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192bitを超える128bit
最初に試すのは定番「3DMark」だ。旧世代のRX 5600 XTに勝つのは当然として、メモリーバス幅が192bitと太いRX 6700 XTやRTX 3060に対し、128bit幅のRX 6600 XTがどこまで肉迫できるかに注目したい。
RX 5600 XTに対してはおおよそ27〜39%上回り、RX 6700 XTに対しは16〜25%下というスコアーを示した。メモリーバス幅128bitであっても、特別性能が悪いという訳ではない点は驚きだ。そしてライバルのRTX 3060に対してはPort Royalで負け(これはRDNA 2の宿命)てはいるものの、それ以外のテストでは最大25%、最小でも7%上回っている。無論これだけでRX 6600 XTがRTX 3060より速いと断言できるものではないが、RDNA 2の強さはスペックを切り詰めても発揮できていると考えてよいだろう。
続いてはシステム全体の消費電力をチェックする。ラトックシステム「RS-WFWATTCH1」を利用し、システム起動10分後の安定値(アイドル時)と「3DMark」Time Spyデモ実行中のピーク値(高負荷時)を測定した。
まず高負荷時の消費電力はRTX 3060とRX 6600 XTがほぼ同レベルで、上位のRX 6700 XTよりも50W以上は低い値を示した。8ピン1系統で養うことのできるGPUとしてはワットパフォーマンスも良いことが示されている。またアイドル時の消費電力も今回試した4枚のカード中最も低い点にも注目したい。
メモリーコントローラーを削って消費電力を抑える(減ったメモリー帯域はInfinity Cacheがカバーする)というRDNA 2の設計コンセプトが上手く機能していることが確認できた。
フルHDならライバルと同格の「Rainbow Six Siege」
ここから先はひたすら実ゲームベースの検証となる。まずは描画負荷の軽い「Rainbow Six Siege」で試そう。APIはVulkanとし、画質“最高”にレンダースケール100%設定を追加。ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測した。なお、DXRに対応しないRX 5600 XTは検証から除外している。
3DMarkではRTX 3060に対し圧倒的な差を付けていたRX 6600 XTだが、Rainbow Six SiegeではフルHDで同等、WQHDや4Kになるとむしろ下回るという結果が得られた。RX 6700 XTとRTX 3060というメモリバス幅192bit幅対決で見るとRX 6700 XTが圧勝しているので、単純にGPUの回路規模が少ないのでフレームレートも伸びなかったと考えられる。
現時点のRainbow Six SiegeはDLSSやReflexなどNVIDIA独自の技術を実装していることから、エンジンそのものもGeForce寄りになっている可能性もあるかもしれない。
「Apex Legends」ではライバルより快適に遊べる?
続いて「Apex Legends」で試してみよう。画質は最高画質設定、起動オプションにフレームレート制限解除(+fps_max unlimited)を追加した。射撃訓練場で一定の行動をした時のフレームレートを「CapFrameX」で計測している。
ゲームの設計上300fpsで頭打ちになるためハイエンドGPUの性能が活かされにくいゲームだが、RX 6600 XTクラスのGPUには丁度良い負荷のようだ。ここでもRX 6700 XTに対して18〜25%下回っているのは3DMarkの結果に近いものがあるが、RTX 3060に対してはほぼ同等の性能を示した。
ただ最小フレームレート(の1パーセンタイル点)を見ると、今回の検証ではどの解像度でもRX 6600 XTの方がRTX 3060よりも若干高い値を示している。つまりカクつきが抑えられるという点において、RX 6600 XTはライバルを上回っているといえるだろう。