2021年10月6日、ユービーアイソフトからオープンワールドFPS「ファークライ6」が発売された。同ゲームは、人気の高いファークライシリーズの最新ナンバリングタイトルにあたり、島国「ヤーラ」を舞台に、プレイヤーはダニー・ロハスを操作し、独裁者アントン・カスティロに対してゲリラ活動を行なう内容になっている。
最新作らしく描かれる島国の様子は、かなり美麗になっている一方で、推奨動作環境はCPUが「Ryzen 5 3600X」または「Core i7-7700」以上、GPUが「Radeon RX Vega 64」または「GeForce GTX 1080」以上と、相応にハードルは高いものとなっている。では、実際にどの程度のフレームレートがあれば、快適にファークライ6をプレイできるのだろうか。
そこで、本稿ではASRockの協力の元、「Radeon RX 6900 XT」、「Radeon RX 6800 XT」、「Radeon RX 6700 XT」、「Radeon RX 6600 XT」(以下、RX 6900 XT、RX 6800 XT、RX 6700 XT、RX 6600 XT)RDNA 2世代のAMDの最新GPUを搭載したPhantom Gamingシリーズとなる4枚のビデオカードを用意。これらのカードを使って、実際にファークライ6をプレイし、そのパフォーマンスを確認してみたい。
Dunia 2エンジンを採用したファークライ6
ベンチマークと2つのシーンでテスト
さて、ファークライ6は、ユービーアイソフトが発売しているが、開発はUbisoft Torontoが担っている。ゲームエンジンには「Dunia 2」を採用しており、これは前作の「Far Cry New Dawn」と名称こそ同じだが、いくつかのアップデートが図られている。
特にグラフィックスAPIとしてDirectX 12をサポートしているほか、最新のタイトルらしくレイトレーシングにも対応。さらに、AMDのアップスケーリング技術である「FidelityFX」にも対応している点は、大きなトピックとして挙げられよう。しかしその半面、冒頭でも述べたように、動作環境は高くなっているというわけだ。
【ファークライ6必要動作環境】 | ||
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最低動作環境 | 推奨動作環境 | |
AMD系CPU | Ryzen 3 1200またはCore i5-4460 | Ryzen 5 3600XまたはCore i7-7700 |
インテル系CPU | Core i7-7700HQ(4コア/8スレッド、2.8~3.8GHz) | Core i5-7300HQ(4コア/4スレッド、2.5~3.5GHz) |
メモリー | 8GB(デュアルチャネルアクセス) | 16GB(デュアルチャネルアクセス) |
GPU | Radeon RX 460またはGeForce GTX 960 | Radeon RX Vega 64またはGeForce GTX 1080 |
グラフィックスメモリ | 4GB | 8GB |
DirectX | DirectX 12 | |
ストレージ | 60GB | |
OS | Windows 10(64bit) |
では、今回のテスト方法に話を移そう。ファークライ6には、描画設定として「低」「中」「高」「最高」と4つのプリセットが用意され、オプションのクオリティーの画質から選択可能だ。そこで、今回は描画負荷が最も大きくなる最高を選択する一方で、プレイアブルなフレームレートを得ることを重要視したため、レイトレーシングの設定はオフのままテストをしている。
【テスト環境】 | |
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CPU | AMD「Ryzen 9 5950X」(16コア/32スレッド、3.4GHz~4.9GHz) |
マザーボード | ASRock「X570 Taichi」(AMD X570) |
ビデオカード | ASRock「Radeon RX 6900 XT Phantom Gaming D 16G OC」(AMD Radeon RX 6900 XT)、 ASRock「Radeon RX 6800 XT Phantom Gaming D 16G OC」(AMD Radeon RX 6800 XT)、 ASRock「Radeon RX 6700 XT Phantom Gaming D 12GB OC」(AMD Radeon RX 6700 XT)、 ASRock「Radeon RX 6600 XT Phantom Gaming D 8GB OC」(AMD Radeon RX 6600 XT) |
メモリー | 16GB(8GB×2、DDR4-3200) |
ストレージ | Plextor「PX-512M9PeG」(M.2、NVMe、512GB) |
電源ユニット | SilverStone「SST-ST1200-G Evolution」(1200W、80PLUS Gold) |
OS | Microsoft「Windows 10 Pro」(64ビット) |
また、ファークライ6には、ベンチマークモードが用意されている。これは、街中の様子を上空から映す、いわゆるフライバイ形式のもの。複雑に入り組んだ街中で、NPCが戦闘を行なう様子が描画されており、描画負荷はベンチマークらしく大きめだ。
なお、ベンチマーク実行中には、フレームレートがリアルタイムでグラフ化され、最後に最高、平均、最小の各フレームレートが結果として画面に表示される仕組みだ。今回は、このベンチマークモードを利用したが、若干の結果のブレが確認されたため2回実行し、その平均を結果として採用している。
さらに、実際のゲーム中のフレームレートも気になるため、序盤に訪れる島「サントアリオ島」から2つのシーンを選択。1つは海岸のシーンで、ここでは打ち寄せる波やうっそうと茂る植物が風に揺れる様が描画されているほか、カニや鳥などの動物も配置されている。もう1つは、そのサントリア島の中央部に位置するメインストリートのシーンだ。
このシーンでは、島民が自動車などで行き交うほか、警戒中の独裁政権側の兵士との戦闘も少しばかり発生する。描画負荷が高めのこれらのシーンでテストを行なうというわけだ。
テスト環境は表に示すとおりだが、グラフィックスドライバーには、テスト時の最新バージョンとなる「Radeon Software Adrenalin 21.10.2」を用いている。特筆すべきは、1つ前のバージョンとなる21.10.1でファークライ6への最適化が施されている点だ。もちろん、今回利用した21.10.2でもその最適化が含まれた内容になっていることは言うまでもない。