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【注目Radeonピックアップ!第57回】

WQHDのゲームプレイに最適!「AMD Radeon RX 6750 XT Phantom Gaming D 12GB OC」を徹底チェック(2/2)

文●宮崎真一 編集●AMD HEROES編集部

多くの場面でRTX 3070を上回る性能
2560×1440ドット以下なら快適なプレイを実現

 それではRX 6750 XT Phantom Gamingのパフォーマンスをチェックしよう。今回は比較対象に競合製品となる「GeForce RTX 3070」(以下、RTX 3070)を用意。グラフィックスドライバーには、テスト時に最新バージョンとなる「AMD Software Adrenalin Edition 22.8.2」を使用。それ以外のテスト環境は表のとおり。

テスト環境 スペック
CPU AMD「Ryzen 9 5950X」(16コア/32スレッド、最大4.9GHz)
マザーボード ASRock「X570 Taichi」(AMD X570)
メモリー DDR4-3200 8GB×2
ビデオカード ASRock「AMD Radeon RX 6750 XT Phantom Gaming D 12GB OC」(Radeon RX 6750 XT)、GeForce RTX 3070 Founders Edition
ストレージ Plextor「PX-512M9PeG」(M.2、NVMe、512GB SSD)
電源ユニット SilverStone「SST-ST1200-G Evolution」(1200W、80PLUS Gold)
OS Windows 10 Pro

 まずは、定番ベンチマークとなる「3DMark」(Version 2.22.7359)の総合スコアからだが、RX 6750 XT Phantom Gamingは「Fire Strike」でRTX 3070を6~11%上回るスコアを発揮。DirectX 12のテストとなる「Time Spy」では、RTX 3070に差を詰められ、Time Spy“無印”ではわずかだが逆転を許すものの、Time Spy Extremeでは5%ほど引き離しており、その優位性を保っている。

 では実際のゲームではどうなのか、「バイオハザード ヴィレッジ」での結果に移ろう。ここでは、グラフィックス自動設定から「限界突破」プリセットを選択。そのうえでゲームをプレイし、その間のフレームレートを「CapFrameX」(Version 1.6.8)で取得した。

 その結果だが、RX 6750 XT Phantom GamingはRTX 3070に若干だが届いていない。平均フレームレートの3840×2160ドット(4K)では9%ほどの溝があるものの、それ以外の解像度では、RX 6750 XT Phantom GamingはRTX 3070に2~3%のところまで迫っている点は立派。1パーセンタイルフレームレートを見ても、RX 6750 XT Phantom Gamingは2560×1440ドットで120fps近くと良好で、快適なゲームプレイが実現できることは間違いない。

 打って変わって、「Call of Duty: Warzone」では、RX 6750 XT Phantom GamingがRTX 3070に安定した強さを見せつけた。ここでは、オプションから描画負荷が最大となるように設定してゲームをプレイし、その間のフレームレートを先ほどのバイオハザード ヴィレッジと同様にCapFrameXで計測した。

 RX 6750 XT Phantom Gamingは、平均フレームレートでRTX 3070を15~23%上回り、1パーセンタイルフレームレートでも10~18%も高い値を叩き出している。とくに、1920×1080ドットでは、RTX 3070の1パーセンタイルフレームレートが150fps程度なのに対して、RX 6750 XT Phantom Gamingは180fpsほどと、両者の差は明らか。どちらのほうが、ゲームの快適度が高いかは言うまでもないだろう。

 さらに「Fortnite(フォートナイト)」では、両者は勝ったり負けたりのいい勝負を演じている。ここでは、「最高」プリセットを適用してゲームをプレイし、その間のフレームレートを「Fraps」(Version 3.5.99)で取得。

 その結果だが、RX 6750 XT Phantom Gamingは、平均フレームレートの1920×1080ドットで、RTX 3070に4%ほどの差を付けるものの、2560×1440ドットでは逆転を許し、3840×2160ドットでは再び肩を並べる程度にまで盛り返している。一方、最小フレームレートに着目すると、RX 6750 XT Phantom Gamingは3840×2160ドットでのみRTX 3070の後塵を拝しているが、それ以外では1~2%の差を付けている。RX 6750 XT Phantom Gamingは、1920×1080ドットで常時100fps以上の性能を発揮しており、ゲームを快適性にまったく問題はない。

 最後に「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」の結果も確認しておこう。ここでは、「最高品質」でベンチマークを実行しているが、同ベンチマークはゲーム本編も合わせて、GeForceシリーズへの最適化が進んでおり、Radeonシリーズは不利な戦いを強いられている。それは、RX 6750 XT Phantom Gamingも例外ではなく、RTX 3070に1~11%ほど差を付けられている。

 とはいえ、RX 6750 XT Phantom Gamingは、2560×1440ドット以下の解像度であれば、スクウェア・エニックスが指標で最高評価とするスコア1万5000を上回っており、ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレのプレイに懸念はまったくない。

価格は実売で7万5000円から9万5000円ほど
ほかのRX 6750 XTと比べても魅力的な1枚

 以上のテスト結果から明らかなように、RX 6750 XT Phantom Gamingにとって3840×2160ドットは荷が重過ぎるものの、2560×1440ドット以下の解像度であれば、ゲームのプレイに死角はまったくない。

 RX 6750 XT Phantom Gamingの価格は、実売で7万5000円から9万5000円ほどとショップによって開きはあるものの、RTX 3070搭載モデルが7万~9万6000円ほどであるのと比べても、コストパフォーマンスは良好だ。また、ほかのRX 6750 XT搭載カードが7~9万円で販売されているので、RX 6750 XT Phantom Gamingは若干高めだが、大型のGPUクーラーを搭載して冷却性能が高いことと、クロックアップモデルであることを考慮すれば、十分魅力的な製品であると言っていい。

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