ドットでも最低fpsが42.7と30fpsを常時超えるので、最高の映像美でゲームが楽しめる。ちなみに、本作のフレームレートはディスプレーのリフレッシュレートに引っ張られるため、1920×1200ドットでも平均fpsが60になっている。試しに、筆者の自宅のメインディスプレーである、ASUS「XG32VQR」(31.5インチ、2560×1400ドット、144Hz)に接続して計測したところ、2560×1400ドットで平均81.9fps、最低70.5fpsと60fps以上と快適にプレイできた。
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定番どころとして根強い人気のFPS「Apex Legends」でもフレームレートを計測。画質はデフォルトのほぼ「高」設定、垂直同期はオフにして、トレーニングモードで1分間、射撃や移動を繰り返して測定。本作はディスプレーのリフレッシュレート以上のゲーム内フレームレートで計測が可能。
GTX 1650でも1920×1200ドットなら最低47.8fpsでプレイ可能。2560×1600ドットでも最低34.2fpsと常時30fpsを超えているので、プレイ自体は可能。一方、XG Mobileを接続した場合、2560×1600ドットで平均131.4fpsと、常時120fps以上でプレイが可能。
ただし、最低fpsは1920×1200ドットでも108.5fpsと120fpsを超えていないため、勝利のために少しでも120fpsを切らしたくない、という人はやや画質設定を下げる必要があるかもしれないが、自宅ではXG Mobileにリフレッシュレート120Hz以上のディスプレーを接続して、120fps以上のヌルヌル動作でプレイしたい人にも満足のいく性能を示した。
また、「Apex Legends」のように、フレームレートが重要なゲームを中心にプレイする人は、120Hzに対応した「GV301QH-R9G1650H120」の方を購入するという選択肢もアリだろう。
ゲーミングとしては唯一の13インチの2 in 1
高い汎用性とGPUボックス接続時の性能は超魅力的
以上でFlow X13の検証は終了したい。Flow X13は、シングルスレッド性能が向上し、今やゲーム用途PCにも最適である、AMDの最新第4世代Ryzen 9 5900HSを搭載。「Cyberpunk 2077」のような超AAAタイトルを除けば、大抵のPCゲームがフルHD相当の1920×1200ドットでなら快適にプレイできる性能を有す。さらに、8コア/16スレッドと1台でゲームをしながら実況配信も可能なマルチ処理性能を持ちながら、13.4インチ&約1.35kgというモバイルにも適したサイズと重量で、持ち運んで使うメインPCとしても使える。
この性能を持っていながらヒンジ部分で360度回転する2 in 1とシーンに応じた汎用性も高く、やや縦長の16:10という画面サイズは、オフィスワークにも適している。また、ASUS独自のアプリによる状況に応じたパフォーマン設定やスマホとの連携の幅も広く、テレワークが求められる昨今、自宅のあらゆる場所であらゆる形で使える万能機として活用できる現状唯一無二の製品とも言える。
また、別途購入が必要だが、XG Mobileと接続することで、高性能なデスクトップゲーミングPC並みの性能になるロマン溢れる1台だ。その分、Flow X13と合計で30万円をやや超える価格になるが、RTX 30シリーズ搭載の高性能デスクトップPCは、30万円台から40万円台と考えれば、決して高すぎない。
ゲーミングノートPCを謳う製品は、そのほとんどが15.6インチ以上と、外出先への持ち運びにはやや大きいサイズだ。13インチクラスというと、かつてはDellのALIENWAREで展開されていたが既になく、昨年マウスコンピューターが販売したKaby Lake-G世代の「Core i7-8709G」を採用した「G-Tune P3」(dGPU搭載ではないが)も完売。
今購入できる製品としては、RazerのBlade Stealth 13シリーズのみという状況なので、画面サイズの大きさより持ち運び易さを求める人にもオススメ。AMDの最新Ryzen 5000モバイル・プロセッサー搭載機が気になっていた人や、XG Mobileに接続した際の高性能を活かすゲームプレイやクリエイティブ作業用途を検討している人には、とても魅力的な製品と言えるのではないだろうか。