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【注目Radeonピックアップ!第39回】

この短さでRTX 3060越えの性能!ASRock「RX 6600 XT Challenger ITX」をレビュー(2/2)

RTX 3060より2割強高いパフォーマンス
1920×1080ドットで快適なプレイを実現

テスト環境
CPU AMD「Ryzen 9 5950X」
(16コア/32スレッド、3.4~4.9GHz)
マザーボード ASRock「X570 Taichi」(AMD X570)
メインメモリー DDR4-3200 16GB(8GB×2)
グラフィックスカード ASRock「Radeon RX 6600 XT Challenger ITX 8GB」(Radeon RX 6600 XT)、
ZOTAC「ZOTAC GAMING GeForce 3060 Twin Edge OC 12GB 192BIT GDDR6」(GeForce RTX 3060)
SSD Plextor「PX-512M9PeG」(M.2、NVMe、512GB)
電源ユニット SilverStone「SST-ST1200-G Evolution」
(1200W、80PLUS Gold認証)
OS Microsoft「Windows 10 Pro 64bit版」

それでは、RX 6600 XT Challenger ITXのパフォーマンステストに映ろう。今回、比較対象には同じミドルレンジ向けとなる「GeFroce RTX 3060」(以下、RTX 3060)搭載のグラフィックスカードを用意。また、グラフィックスドライバーには、テスト時に最新バージョンとなる「Radeon Software Adrenalin 21.9.2 Optional」を使用した。それ以外のテスト環境は表の通りとなる。

まずは、「3DMark」(Version 2.20.7256)の結果からだが、RX 6600 XT Challenger ITXは、Fire StrikeでRTX 3060におよそ24~25%もの差を付けた。特にFire Strike“無印”では、RX 6600 XT Challenger ITXのスコアは25000を軽く上回り、格の違いを見せ付けている。

一方、DirectX 12のテストとなるTime Spyでは、RTX 3060が意地を見せて差を詰めるものの、それでも両者の溝は10~14%ほどあり、RX 6600 XT Challenger ITXの優位性は変わらない。

では、実際のゲームではどうなのか。「バイオハザード ヴィレッジ」のパフォーマンスを見てみよう。ここでは、オプションのグラフィックス自動設定から「画面品質重視」を選択してゲームをプレイ。その間のフレームレートを「CapFrameX」(Version 1.6.5)で取得した。また、最小フレームレートの代わりに、全体のデータのうち1%の値となる1パーセンタイルフレームレートを使用し、以下、文中とグラフ中ともに「Minimum(1%)」と表記することをここで断っておく。

さて、その結果だが、2560×1440ドット以下の解像度であれば、RX 6600 XT Challenger ITXはRTX 3060に平均フレームレートで約21~25%、Minimum(1%)で約22~25%の差を付けており、どちらがより快適にプレイできるかは誰の目にも明らかだろう。

3840×2160ドットでは両者の差は詰まり、また、ともにMinimum(1%)が60fpsを割ってしまっている。RX 6600 XT Challenger ITXにおけるバイオハザード ヴィレッジのプレイの現実的な選択肢は、2560×1440ドット以下の解像度と言えそうだ。

続いて「Call of Duty: Warzone」の結果に移ろう。ここでは、オプションから描画負荷が最大となるに設定したうえでゲームをプレイし、先ほどと同様にCapFrameXでフレームレートを取得している。

その結果だが、やはり3840×2160ドットでは力不足が露呈してしまうものの、2560×1440ドットでは常時60fps以上のフレームレートを発揮。また、特に注目したいのは1920×1080ドットの結果で、RTX 3060のMinimum(1%)が90fps弱であるのに対して、RX 6600 XT Challenger ITXは120fps以上と、約39%もの差が付いた。

Call of Duty: Warzoneのような対戦FPSゲームでは、1フレームでも多く描画して有利に立ち回るというのがトレンドになっているが、RX 6600 XT Challenger ITXであればそうした需要にも応えられるパフォーマンスを備えていると言ってよいだろう。

さらに「DEATH STRANDING」でも、RX 6600 XT Challenger ITXの勢いは止まらない。両者の溝は、平均フレームレートでおよそ8~24%、Minimum(1%)でおよそ13~28%と、解像度が上がるにつれて差が縮まっているものの、RX 6600 XT Challenger ITXが優位に立っている。

そのRX 6600 XT Challenger ITXをもってしても、3840×2160ドットでは、平均フレームレートでさえ60fpsを切ってしまうが、2560×1440ドット以下の解像度であれば、かなり快適なプレイが実現できていることは間違いない。

最後に「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」の結果を確認しておこう。ここでは、描画負荷が最大となる最高品質に設定してベンチマークを実行しているが、同ベンチマークはGeForceシリーズへの最適化が進んでおり、Radeonシリーズは不利な戦いを強いられている。

それでもRX 6600 XT Challenger ITXは、1920×1080ドットであればRTX 3060を4%ほど上回っている。スクウェア・エニックスの示す指標ではスコア15000以上が最高評価とされているが、RX 6600 XT Challenger ITXは1920×1080ドットでその指標を満たし、2560×1440ドットであと一歩のところまで迫っている点は評価できる。

短さに価値を見出せるかがポイント
選択肢がない状況で存在感は大きい

さて、気になるRX 6600 XT Challenger ITXの価格だが、実売で7万1000円ほどと、5~6万円で販売されているほかのRX 6600 XT搭載モデルと比べて若干高めだ。とはいえ、コンパクトなサイズながらもしっかりと高いパフォーマンスを発揮しており、ゲームも快適にプレイできることは先のテスト結果から明らかだ。

そのため、カードの短さに価値を見出せるかどうかが評価が分かれるポイントになってくるが、コンパクトなモデルは選択肢があまりない。そんな中、高い性能を備えたRX 6600 XT Challenger ITXは、唯一無二の存在と言ってしまってよいのではないだろうか。


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