AMD HEROES

twitter
facebook
line

【注目Radeonピックアップ!第53回】

6万円台と高コスパ! フルHD環境であれば最新ゲームも快適に遊べる「Radeon RX 6650 XT MECH 2X 8G OC」(1/2)

文●宮崎真一 編集●AMD HEROES編集部

AMDは2022年5月、従来のミドルレンジ向けGPU「Radeon RX 6600 XT」(以下、RX 6600 XT)の上位モデルとなる「Radeon RX 6650 XT」(以下、RX 6650 XT)を市場に投入した。このRX 6650 XTは、RX 6600 XTのスペックを踏襲し、ゲームクロックとブーストクロック、それにメモリクロックを引き上げた、いわば公式版クロックアップモデルともいうべき存在だ。

このRX 6650 XTを採用したカードが数多く発売されているが、今回はその中からMSIの「Radeon RX 6650 XT MECH 2X 8G OC」(以下、RX 6650 XT MECH 2X)を取り上げる。果たしてどのようなカードなのだろうか? また、ゲームパフォーマンスはどの程度なのか? テストを交えて詳しく見ていきたい。

TORX FAN 3.0仕様のファンが特徴的
ブーストクロックを2669MHzに引き上げたモデル

まずは、RX 6650 XT MECH 2Xの動作クロック設定から紹介していこう。RX 6650 XT MECH 2Xのゲームクロックは2447MHz、ブーストクロックは2669MHzと、リファレンスから前者は37MHz、後者は34MHz、それぞれ引き上げられたクロックアップモデルだ。なお、メモリークロックは17.5Gbpsで、こちらはリファレンスから変わりはない。

GPU-Z(Version 2.46.0)の実行結果

AMD Software Adrenalin Editionからハードウェア情報を確認したところ(上下)

さらに、おなじみのオーバークロックツール「Afterburner」(Version 4.6.4)でブーストクロックを1MHz刻みで1380~3150MHzに設定できるほか、メモリークロックを8Mbps刻みで17.5~19.2Gbpsに変更可能だ。なお、このバージョンでは、RX 6650 XT MECH 2Xのコア電圧を変更することができなかった。

付属アプリケーションのAfterburner。おなじみのオーバークロックツールだ

カード長は実測で約234mm(※突起部除く)だが、基板自体は203mmほどしかなく、GPUクーラーがカード後方に30mm強はみ出た格好だ。また、マザーボードに装着した際、ブラケットから21mmほどはみ出た、いわゆる背が高めとなっており、ケースに組み込む際はサイドパネルとの干渉に注意したい。

黒を基調にしたシンプルなデザイン。その中でも2基のファンが存在感を放っている

カード裏面には金属製のバックプレートを装着。カード後方は前面からエアーが抜ける構造を採用している

GPUクーラーは、2.4スロット占有タイプで100mm角相当のファンを2基備えている。これらのファンは、2本の線状の突起物を設けたブレードと、途中で角度が変化するブレードを交互に配置した「TORX FAN 3.0」仕様である点が大きな特徴。MSIによると、この仕様により、風圧が従来のブレードから50%増加し、同じTORX FANでも2.0から風圧が15%向上しているという。また、「Zero Frozr」と呼ばれる、GPUコアへの負荷が低い際にファンの回転を停止する機能も用意されている。

形状の異なるブレードが交互に配置された「TORX FAN 3.0」仕様を採用。これにより、ファンの風圧が上昇しているという

さらに、先ほどのAfterburnerを用いれば、ファンの回転数を1%刻みで25~100%に固定できるほか、GPUのコア温度とファンの回転数の関係を示したファンカーブから、ユーザーが任意の温度における回転数を自由に設定できる。

Afterburnerのファンカーブからファンの回転数を任意に設定することが可能

GPUクーラーには6mm径のヒートパイプが2本用いられ、GPUベースとの接触面積を増大させるため、GPUベース上だけヒートパイプが長方形に変形している点が特徴的だ。なお、メモリーチップはGPUベースに密接しているものの、電源部は別途ヒートシンクが用意され、放熱フィンなどとは接しておらず、ファンのエアフロ―により直接冷却する構造を採っている。

カードを横から見ると、2本のヒートパイプがカードの前方と後方に伸びているのが確認できる

補助電源コネクターは8ピンが1基と、これはリファレンスと同じ。なお、MSIによると推奨電源ユニットは、定格出力500W以上のものとハードルは低めだ。また、映像出力インターフェースは、DisplayPort 1.4aが3基、HDMI 2.1が1基と最近のカードではよく見かける構成だ。

補助電源コネクターは8ピンを1基のみ搭載。サイドパネルとの干渉を考慮して、1段低い位置に実装されている

映像出力はDisplayPortが3つにHDMIが1つ。最近のカードでは一般的な構成だ

この記事もおすすめ

PAGE TOP