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組み合わせるGPUのパフォーマンスが
カギになる「Rainbow Six Siege」
今回は実ゲームベースだけで検証を進める。最初に試すのは「Rainbow Six Siege」だが、APIにVulkanを選択し、解像度はフルHDのみとした(解像度を上げるとCPUの差が見えにくくなるため)。RX 5600 XTは画質“低”と“最高”+レンダースケール100%設定で、RX 6800 XTは“最高”+レンダースケール100%設定のみで検証している。内蔵ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測した。
まず、画質“低”設定では、Ryzen 5000GシリーズにRX 5600 XTを追加すると、平均フレームレートが4倍近くまで跳ね上がる。そして同時にRyzen 5000シリーズのX付きモデル(Ryzen 5 5600Gに対する5600X、Ryzen 7 5700Gに対する5800X)との比較では、極めて軽微な差にとどまっている。
RX 5600 XTを使う限り、画質を目一杯上げてもその傾向は変わらない(2番目のグラフ)。若干L3キャッシュの少ないRyzen 5000Gシリーズの方がフレームレートが下がっている程度の印象だ。
しかし、RX 5600 XTよりもはるかにパワーのあるRX 6800 XTを組み合わせると様相が異なる(3番目のグラフ)。Ryzen 5000Gシリーズの方が、それぞれ対応するX付きモデルよりも、平均フレームレートが12〜13%低くなった。明らかにRyzen 5000GシリーズがハイパワーGPU(RX 6800 XT)の足を引っ張っている。
CPUのTDPや動作クロック、L3キャッシュの搭載量やビデオカード用PCI Expressのバス幅(Ryzen 5000Gシリーズは帯域が半分)等が考えられるが、TDP65Wでクロックも微妙に下のRyzen 5 5600Xが5800Xと同等の性能を出していることから、Ryzen 5000GシリーズのL3キャッシュ搭載量がボトルネックの原因として浮かび上がる。逆に言えば、RX 5600 XTのようなエントリー寄りミドルクラスGPUを使うのであれば、Ryzen 5000Gシリーズの方がコストパフォーマンスは良いのだ。
「Apex Legends」では僅差にとどまる
続いては「Apex Legends」でも同様の検証を行なう。RX 5600 XT環境では画質は最低および最高画質設定、RX 6800 XTでは最高画質設定のみで検証する。射撃訓練場における一定の動作をした時のフレームレートを「CapFrameX」で計測した。144fpsキャップを外す設定(+fps_max unlimited)も追加している。
Apex LegendsでもRainbow Six Siegeと同様の結果が出た。Ryzen 5000Gシリーズ内蔵GPUだけでは最低画質設定でも満足なプレイは期待できないが、ビデオカードを追加すればフレームレートは一気に上昇し、Ryzen 5000シリーズのX付きモデルと遜色ない性能が期待できる。
ただ、RX 6800 XTクラスのハイエンドGPUの性能をフルに引き出すという観点ではRyzen 5000シリーズのX付きモデルには微妙に及ばない。RX 6800 XT環境におけるRainbow Six Siegeでは平均フレームレートで12〜13%の差がついていたのに、Apex Legendsでは誤差程度の差にとどまっているのは、Apex Legendsは300fpsでフレームレートが頭打ちになってしまうためである。