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【AMDチップセットマザーボードレビュー第37回】

コスト重視マザーながらレガシー端子やDebug LEDが便利なBIOSTAR「B550MX/E PRO(2/2)

文● 石川ひさよし 編集● AMD HEROES編集部

インターフェースもコスト重視だが
Debug LEDがとても親切

インターフェースは、冒頭で紹介したとおりDVI-DやD-Sub15ピンといった映像出力を備える。HDMI 2.0出力も1基あり、計3系統。APUを組み合わせてマルチディスプレーを構成するといった用途では、1つ新しいディスプレー、もう1つはこれまで使っていたディスプレーといった具合で組み合わせることもよくあるが、そのもう1つのほうがやや古いディスプレーであってもカバーできるところは強みだろう。

コスト増につながるインターフェースは搭載せず、レガシーインターフェースを充実させている

ITE Techの「IT6516BFN」を用い、DisplayPortをVGA(D-Sub15ピン)に変換している

一方、そのほかのインターフェースはかなり絞り込んでいる。たとえばUSB 3.2 Gen 2は非搭載だ。USBはすべて3.2 Gen 1のType-Aなので、どうしてもType-Cが必要という場合は、拡張カードによって追加するか、内部ヘッダーから変換アダプタを介して利用するといったスタイルになるだろう。

フロントUSBはUSB 3.2 Gen 1(5Gbps)

そしてネットワークも有線LANの1GbEのみだ。無線LANアンテナ用端子があるが、無線LANモジュールは付属しない。AMD B550搭載マザーボードでは2.5GbE搭載モデルも多いが、やはりここはコストを考慮してのことだろう。

とはいえ、現在主流の1GbEが搭載されていればビジネス/ホーム用途でも問題になる可能性は少ない。無線LANを使用するなら、M.2 E-Keyスロットがあるのでここに別途購入して追加、アンテナに接続するといった方法だ。

LANチップは1GbEのRealtek「RTL8111H」

なお、コスト重視のモデルながら、本来コスト増にもつながるDebug LEDを搭載しているのは非常にありがたい。DRAM、CPU、VGA(グラフィックスカード)、BOOT(ブート時、起動デバイスが見つからない場合など)と表記された4つのLEDがマザーボード右下部分に搭載されている。

PCの電源起動後、この部分のLEDの挙動を見れば、エラーがどの段階で発生しているのか把握することが可能だ。PCパーツの相性という言葉も昔ほどには聞かなくなったとはいえ、メーカー製と比べれば低価格のパーツ、バルク品などは相性が生じるリスクが高い。あると圧倒的に安心感があるのがDebug LEDだ。

Debug LEDがトラブル時の問題を特定する手段になる

安心設計・安心機能
レガシー機器にも対応しつつこの価格ならアリ

B550MX/E PROは、最新チップセットを搭載しながら良コスパという、BIOSTARが得意とする領域の製品であり、さらにレガシー機器を利用しているユーザーに対してその資産を引き続き利用可能とする、2つの特徴を持った製品だ。

一見するとシンプルだが、コンセプトは明確で、ややニッチかもしれないがそれを求める人はいる。DVI-DやD-Sub15ピンがいつまで使われるのかは分からないが、今もローエンドのグラフィックスカードなどで搭載されていることから、当面の間は使われ続けることだろう。

一方、機能面で特徴的だったのがVRMとDebug LEDだ。VRMは、コストこそ抑えつつもフェーズ数を多めにとって安定性を重視し、トラブル発生時にはDebug LEDが助けになる。ほかにもESD保護機能も備えている。

価格に関しては、実際のところAMD B550マザーボードでは1万円以下のモデルもあるので、B550MX/E PROは最安値クラスではない。しかしAMD B550マザーボード全体を見渡せば、やはり比較的安価なポジションだ。このバランスこそが、BIOSTARの魅力だろう。


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