Radeon RX 6000シリーズでは最上位となる「Radeon RX 6950 XT」(以下、RX 6950 XT)は、5120基のストリーミングプロセッサーを備え、ブーストクロックが2310MHzと、かなり高スペックを誇るGPUだ。
そのRX 6950 XTを採用したビデオカードも多くのメーカーから発売されており、今回はその中からSAPPHIREの「NITRO+ AMD RADEON RX 6950 XT PURE GAMING OC 16GB GDDR6 HDMI/TRIPLE DP」(以下、NITRO+ RX 6950 XT PURE GAMING OC)を紹介したい。
NITRO+ RX 6950 XT PURE GAMING OCは、SAPPHIREが高品質・高信頼性・長寿命を実現したとうたう「NITRO+」シリーズに属し、SAPPHIREのラインナップでは、「TOXIC」シリーズに次ぐゲーミング向けモデルとなる。
では、このNITRO+ RX 6950 XT PURE GAMING OCは、SAPPHIREはどのようなビデオカードなのだろうか。その仕様を紹介するとともに、テストによりそのポテンシャルを確かめてみたい。
PrimaryとOCの2つのVBIOSを搭載
ブーストクロックを2368MHzに引き上げたモデル
まずは、NITRO+ RX 6950 XT PURE GAMING OCは、SAPPHIREの動作クロック設定から説明していこう。NITRO+ RX 6950 XT PURE GAMING OCは、SAPPHIREのゲームクロックは2162MHz、ブーストクロックは2368MHzと、リファレンス比で前者は62MHz、後者は58MHz、それぞれ引き上げられたクロックアップモデル。なお、メモリークロックは18Gbpsで、こちらはリファレンスから変わりはない。

GPU-Z(Version 2.46.0)の実行結果
さらに、NITRO+ RX 6950 XT PURE GAMING OCは、SAPPHIREでは、「Primary Mode」と「OC BIOS Mode」の2つのVBIOSを搭載。工場出荷時設定はPrimary BIOSで、その動作クロック設定は前述のとおり。OC BIOS Modeでは、ブーストクロックが2435MHzと、Primary BIOSから67MHz引き上げられる。なお、OC BIOS Modeでも、メモリークロックは18Gbpsで変わりはない。

OC BIOS ModeでのGPU-Zの実行結果。ブーストクロックが高くなっているのが確認できる
VBIOSの変更は、カード側面のブラケット側に実装されたディップスイッチで行なう。だが、設定は前述の2つのVBIOSのほか、「Software Seitch Mode」というものが用意されており、このモードでは付属アプリケーションの「Sapphire TRIXX」(Version 8.7)からVBIOSの選択が可能。つまり、Windows上からVBIOSを変更できるため、いちいちケースを開けてカードのディップスイッチにアクセスする手間が省けるというわけだ。

カード側面に用意されたVBIOS切り替え用スイッチ。ブラケット側がSoftware Seitch Mode、中央がOC BIOS Mode、カード後方側がPrimary BIOSとなる。なお、工場出荷時設定はSoftware Seitch Modeだ

GPU-Z(Version 2.46.0)の実行結果

付属アプリケーションのSapphire TRIXX。画面右下の「VBIOS Selection」でVBIOSが変更可能。なお、切り替え時は再起動が必要となる