CPU:AMD「Ryzen 5 5600」
実売価格:2万9800円前後
PCの性能を大きく左右するパーツがCPU。基本的にはコア数やスレッド数が多いほど、動作クロックが高いほど性能が高くなる。ただし、ゲームで必要とされるのは4コア/8スレッド程度なので、ハイエンドモデルを狙う必要はない。
なお、ゲーム以外の用途……たとえば動画編集や写真の現像、CGレンダリング、プログラミング、シミュレーションや科学技術計算といった分野であれば、スレッド数は多ければ多いほど有利になる。
今回は3Dゲームがメインで、プラスしても実況配信やプレイの同時録画を行なう程度と想定し、6コア/12スレッドCPUを選んだ。
マザーボード:ASRock「B550M PG Riptide」
実売価格:1万9700円前後
マザーボードはCPUやビデオカード、メモリー、SSDなどを相互に接続するPCの基盤となるパーツ。対応するパーツはこのマザーボードによって決まるため、CPUの次に選ぶパーツとなる。
今、AMDのRyzen用マザーボードを買うのであれば、チップセットはX570、もしくはB550の二択といっていいだろう。性能・機能重視であればハイエンド向けのX570だが、コスパ重視であればB550搭載モデルを選びたい。
今回は、PCケースの選択肢が広がる小ぶりなMicroATXサイズで、ゲーミングシリーズながらもコスパに優れた「ASRock B550M PG Riptide」を選んだ。
メモリー:Crucial「CT2K8G4DFS832A」
実売価格:7000円前後
メモリーはOSやソフトの実行に使われる記憶装置。大きなデータを扱う場合にも必要とされるため、どんなに少なくとも8GB以上、できれば16GB以上は用意したい。メモリーが不足するとPCのパフォーマンス低下、動作が不安定になる、ソフトがエラーで終了するといったことが起こりやすい。
対応するメモリーの種類は、CPUやマザーボードによって変わる。今回のRyzen 5 5600とASRock B550M PG Riptideの組み合わせであれば、種類はDDR4だ。ちなみに、ノートPCなどで使われるのはSO-DIMMという小型のもの。デスクトップで使われるDIMMとはサイズが異なるため、間違いないよう注意したい。
メモリーの速度はパフォーマンスに影響するものの、その違いは極わずか。コスパ重視で選ぶならオーバークロック仕様の高速メモリーは必要ないため、今回はDDR4-3200(PC4-25600)となるCrucial「CT2K8G4DFS832A」を選んだ。
なお、予算に余裕があるなら8GB×2ではなく、16GB×2のCrucial「CT2K16G4DFRA32A」(実売価格1万5000円前後)を選ぶのもありだ。
ストレージ:WD「WD Blue SN570 NVMe」(WDS100T3B0C)
実売価格:1万2800円前後
SSDはOSやソフトのインストール先として使われる記憶装置。メモリーと違って電源を切ってもデータは消えないため、ファイルの保存先にも使われている。以前はHDDがよく使われていたが、高速性と静音性の高さから、現在はSSDが主力だ。
接続方法はSATAとPCIeの大きく2通りあるが、SATA接続では約600MB/sが上限なのに対し、PCIe接続であれば1000MB/s以上の速度が出せることもあって、PCIe接続を選ばない理由がない。
なお、PCIe接続でもPCIe3.0とPCIe4.0では速度が異なり、PCIe4.0の方が高速。ただし、体感速度でいうとほとんど変わらないため、価格が安めなPCIe3.0対応のSSDの方がコスパは高くなる。
今回は、安めながらもリード3500MB/s、ライト3000MB/sという高速性も備えた「WD Blue SN570 NVMe」の1TBモデルを選択。多くのゲームがインストールできるよう、容量は余裕をもって1TBとした。
ビデオカード:ASUS「DUAL-RX6600-8G」
実売価格:4万7800円前後
PCの画面を表示するだけでなく、3Dグラフィックの描画まで担当するのがビデオカードの役割。とくに3Dゲームでは重要となるパーツだ。1万円以下の製品もあるが、これはあくまで画面を表示するのが目的となるもので、3Dゲームには不向き。フルHDで満足いくゲーミング性能が欲しいのであれば、5万円前後のミドルクラス以上は必須だ。
Radeon RX 6600は、こういったフルHDゲーミングに最適なGPUのひとつ。多くのゲームで30fps以上のフレームレートが期待できるため、画面のカクツキを気にせず快適にプレーしたいというなら、このクラス以上を狙いたい。
今回は2.5スロットと厚みはあるものの奥行きが小さく、低負荷時はファンの回転が止まり静音性にも優れているASUS「DUAL-RX6600-8G」を選んだ。
電源ユニット:玄人志向「KRPW-BK650W/85+」
実売価格:7700円前後
電源ユニットは、PCへと電力を供給するためのパーツ。変換効率が高いものほど発熱が小さく、無駄な電力消費を省けるため、80PLUS認証のあるものを選ぶのがオススメだ。
必要な電力量は、使用するCPUやビデオカードから大まかに計算できるが、そこまで厳密に求める必要はない。ミドルクラスなら550W以上、ハイエンドクラスなら750W以上を目安に、余裕を持って選ぶといいだろう。
ケーブルは意外と重要で、組み立てやすさを重視するなら、ケーブルを着脱できるプラグイン仕様のものが便利。必要なケーブルだけとなるため、ケース内のケーブル取り回しが楽になるからだ。
今回選んだ「玄人志向 KRPW-BK650W/85+(650W)」は、ミドルクラスに十分な650Wという出力と、組み立てやすいセミプラグイン仕様が特徴。セミプラグインは、マザーボードとの接続用ケーブルは着脱式ではないが、SATAやビデオカード用のPCI Expressコネクターなどは着脱式となっているものだ。無駄なケーブルを省けるという点では、プラグイン仕様と変わらない。
PCケース:DEEPCOOL「MACUBE 110」
実売価格:4600円前後
PCケースは、マザーボードなどのPCパーツを組み込むボディーとなるパーツ。パソコンの外見となるだけに、デザインや色など、自分の好みを優先して選びたい。
注意したいのは、PCケースによって、組み込めるマザーボード、ビデオカード、CPUクーラーのサイズに制限があること。ケースの内寸をよく確認し、十分なスペースがあるか確認しておこう。また、また、MicroATX用のケースにATXサイズのマザーボードは入らないため、こちらも忘れずにチェック。
今回選んだ「DEEPCOOL MACUBE 110」は、低価格ながらガラスパネルを採用していること、ポップなパステルカラー、そして6000円前後と手ごろな価格であることが決め手。将来、ライトアップも試してみたいと考えているなら、ガラスサイドパネルを選んでおきたい。
OS:Microsoft「Windows 11 HOME」日本語パッケージ版
実売価格:1万6300円前後
無料で使える「Ubuntu」などを活用する手もあるが、ゲームの多くはWindows用。そのため、ゲーミングPCのOSとしてはWindowsを選んでおきたい。
Windows 10以前は、パーツと一緒に購入できるDSP版が大幅に安かったのだが、今は通常版との価格差は2000円ほどと大きくない。パーツと一緒に購入できるならDSP版、そうでなければ通常版を選ぶといいだろう。
各パーツの選び方で紹介したパーツを、リストにまとめておこう。購入する店舗にもよるが、合計金額は14万円台と15万円を切るため、コスパの良い液晶ディスプレーやマウス、キーボードなどを追加で購入しても、20万円を切ることも可能だろう。
パーツ名 | 製品名 | 実売価格 |
---|---|---|
CPU | AMD「Ryzen 5 5600X」(6コア/12スレッド、最大4.4GHz) | 2万9800円前後 |
マザーボード | ASRock「B550M PG Riptide」(AMD B550、MicroATX) | 1万9700円前後 |
メモリー | Crucial「CT2K8G4DFS832A」(8GB×2、DDR4-3200) | 7000円前後 |
ストレージ | WD「WD Blue SN570 NVMe」(1TB M.2 SSD、PCIe 3.0、システムドライブ) | 1万2800円前後 |
ビデオカード | ASUS「DUAL-RX6600-8G」(Radeon RX 6600) | 4万7800円前後 |
電源ユニット | 玄人志向「KRPW-BK650W/85+」(650W、80PLUS BRONZE) | 7600円前後 |
PCケース | DEEPCOOL「MACUBE 110」 | 4600円前後 |
OS | Microsoft「Windows 11 HOME」日本語パッケージ版 | 1万6300円前後 |
合計14万5600円 |
なお、CPUクーラーは付属のリテール品「AMD Wraith Stealth」を使うことを想定している。CPUの冷却にこだわりたければ、水冷や静音といったCPUクーラーを追加購入するのがオススメだ。
価格の割にお買い得な周辺機器もご紹介
初めてPCを作る購入し使う場合は、ディスプレーやマウス、キーボードといった周辺機器も必要だ。そこで、簡単にオススメな製品も紹介しておきたい。
ViewSonic「VX2705-2KP-MHD」ドスパラ限定モデル
直販価格:3万4980円
PC周辺機器によっては、一部のダイレクトショップ限定モデルが格安でお得な場合がある。たとえば、ディスプレーならドスパラ限定のViewSonic「VX2705-2KP-MHD」なら、3万円台と非常にお買い得。この価格でリフレッシュレートが144Hz、応答速度が1msと滑らかで、遅延のない表示が必要なFPSゲームなどが快適に遊べる性能を十分に備えている。
サイズも大きすぎずFPSユーザーが好む27型。解像度は、現在主流の2560×1440ドットのWQHD、パネルは広視野角のIPSで、スタッタリングやティアリングを抑えるAMD「FreeSync Premium」にも対応する。NTSCカバー率も93%あり、ちょっと写真や映像編集する際にも活躍する。HDMIは2.0なので、PS5といった次世代のコンシューマーゲーム機でも高フレームレートで遊ぶことはできないが、競技性の高いゲームはPCでと割り切って使うなら魅力的な1台だ。
ロジクール「G304」
実売価格:3700円前後
ロジクール「G304」マウスは、同社のハイエンドモデルでも採用されているLIGHTSPEED接続に対応し、無線ながら有線に勝る接続性と安定性を確保しながら、4000円を切る安さでPCゲーム入門者にオススメできる製品。
カラバリも6色と豊富。この価格帯ながら解像度は200~12000dpi、最大速度400IPSと十分な性能を持つ。ハイエンドなモデルは充電式が多いなか、単4電池2本を入れるタイプだが、バッテリーの経年劣化に悩む必要もなく、長く使える。同社のHEROセンサーの高い電力効率により、電池寿命も約250時間と長い。
ハイエンドな軽量モデルほどではないが、重量99gと割と軽く、価格とのバランスを考えると十分優秀。左右対称のデザインでボディーも小柄、手の小さい日本人向きで、女性でも楽に扱える。
SteelSeries「Apex 3 TKL」
実売価格:8800円前後
マウスを大きくスワイプする際に邪魔になりがちなテンキーレスで、ゲーミングらしい8ゾーンをカスタマイズ可能なRGBイルミネーションを備えたゲーミングキーボード。
専用マルチメディアコントロールによりボリューム調整なども簡単にでき、高耐久性低摩擦素材でデザインされた静音スイッチを採用。ゲーミングキーボードでは珍しいIP32防塵・耐水性を持ち、ペットボトルをこぼしても安心と、子供の入門機にもオススメ。
今回紹介した周辺機器をPC構成に上乗せしても、約19万3100円前後と20万円以内に収まる。本格的に競技性の高いPCゲームに取り組む足掛かりとしてオススメしたい。