1920×1080ドットの結果が秀逸
RTX 3060に1割前後の差をつける性能
今回、比較対象には同じミドルレンジとなる「GeForce RTX 3060」(以下、RTX 3060)を用意。グラフィックスドライバーには、「Radeon Software Adrenalin 21.11.2」を用いているが、これはテスト時に最新バージョンとなるものだ。それ以外のテスト環境は表のとおり。
テスト環境 | |
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CPU | AMD「Ryzen 9 5950X」 (16コア/32スレッド、3.4GHz、最大4.9GHz) |
マザーボード | ASRock「X570 Taichi」(AMD X570) |
メインメモリー | 16GB(DDR4-3200 8GB×2) |
ビデオカード | MSI「Radeon RX 6600 MECH 2X 8G」(Radeon RX 6600)、 ZOTAC Technology「ZOTAC GAMING GeForce 3060 Twin Edge OC 12GB 192BIT GDDR6」(GeForce RTX 3060) |
SSD | Plextor「PX-512M9PeG」(M.2、NVMe、512GB) |
電源ユニット | SilverStone「SST-ST1200-G Evolution」(1200W、80PLUS Gold) |
OS | Microsoft「Windows 10 Pro(64bit)」 |
それでは、定番ベンチマークツールの「3DMark」(Version 2.20.7274)の結果から見ていこう。まずは「Fire Strike」からだが、RX 6600 MECH 2Xは、RTX 3060に約5~6%ほどの差をつけた。AMDいわく、RX 6600は1920×1080ドットでのゲームプレイを想定しているが、それがテスト解像度となるFire Strike“無印”で、両者の差が最も開いている点は要注目だ。
一方、DirectX 12のテストとなる「Time Spy」ではRTX 3060が意地を見せ、両者は横並びの結果となった。Time Spyでは、NVIDIAのAmpere世代のGPUが高いスコアを発揮する傾向があり、それが奏功して差を埋めたということなのだろう。それでも、RX 6600 MECH 2Xは、RTX 3060程度のDirectX 12性能は期待できる。
では、実際のゲームではどうなのか。まずは「バイオハザード ヴィレッジ」の結果を見てみよう。ここでは、オプションのグラフィック自動設定から「画面品質重視」を選択。そのうえで、ゲームをプレイしながら「CapFrameX」(Version 1.6.6)でフレームレートを取得した。なお、データ全体の最小1%となる1パーセンタイルフレームレートを最小フレームレートの代わりに使用し、以降、「Minimum(1%)」と表記することをここで断っておく。
さて、その結果だが、RX 6600 MECH 2Xは、RTX 3060に平均フレームレートで約11~12%もの溝を空けた。一方のMinimum(1%)では、RTX 3060とはいい勝負を演じているが、それでも2560×1440ドットでMinimum(1%)が80fps以上というのは、かなり立派な結果だ。さすがに3840×2160ドットは、RTX 3060ともども、RX 6600 MECH 2Xでは力不足な感は否めないが、2560×1440ドット以下の解像度であればかなり快適なゲームプレイを実現している。
続いて「Call of Duty: Warzone」だが、ここではオプションから描画負荷が最大となるように設定し、ゲームをプレイ。その間のフレームレートを、バイオハザード ヴィレッジと同様、CapFrameXでフレームレートを計測した。
Call of Duty: WarzoneのようなFPSタイトルは、高リフレッシュレートのディスプレーと組み合わせて、1フレームでも多く描画し、他人より有利に立ち回るというのがトレンドとなっている。それを踏まえると、RX 6600 MECH 2Xは、1920×1080ドットで常時110fpsを上回るパフォーマンスを発揮。さすがに120fpsに届いていないものの、平均フレームレートは160fps以上にも達し、コアなプレイヤーでも満足のいく結果ではないだろうか。
「DEATH STRANDING」でも、RX 6600 MECH 2Xの結果は威勢がいい。ここでは、「最高」プレイセットを適用した状態でゲームをプレイし、これまでと同じくCapFrameXでフレームレートを取得している。その結果だが、RX 6600 MECH 2Xは、Minimum(1%)が1920×1080ドットで120fpsに届く勢いを見せ、2560×1440ドットでも80fps以上の高い結果を残している。RTX 3060比で見ると、RX 6600 MECH 2Xは1920×1080ドットにおいて平均フレームレートで8%、Minimum(1%)で12%もの差をつけた点は評価できよう。
最後に「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」の結果も確認しておきたい。ここでは、「最高品質」に指定してベンチマークを実行しているが、すべての解像度において、RX 6600 MECH 2XはRTX 3060に届いていない。これは、同ベンチマークがGeForceシリーズへの最適化が進んでいるためで、RX 6600を採用するRX 6600 MECH 2Xは不利な戦いを強いられている。
ただ、スクウェア・エニックスの指標では、スコア15000以上が最高評価とされており、RX 6600 MECH 2Xは、1920×1080ドットでそれを満たすパフォーマンスを発揮している。同解像度であれば、RX 6600 MECH 2Xでも「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ」は快適にプレイできそうだ。
店頭に並んだ際の価格は6万280円!
RTX 3060と比べると高コスパのビデオカード
以上のテスト結果から明らかなとおり、RX 6600 MECH 2XはRTX 3060を上回るパフォーマンスといっていい。とくに、1920×1080ドットでは高いフレームレートを発揮し、TPSやFPSをプレイする人たちにとっても十分満足がいくポテンシャルを備えている。
RX 6600 MECH 2Xの想定価格は6万280円で、店頭に並んだ際にもその価格で販売された。現在は、半導体不足のあおりを受けて7万円程度にまで値が上がっているものの、価格が落ち着けば、かなりお買い得感が高いのは間違いない。RTX 3060搭載モデルの価格は6万5000円~8万円程度であるのと比べると、さらにRX 6600 MECH 2Xのコスパの良さが際立って見えることだろう。
これからゲームを始めようという人や、古いPCのアップグレードを考えている人にとって、このRX 6600 MECH 2Xはオススメできるカードであるといっていい。