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【注目Radeonピックアップ!第31回】

「BIOHAZARD VILLAGE」も快適に遊べる! MSI「Radeon RX 6700 XT GAMING X 12G」の実力を検証(1/2)

世界的な半導体不足と、マイニング需要の増加によるグラフィックスカードの品不足は依然として続いている。そのあおりを受けて、グラフィックスカードの価格が高騰中だが、そんな状況下でも比較的購入しやすいカードとして「Radeon RX 6700 XT」(以下、RX 6700 XT)が注目を集めている。

そこで、今回はMSIのRX 6700 XT搭載モデルである「Radeon RX 6700 XT GAMING X 12G」(以下、RX 6700 XT GAMING X)を取り上げ、どのようなカードなのか紹介するとともに、ゲームを快適にプレイできるかどうか確かめてみたい。

ブーストクロックを2.6GHz以上に引き上げたクロックアップモデル

まずは、RX 6700 XT GAMING Xの動作クロック設定を確認しておこう。RX 6700 XT GAMING Xのゲームクロックは2514MHz、ブーストクロックは2622MHzと、リファレンス比で前者は90MHz、後者は41MHz引き上げられたクロックアップモデルだ。ブーストクロックで2.6GHz、ゲームクロックも2.5GHzを上回っているというのは、なかなかインパクトがある。

「GPU-Z」(Version 2.39.0)の実行結果

一方こちらはRadeon Softwareからスペックを確認したところ

さらに付属アプリケーションの「MSI Center」(Version 1.0.20.0)を利用することで、「Extreme Performance」「Balanced」「Silent」といった3つのユーザーシナリオに変更可能だ。工場出荷時設定はBalancedで、その動作クロック設定は前述のとおり。

Extreme Performanceは、具体的な動作クロック設定は公開されていないものの、GPU-Zで確認したところ、ブーストクロックは2714MHzとさらに92MHz向上した。一方のSilentは、同様にブーストクロックが2615MHzと、Blanacedから7MHz低下した。

付属アプリケーションのMSI Center

MSI Centerには3つのユーザーシナリオが用意されている

Extreme Performance設定時のGPU-Zの実行結果

こちらはSilent設定のGPU-Zの内容

グラフィックスメモリーは、GDDR6を12GB搭載。RX 6700 XT搭載モデルすべてに言えることだが、ミドルレンジ向けGPUで大容量のグラフィックスメモリーを備えている点はかなり魅力的だ。なお、MSI Centerで設定できるいずれのユーザーシナリオも、メモリークロックは16Gbpsで変わりはない。

MSI Centerには動作クロックのリアルタイムモニタリング機能も実装されている

オリジナルクーラーのTWIN FROZR 8を搭載
TORX FAN 4.0仕様のファンブレード

それでは、RX 6700 XT GAMING Xのカードを見ていこう、カード長は実測で278mm(※突起部除く)で、RX 6700 XTリファレンスカードが同266mmだったのに比べると、12mmほど長い計算になる。ただ、RX 6700 XT GAMING Xの基板自体は246mmほどしかないので、GPUクーラーがカード後方に30mmほどはみ出た格好だ。また、マザーボードに装着した際、垂直方向にブラケットから24mmほどはみ出ている点も注意しておきたい。

裏面には金属製バックプレートを装着。よく見ると、基板自体はさほど長くないことがわかる

GPUクーラーは、2.9スロット占有タイプの「TWIN FROZR 8」と呼ばれる同社オリジナルのもの。100mm角相当のファンを2基搭載しているが、そのファンブレードは2枚を1組として外輪部を結合させた「TORX FAN 4.0」仕様。

MSIによると、この仕組みにより、エアフローの整流性を高め、より効果的な冷却を実現できるという。さらに、GPUの温度が低い状態では、ファンの回転を停止する「Zero Frozr機能」を実装。このZero Frozrは、先ほどのMSI Centerから無効にすることができ、その場合は常時ファンが回転するようになる。

100mm角相当のファンを2基備えたオリジナルクーラーのTWIN FROZR 8を搭載

2枚を1組にして外輪部と一体成型されたTORX FAN 4.0仕様のファンブレード

MSI CenterのGraphics Fan ToolからZero Frozrのオン/オフが可能。クーラーブーストを有効にするとファンが一気に100%で回転する

ヒートシンクを見ていくと、6mm径のヒートパイプを5本使用しているようで、MSIによるとGPUベースとはコアパイプと呼ばれる技術で接触しているという。このコアパイプは、ヒートパイプを直方体にすることで接触面積を最大にするというもの。これにより、効果的に熱平衡が可能となり、最適な冷却を実現するとのこと。さらに、放熱フィンに整流装置を組み込むことでエアフローを改善し、静音性と冷却性能の両立を図っている。

GPUクーラーの側面とファン間の線状の意匠にはLEDが組み込まれており、ゲーミング向けモデルらしくきらびやかに点灯する。また、これらのLEDはMSI Centerを用いることで、「Mystic Light」で光り方や色の変更が可能になっている。

MSI CenterのMystic Light。色や輝度、光り方を制御することが可能

補助電源コネクタは8ピンを2基装備。RX 6700 XTリファレンスカードは8ピン+6ピンだったので、電力供給もそれから強化されている。なお、外部出力インターフェースは、DisplayPort 1.4a×3、HDMI 2.1 Type A×1という構成で、こちらはリファレンスカードから変わりはない。

補助電源コネクタは8ピン×2に強化

HDMIが1つにDisplayPortが3つと、このクラスの製品ではよく見る構成

MSI Centerのほかの機能にも触れておこう。「True Color」では画面の輝度や色温度などを変更でき、「EyeRest」「ゲーム」「ムービー」といったプリセットも用意されている。さらに、「Smart Priority」では、MSI AI ENGINEというAIにより、使用しているアプリケーションに自動的に優先順位を付けられる。

もちろん、その優先順位をユーザーが任意に変更することもできる。さらに、ゲームの最適化を行なう「Gaming Mode」や、ネットワークの帯域をアプリケーションに割り当てる「LAN Manager」といった機能も用意されている。

画面の色温度などをカスタマイズすることが可能なMSI CenterのTrue Color

MSI AI ENGINEというAIでアプリケーションの優先付けを自動で行なうSmart Priority

ゲームの最適化や各種設定を自動で適用するGaming Mode

ネットワークの帯域幅を各アプリケーションごとに設定できるLAN Manager

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