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「VIVE Pro 2」を最高のパフォーマンスで使えるRadeonはどれか!? 徹底検証してみた(1/6)

加藤勝明(KTU) 編集●ジサトラハッチ/ASCII

※この記事はASCII.jpからの転載です(文中リンクはASCII.jpの記事に飛ぶことがあります)

至高のVRシステム「VIVE Pro 2」で極上のVR体験ができるRadeonは何か?

VIVE Pro 2自体のデザインはVIVE ProやPro Eyeとほぼ同じ。ベースステーションやコントローラーは既存のVIVEシリーズと共通。配線などのセットアップも既存のVIVEシリーズと共通化されている

現在さまざなVRシステムが市場に出回っているが、PC向けVRヘッドセットといえばHTC「VIVE」シリーズを思い浮かべる人も多いだろう。ルームスケールVRという概念をいち早く導入し、プレイヤーは体全体がバーチャルな空間に入ったような体験ができるということで人気を集めた。

そのVIVEシリーズだが、初代VIVEが出たのが2016年、その後VIVE ProやVIVE Cosmosといった後継機種が登場したが、今年夏に投入された最新モデルが「VIVE Pro 2」になる。

VIVE Pro 2最大の特徴は内蔵されている液晶スペックにある。従来のVIVEシリーズの液晶は縦方向に解像度の高い液晶が採用されていた。例えば初代VIVEなら片眼あたり1080×1200ドット、後継のVIVE Proでは1440×1600ドットに拡大されたが、視野角は最大110度である点は変わっていない。しかし、VIVE Pro 2では片眼あたり2448×2448ドットと横方向の解像度が向上しており、結果として視野角は最高120度まで拡大された。より解像度が高く、没入感も向上しているのだ。

さらに液晶のリフレッシュレートも従来のVIVEシリーズ共通の90Hzよりさらに高速な120Hzにグレードアップ。動きの多いVRコンテンツでもより滑らかな表示が得られる。そこで今回は、現行RDNA 2世代のRadeon RX 6000シリーズ5製品、Radeon RX 6600/Radeon RX 6600 XT/Radeon RX 6700 XT/Radeon RX 6800/Radeon RX 6800 XT(以下RX 6600/RX 6600 XT/RX 6700 XT/RX 6800/RX 6800 XT)を準備し、VIVE Pro 2のスペックを活かすことのできるRadeonはどこか? という点についてPC向けVRゲームを用いて検証することにしたい。

RDNA 2世代のRadeonはVRAM搭載量も多く、かつ素のGPUパワーも高い。VIVE Pro 2の表示能力全てを引き出したいなら、ハイパワーなRadeonが欲しいところだ。写真はRadeon RX 6800 XTのリファレンスカード

VIVE Pro 2のスペックを引き出すには

まずVIVE Pro 2を普通にセットアップしただけでは、VIVE Pro 2のスペックをフルに活かすことはできない。ベースステーションやSteamVR導入といった基本的セットアップ手順そのものは共通だが、最後にVIVE Pro 2ならではの設定が必要だ。SteamVRを起動させるとVIVE Consoleも起動するが、そこで「ディスプレイの設定」→「エクストリーム」を選択することで初めて片眼2448×2448ドット&120Hz表示が可能になる。

VIVE Consoleで「ディスプレイの設定」から「エクストリーム」を選択しないとVIVE Pro 2ネイティブ解像度で動作しない。デフォルト設定(バランス)だと縦方向の解像度はVIVE Pro相当、90Hz動作で視野角だけが120度になる

VIVE Consoleで設定を済ませた後にSteamVR設定の「動画」を開くと、最上段に「120Hz」表示が出るようになる。少しテストしてGPUのパワーが厳しいと感じたなら「レンダリング解像度」を適宜下げると良いだろう。今回の検証ではVIVE Pro 2ネイティブ解像度のほか、縦がVIVE Pro相当の解像度になる条件でもテストしている。解像度のパーセント数表記はGPUパワーにより変化する

ただ残念なことに、現行Radeonでは唯一RX 6600のみがエクストリーム設定を有効にできなかった。RX 6600のレビューで判明した通り、おおよそRX 6600 XTの15〜20%下がRX 6600という位置付けだが、この性能差がエクストリームには耐えられないという判断になったと推測される。

RX 6600環境でVIVE Consoleを起動すると、ディスプレイの設定は「ハイ」が上限となる。VIVE Pro 2のネイティブ解像度で遊ぶには、少なくともRX 6600 XTより上のRadeonでなければならないのだ。ちなみに初代VIVE相当の解像度となる「パフォーマンス」であれば、リフレッシュレート120Hz表示は可能だ

検証環境は?

今回の検証環境は以下の通りだ。検証時点ではまだRyzenとWindows 11の組み合わせに起因する性能低下問題を解決できるパッチが未配布であったため、Windows 10環境で計測している。ビデオカードは冒頭で述べた通り、RX 6000シリーズのRadeonのみに限定した。RX 6900 XTがないのは調達の問題もあるが、RX 6800 XTと6900 XTの性能差が小さいという理由もある。

また、ドライバーは検証時点の最新版(Adrenalin 21.10.1およびRX 6600専用ドライバー)を使用している。

検証環境
CPU AMD「Ryzen 7 5800X」
(8コア/16スレッド、3.8~4.7GHz)
CPUクーラー Corsair「iCUE H115i RGB PRO XT」
(簡易水冷、280mmラジエーター)
マザーボード GIGABYTE「X570 AORUS MASTER」
(AMD X570、BIOS F35d)
メモリー G.Skill「Trident Z RGB F4-3200C16D-32GTZRX」
(DDR4-3200、16GB×2)
ビデオカード Radeon RX 6800 XTリファレンスカード、
Radeon RX 6800リファレンスカード、
Radeon RX 6700 XTリファレンスカード、
ASRock「Radeon RX 6600 XT Phantom Gaming D 8GB OC」(Radeon RX 6600 XT)、
GIGABYTE「GV-R66EAGLE-8GD」(Radeon RX 6600)
ストレージ GIGABYTE「AORUS GP-ASM2NE6200TTTD」
(NVMe M.2 SSD、2TB)
電源ユニット Super Flower「SF-1000F14HT」
(80PLUS TITANIUM、1000W)
OS Microsoft「Windows 10 Pro 64bit版」
(May 2021 Update)

VRゲームの検証にあたっては、全てVIVE Pro 2のネイティブ解像度(片眼2448×2448ドット)に一番近い解像度になるよう、SteamVR側で解像度設定を調整した(実際は2440×2440ドットといった設定になる)。さらに1600×1600ドット&120Hzでの設定でも検証している。RX 6600はVIVE Consoleの制約により1600×1600ドットに近い解像度での検証となるが、こちらはリフレッシュレート90Hzで検証している(理由は前述)。

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