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【AMDチップセットマザーボードレビュー第47回】

Thunderbolt 4など高速インターフェース完備で映像出力も◎!ASUS「ProART X570-CREATOR WIFI」(2/2)

文● 石川ひさよし 編集● AMD HEROES編集部

Thunderbolt 4対応&映像入力用DisplayPortも備え、
液晶ペンタブレットも接続できる

拡張スロットは3本。すべてPCI Express x16形状で、ソケット寄りの2本はPCI Express 4.0 x16/-またはx8/x8レーンで利用可能。3本目はPCI Express 4.0 x4レーン動作となる。特に映像用途ではグラフィックスカードのほかに4Kキャプチャーカードや超高速ストレージ(RAID対応のM.2 PCIe/NVMe HBAなど)といった拡張カードを利用することが想定される。

クリエイティブ用途に限れば、グラフィックスカードに関してはPCI Express 4.0 x16のフルスピードである必要性はあまりないので、レーン分割しても2スロット利用できるほうが便利ということもあるだろう。また現状、4Kキャプチャーカードは入力数が多くなければPCI Express x4接続がスタンダードなので、3番目のスロットに挿すことになるだろう。

拡張スロットとM.2スロットのレイアウト。多くはないが、帯域共有は最小限。チップセット接続側のPCI Express x16(x4)スロットもPCI Express 4.0対応だ

グラフィックスカードの使用が想定される上2つのスロットは、補強が施されている

マザーボード上のストレージは、M.2スロット×3、Serial ATA 3.0×6となる。M.2スロットはすべてPCI Express 4.0 x4に対応(組み合わせるCPUにも依存する)しており、うち2つはSerial ATA 3.0もサポートしている。

注意点があるとすれば1つ。M.2スロットの3番目はSerial ATA 5~6番ポートと帯域共有をしているため、排他利用だという。速度重視ならM.2×3、Serial ATA×4、ドライブ数重視ならM.2×2、Serial ATA×6といった組み合わせになるだろう。

M.2 SSDはツールレスで固定できる仕組みを備える

続いてバックパネルを見ていこう。ProART X570-CREATOR WIFIは、最大40Gbpsという伝送速度を実現するThunderbolt 4を、バックパネルに2ポート搭載している。Thunderbolt 4は、データの受け渡しに用いるには現状もっとも速いインターフェースで、巨大なサイズのデータを扱うことも多いクリエイターにとって重要なポイントだ。

バックパネルの端子は豊富で、映像出力&入力、Thunderbolt 4×2、USB 3.2 Gen 2×4、USB 3.2 Gen 1×4、さらに有線LANも2ポートだ

また、バックパネルにはDisplayPort入力端子も備えており、こことグラフィックスカードの映像出力を接続すれば、2つのThunderbolt 4端子からディスプレーに出力できる。DisplayPort Alt Mode対応のデスクトップPC向けディスプレーや液晶ペンタブレットなどは、こうした方法で接続可能だ。

Thunderbolt 4チップを搭載

Cypress「CYPD5225-96BZXI」は、USB Type-C用(Thunderbolt 4)のPower Deliveryコントローラ。ProART X570-CREATOR WIFIでは5V×3A(15W)までの給電に対応する

フロントUSBはUSB 3.2 Gen 2 Type-C対応

また、ネットワークでは有線LANを10GbE、2.5GbEの2系統搭載しているところが特徴だ。2.5GbEは徐々に普及し始めているほか、ビジネス用途では10GbEも一部採用が始まっている。さらに2系統あれば、仮に片方のチップに障害が発生した場合でも、もう一方のチップで対応できる。異なるメーカーのチップを組み合わせているので、ドライバに起因する障害の恐れも少ない。このほか、無線LANとしてWi-Fi 6Eにも対応している。

10GbEチップはMarvell製「AQixion AQC113CS」。PCI Express接続でマルチギガにも対応している

発熱の大きい10GbEチップには専用ヒートシンクも装着されている

2.5GbEチップはIntel I225-V

オーディオはRealtek「S1220A」をベースとしたCrystal Sound仕様だ。オーディオコンデンサはELNA製だった。

オーディオ回路では最新のALC4080ではなく実績あるS1220Aを採用

クリエイターの創造を助けるマザーボード

ProART X570-CREATOR WIFIは、クリエイティブ用途向けに必須とされる機能をしっかりと盛り込んだモデルだ。インターフェースではThunderbolt 4。ただの高速データ通信インターフェースとしてだけでなく、クリエイティブ用途で便利なDisplayPort Alt Modeにも対応している。

ネットワークも10GbEの存在が大きいだろう。インターネット用というよりはローカルネット用だ。超高速NASなどと組み合わせて作品データの保存、映像ソースの一時置き場をネットワーク上に置くといった利用法が可能になる。

電源回路は、スタンダードマザーボードと比べれば豪華な作りだが、ゲーミングハイエンドほど豪華というわけではなく、安定動作のためのマージンを確保している。クリエイティブ用途と言えばRyzen 9のようなメニーコアCPUとの組み合わせが中心になり、それもある程度長い時間、演算が続くことになるだろう。その点で、ムリなく安心感もある設計と言えるだろう。


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