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【注目Radeonピックアップ!第32回】

煌びやかな外観に4Kも遊べるパフォーマンス!SAPPHIRE「NITRO+ RX 6700 XT OC」をレビュー(1/2)

同じGPUを搭載したモデルでも、より高いパフォーマンスが期待できることで、グラフィックスカードのオーバークロックモデルは好評を博している。そんなオーバークロックモデルの中でも、SAPPHIREのNITROシリーズは高性能かつGPUクーラーの冷却性能に優れていることから高い人気を誇っている。

今回紹介する「NITRO+ AMD Radeon RX 6700 XT OC 12G GDDR6」(以下、NITRO+ RX 6700 XT OC)も、同社のNITROシリーズに属するモデルで、GPUにAMDの「Radeon RX 6700 XT」(以下、RX 6700 XT)を採用している。このNITRO+ RX 6700 XT OCは、ミドルレンジ向けに置かれるモデルではあるが、ハイエンドモデルを踏襲したかなり高品質な製品に仕上がっている。では、NITRO+ RX 6700 XT OCはどのようなカードなのか、詳しく見ていこう。

ブーストクロックは2622MHzに向上
PerformanceとSilentの2つのvBIOSを搭載

まずは、NITRO+ RX 6700 XT OCの動作クロック設定から説明していこう。NITRO+ RX 6700 XT OCのゲームクロックは2548MHz、ブーストクロックは2622MHzで、リファレンスと比較すると、前者は124MHz、後者は41MHz引き上げられたオーバークロックモデルだ。メモリーにはGDDR6を12GB搭載し、メモリークロックは16Gbpsと、こちらはリファレンスから変わりはない。

GPU-Z(Version 3.39.0)の実行結果

Radeon Softwareから仕様を確認しているところ

それに加えて、NITRO+ RX 6700 XT OCでは、Performance ModeとSilent Modeの2つのvBIOSを搭載。工場出荷時設定はPerformance Modeで、その動作クロック設定は前述のとおり。Silent Modeの動作クロック設定については公表されていないものの、実際に試してみたところ、ゲームクロックは2433MHz、ブーストクロックは2615MHzに低下した。

なお、vBIOSの切り替えは、裏面からアクセス可能なディップスイッチで行なうのだが、ブラケットから最も遠い側がPerformance Modeで、中央の位置がSilent Mode、最もブラケットに近い側が、付属するユーティリティーツール「SAPPHIRE TriXX」(Version 8.3.0)でvBIOSを変更できるSoftware Switch Modeとなる。

vBIOSの切り替えスイッチは、カード裏面のブラケット近くに用意された切り欠きの位置に搭載されている

Silent ModeでのGPU-Zの実行結果

SAPPHIRE TriXXでは、GPUのコアクロックやメモリークロック、それにGPUの温度などをリアルタイムでモニタリングできるほか、Navi世代から実装された画像全体のシャープネスを均等化させる「Radeon Image Sharpening」のオン/オフを設定する機能が用意されている。

また、SAPPHIRE TriXXでは、ゲームのレンダリング解像度を変更することで、フレームレートの向上を実現する「TriXX Boost」という機能も実装されているが、これはRadeon Softwareにも搭載されている「Radeon Boost」を応用したものと捉えてよさそうだ。

付属アプリケーションのSAPPHIRE TriXX

SAPPHIRE TriXXでは、動作クロックやメモリークロックなどの様子をグラフで表示することも可能

さらに、レンダリング解像度を変更してフレームレートを向上させるTriXX Boostも用意されている

カードサイズは約309mmと比較的大きめ
サイズの異なる3基のファンを搭載

それでは、NITRO+ RX 6700 XT OCのカードそのものについて見ていこう。カード長は、実測で約309mm(※突起部除く)と、RX 6700 XTリファレンスカードが同266mmほどであったのに比べると、約43mm長い計算になる。

といっても、基板自体の長さは241mmほどしかなく、GPUクーラーがカード後方に68mmほどもはみ出た格好となる。また、マザーボードに装着した際、垂直方向にブラケットから25mmほどはみ出ていることもあり、全体的なカードサイズは、ミドルレンジ向けとしてはかなり大きな印象を受けた。

裏面は金属製のバックプレートが装着。表側とは異なり、裏面はシルバー一色だ

GPUクーラーは、「Tri-Xクーリングテクノロジー」と呼ばれる独自のもので、2.5スロット占有タイプでブラックとシルバーのツートンカラーのデザイン。両端の2基が100mm角相当、中央の1基が90mm角相当と、サイズが異なる3基のファンを搭載している。

いずれのファンも、ブレードが外枠と一体成型されたうえ、その外枠には切り欠きが施されたユニークな形状のものを採用。SAPPHIREによると、このファンブレードにより、高い静音性とエアフローの風圧の向上を両立させているとのこと。また、先述のSAPPHIRE TriXXで、これらのファンの動作チェックが行なえる点はなかなかおもしろい。

中央の1基だけサイズが異なる3基のファンを装備。ブレードの形状もユニークだ

カードを覗き込んでみると、このGPUクーラーには6mm径のヒートパイプが4本用いられ、それらがGPU上のベースと放熱フィンを繋ぐ構造のようだ。放熱フィンは、カード前後方とGPU上の3ブロック構成で、特にGPU上のものはV字の形状となっており、SAPPHIREの説明では、このV字形によりエアフローをGPUに集中させることが可能になっているという。

さらに、放熱フィンはいずれもウェーブフィンと呼ばれる波を打ったようなデザインになっており、これにより風切り音の低減を実現しているとのこと。VRMやメモリチップなどにもしっかりとヒートシンクが密接する構造を採っており、GPUクーラーの冷却性能にもかなり配慮したモデルだ。

また、カード側面のSAPPHIREの文字と線状の意匠、裏面のロゴにはLEDが搭載されており、ゲーミングモデルらしく煌びやかなライティングを実現。そのうえ、SAPPHIRE TriXXを用いれば、これらのLEDの色や輝度、それに光り方を制御することも可能だ。

SAPPHIRE TriXXには常時点灯を含めて7種類の光り方が用意されている

補助電源コネクタは、8ピン+6ピンという構成でRX 6700 XTリファレンスカードと同じ。映像出力インターフェースは、DisplayPort 1.4a×3、HDMI 2.1 Type A×1で、こちらもリファレンスカードから変わりはない。

補助電源コネクタは8ピンと6ピンが1つずつという構成で、一段低い箇所に実装されている

映像出力はDisplayPortが3つにHDMIが1つで、これらを同時に使って4画面出力が可能だ

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