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2022年5月24日よりCOMPUTEX 2022が開催される。これに合わせ23日15時AMDは基調講演を開催。会長兼CEOのリサー・スー氏等が登場し、今年登場する製品について非常に重要な発表を行なった。
発表の内容はYouTube(https://www.youtube.com/watch?v=yTAbMbirMOg)で見ることができるが、今回は筆者なりの視点でまとめてみたい。
5nmプロセス、Zen 4世代のRyzen 7000シリーズは今秋登場
今回の基調講演最大のトピックは第5世代Ryzenと言うべきZen 4ベースの「Ryzen 7000シリーズ」だ。投入されるモデル名や価格までは明らかにされなかったものの、ブーストクロックは最大5GHz以上へ、L2キャッシュの容量はコアあたり1MBへ(従来の2倍)、シングルスレッド性能は15%以上向上と、Zen 4の凄さもアピール。さらにRDNA 2世代の内蔵GPUが搭載される(全モデルに搭載されるかは不明)ようだ。
Ryzen 7000シリーズの構造は既存のRyzen 3000/4000シリーズと同様にCCD(CPU Complex Die)が2基にIOD(IO Die)が1つで構成される。CCDあたり物理コア8基が収容可能という点も同じなので、Ryzen 7000シリーズもコア数は最大で16C32Tのままになると予想されている。
ちなみに現行RyzenのIODは12nmなのに対し、Ryzen 7000シリーズのIODは6nmで製造されるのでCPU全体のプロセスルールがシュリンクしていることになる。
Ryzen 7000シリーズでは足回りも大幅に強化される。前述のIOD内蔵GPUに加え、メモリーはDDR5となり、さらに最大24レーンのPCI Express Gen5を搭載する(グラフィック+ストレージ+チップセット間バスの合計値)。
この大改変に合わせソケットもSocket AM5という新形状に変更される。AMD製CPUユーザーの通過儀礼とも言える“スッポン(CPUクーラー取り外し時にCPUも抜けてしまう現象)”が遂に消える訳だが、同時にインテル製プラットフォームと同様にソケットのピン折れでマザーが故障するリスクは発生する。
ただメモリーやPCI Express等の足回りを強化するには信号線の数をいかに増やすかにかかってくるので、LGAへの移行は当然の流れというべきだろう。
Socket AM5ではCPUのTDPを最大170Wまで想定しているとのことなので、今後登場するRyzenは相応に電力を食うモデルも登場することが予想される。さらに電力制御もより粒度が高くなり、CPU負荷により素早く連動し最適な電圧に調整するようになる、とAMDは謳っている。