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【AMDチップセットマザーボードレビュー第39回】

人気PCケースメーカーの機能美あふれるマザーボード、NZXT「N7 B550」(2/2)

文● 石川ひさよし 編集● AMD HEROES編集部

最新USB&最新LANにも対応

拡張スロットはPCI Express x16スロット×2、PCI Express x1×2で、2スロット厚のグラフィックスカード装着時でもほかのスロットを塞ぐことがないレイアウトだ。PCI Express x16の#1はPCI Express 4.0 x16レーンに対応しており、PCI Express x16の#2はチップセット側に接続したPCI Express 3.0 x4レーン仕様となる。

メモリーは4スロットでDDR4-4733+(OC)に対応している。OCメモリーのサポートも、大手マザーボードメーカーのものと変わらない。

ストレージはM.2スロットが2基(1基はCPU直結のPCI Express 4.0 x4に対応、もう1基はPCI Express 3.0 x4)、Serial ATA 3.0が6ポート。もう1つM.2スロットがあってもよいかもしれないが、標準的な拡張性と言えるだろう。

Serial ATA 3.0ポートは6基。その横にはUSB 3.2 Gen 1用ヘッダーがある

インターフェースでもUSB 3.2 Gen 2 Type-A/C(フロントヘッダー×1、リアA/C×各1)や2.5GbEをサポートしている。HDMIが1基のみだが映像出力も搭載しているため、APUも利用可能だ。Wi-Fi 6Eもある。

フロント用USB 3.2 Gen 2 Type-Cヘッダーを搭載

2.5GbEチップはRealtek「RTL8125BG」

オーディオはコーデックチップにRealtek「ALC1220」を搭載しており、オーディオグレードのコンデンサが組み合わされている。

オーディオコーデックはRealtek「ALC1220」

このように、全体的にミドルレンジ以上の構成だ。拡張性やインターフェースについても不足はない。もちろんハイエンドモデルなみに豪華とは言えないが、ちょうどよいバランスに収まってる。

検証時点で価格情報を得ていないが、おそらく本製品は大手マザーボードメーカーのモデルと比べれば少数生産になるだろうことから、豪華な機能で価格が跳ね上がるのを嫌ったのではないだろうか。NZXTなので、やはりシンプルで実用的というのがコンセプトにあるのだろう。

なお、イルミネーションLEDは非搭載で、マザーボード上にはLED用ヘッダーが用意されている。12Vと5VのLEDヘッダーに加え、NZXT用とされる4ピンヘッダー2基が追加されているところはユニークだ。

また、これらのLEDの制御には「NZXT CAM」が用いられる。CAMと言えば、同社の水冷クーラーやファンなどでもおなじみのLEDユーティリティーであり、そのほかにもCPU温度やファン回転数などのモニタリング機能、OC機能も備えている。たとえば、本マザーボードを軸にNZXT製品でPCをまとめあげれば、多くのパーツがCAMから制御できる。

もちろんCAMだけですべてをカバーできるわけではないと思われるが、各パーツごとに分かれるユーティリティーをまとめるという点で、利便性が向上するだろう。


12V/5Vの各LEDヘッダーに加え、NZXT用のLEDヘッダーもある

NZXT CAMからLEDを制御。CAMはOC機能やモニタリング機能など、各社マザーボード用ユーティリティーと同等の機能を備えている

魅力的なデザイン、シンプルで十分な機能
1つだけ注視しておきたいファームウェア

NZXT N7 B550を見てきたがシンプルなマザーボードだ。ホワイトであることも影響しているだろう。組み立ててみても非常にスッキリとしている。デザインだけでなく、機能面でも次世代インターフェースを取り入れ、過不足がない。マザーボードとして見ても非常に魅力的な製品と言えるだろう。

なお、ご興味を持たれた方は、是非とも本製品の製品サイトも見てみるとよいだろう。大手マザーボードメーカーで見る製品情報とはまったく異なるので新鮮だ。簡潔で読みやすい一方、公開されている情報量が少ないようにも感じた。

ほか、多少気に留めておく必要がある点として、サポート面が挙げられる。ハードウェアとしての保証やドライバの提供といったところは問題ないだろう。まだマザーボードにおける実績が浅い同社の場合、気になるのはファームウェアのサポートだ。

おそらく、本体ハードウェアもファームウェアもほかのメーカーで製造委託していると思われるが、新CPUが登場した際やセキュリティー関連などでのファームウェアアップデートがあった場合、ほかのメーカーと同じくらいのスピード感で行なわれるのだろうか。実際にその時になってみなければ分からない。もちろん、数年間にわたりマザーボード新製品を投入しているNZXTだ。そうしたところも十分に対策済みであると信じたい。


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