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Ryzen 5 5600U搭載のASRock製ベアボーンPC「4X4 BOX-5600U」が、仕事用の1台にふさわしいワケ(1/2)

文●松野将太 編集●AMD HEROES編集部

ASRock「4X4 BOX-5600U」。実売価格は7万4000円前後

 設置スペースのコンパクトさなどの理由で、国内では人気が高い小型PC。この分野では近年ベアボーンの「DeskMini」シリーズを販売するASRockが知名度を上げているが、そんな同社が7月、新たにGPU内蔵のAMD Ryzenプロセッサー「Ryzen 5 5600U」を搭載するベアボーンPC「4X4 BOX-5600U」を販売した。CPUにノートPC向けプロセッサーを標準搭載したことで、約110(W)×117.5(D)×47.85(H)mmと極めてコンパクトな筐体を実現しているのが大きな特徴だ。

 この記事では4X4 BOX-5600Uの外観や性能面の特徴、メモリーおよびストレージを組み込んでのベンチマーク結果などを紹介しよう。

フットプリント幅110×奥行き117.5mmの“手のひらサイズ”

本体正面。DisplayPort出力に対応するUSB 3.2 Gen2 Type-Cポート×2、USB 3.2 Gen2 Type-Aポート×1のほか、ヘッドフォン/マイクジャックを配置。本体カラーは光沢のあるブラック一色だ

背面にはUSB 2.0ポート×2、HDMI 2.0a出力ポート、DisplayPort 1.2出力ポート、有線LANポート×2(うち1つは2.5ギガビット対応)を配置

 4X4 BOX-5600Uは、別売のメモリーおよびストレージを装着し、OSをインストールすることでPCとして使えるベアボーンキットだ。完成品のPCと異なり、上記パーツの組み込み・OSのインストールといった工程が発生するものの、作業自体は非常に簡単に済む。こういった組み込みが初めてのユーザーであっても、興味があるのなら気軽に挑戦して大丈夫だろう。

 本体形状は頂点部分がやや丸みを帯びたボックス型で、カラーはブラック1色。側面のメッシュパネル周辺を除き、表面にはやや光沢があるが、どこに設置しても馴染みやすい落ち着いたデザインだ。冒頭でも述べたように、本体サイズは約110(W)×117.5(D)×47.85(H)mm。メモリーやストレージを含まない本体重量は約1kgと、デスクトップPCとしては極めて小さな筐体を実現している。

 DeskMiniシリーズの筐体サイズが約155(W)x155(D)x80(H)mmだったことを思えば、ノートPC向けCPUを採用したことで、特に高さを抑えられている点がわかりやすい。自宅に据え置きのPCとしてはもちろん、可搬性の高さを活かし、デジタルサイネージなど様々な用途で活用するのもいいだろう。

内部。底面のネジを外すだけで、メモリースロットとM.2スロットにアクセスしやすい作りになっている

メモリーとストレージの装着例。メモリーはSODIMMスロットにしっかり挿し込むだけ、ストレージは1本ネジを止めるだけなので、手間はほとんどない

 本体内部には、底面にある4本のネジを緩め、フタの役割をしている底面パネルを外すことでアクセスできる。パネルを外すだけで2本のメモリースロットとM.2スロットがすぐに視認しやすく、自作慣れしていない人にとっても扱いやすいだろう。

 なお、対応メモリーはノートPC向けのDDR4 SO-DIMM×2(デュアルチャネル、動作クロックは最大3200MHzに対応)、ストレージはM.2スロットに装着できるM.2 SSD(PCIe Gen3×4、SATA 6Gb/s接続に対応)のほか、2.5インチSSD/HDDの装着が可能なのもポイント。こちらは底面パネル部分に専用のベイが用意されており、付属のコネクターで本体に接続する形を取っている。こうした小型PCで、ストレージの拡張性が高いのは嬉しい特徴と言えそうだ。

底面パネルに2.5インチベイがあるため、HDDやSSDを装着し、付属コネクターで本体に接続することでSATA SSDやHDDも運用可能。ストレージ容量を稼ぎたいユーザーにとってはありがたい点だ

 インターフェース類は、本体正面にUSB 3.2 Gen2 Type-Cポート×2(DisplayPort出力対応)、USB 3.2 Gen2 Type-Aポート×1、ヘッドフォン/マイクジャックを配置。背面にはUSB 2.0ポート×2、HDMI 2.0a出力ポート、DisplayPort 1.2出力ポート、有線LANポート×2(うち1つは2.5ギガビット対応)を配置する。小型PCながらUSBポートが合計5つ用意されているほか、USB 3.2 Gen2 Type-Cポートもあわせて最大4画面出力が可能となっているのも特徴と言えそうだ。ネットワークは有線LANポートのほか、標準でWi-Fi 6E(IEEE 802.11a/b/g/n/ac/ax)無線LAN通信およびBluetooth 5.2を利用できる。

 総じて、小型PCながらユーザーの構成次第ではある程度の拡張性を担保できることもあり、取り回しのよいマシンとして活用できそうな印象だ。

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