RX 6950 XTとRX 6800 XTなら4Kでも快適
RX 6650 XTでもフルHDで満足いくプレイ可能
では、まずはタイムズ・スクエアまでの移動シーンのテスト結果から見ていこう。このシーンでは、スパイダーマンであるピーター・パーカーが、蜘蛛の糸を使って、ビル街をスイングして進んでいくこととなる。通りには多くの人や車が行きかい、ビル窓にはレイトレーシングで風景が反射する様が映し出され、さらに遠くのほうまで見通すことができるため、描画負荷がかなり大き目だ。
そのため、RX 6950 XTをもってしても、1920×1080ドットでは平均フレームレートは60fpsに届いていない。しかし、RX 6800 XTやRX 6750 XTとの差がさほどないことから、このあたりはCPU性能を上手く引き出せてなく、フレームレートの頭打ちが起きているのではないだろうか。
とはいえ、RX 6950 XTは、3840×2160ドットでもたいしてフレームレートが低下していない点は立派。RX 6800 XTもそれに順じた結果を残しており、3840×2160ドットで快適なゲームプレイを実現している。
RX 6750 XTは、3840×2160ドットではそれらよりも若干フレームレートが低下するものの、1パーセンタイルフレームレートは40fpsに迫っており、プレイアブルな結果といっていい。その一方で、RX 6650 XTは、さすがに3840×2160ドットは荷が大き過ぎるためか、フレームレートが大きく落ち込んでしまっている。RX 6650 XTに関しては、2560×1440ドットまでの解像度がプレイアブルな範囲と捉えてよいだろう。
続いてタイムズ・スクエアでの戦闘シーンだが、さきほどの移動シーンに比べて描画負荷は低め。それゆえ、全体的にフレームレートが伸びており、RX 6950 XTとRX 6800 XTは、3840×2160ドットでも平均フレームレートが60fpsを超える結果を残している。その3840×2160ドットでは、RX 6750 XTはRX 6800 XTから平均フレームレートが大きく離されているものの、1パーセンタイルフレームレートは40fps弱と、プレイをするのに問題ないレベルだ。
ただ、ここでもRX 6650 XTは3840×2160ドットは描画負荷が大き過ぎるようで、1パーセンタイルフレームレートが20fpsに届いておらず、プレイにあまり適していない。RX 6650 XTの場合は、2560×1440ドットでも1パーセンタイルフレームレートが30fpsを割っており、快適にプレイできるのは1920×1080ドットといっていい。
最後に、タイムズ・スクエアから次の現場に向けて移動するシーンのテスト結果を見てみよう。ここでは、最初の移動シーンよりは若干描画負荷が軽めのようで、RX 6950 XTであれば2560×1440ドット以下の解像度で平均フレームレートが60fpsを超えてみせた。RX 6800 XTとRX 6750 XTも、1920×1080ドットで平均フレームレートが60fpsを上回っており、快適なゲームプレイを実現。
RX 6950 XTとRX 6800 XT、それにRX 6750 XTの3GPUは、3840×2160ドットでも1パーセンタイルフレームレートが40fpsを超えており、プレイに支障はまったくなかった。RX 6650 XTは、3840×2160ドットでは1パーセンタイルフレームレートが16fps程度にまで落ち込み、2560×1440ドットでも30fpsを割ってしまっている。そのため、RX 6650 XTでプレイするのであれば、1パーセンタイルフレームレートが40fps弱まで向上している1920×1080ドットが望ましい。
レイトレーシングを有効にしても快適
どのGPUでも爽快な移動を体験できる
以上のテスト結果から明らかなように、1920×1080ドットであれば、RX 6650 XTでも快適なプレイを実現しており、RX 6950 XTやRX 6800 XTでも4Kでも十分なフレームレートを実現している。とくに注目して欲しいのは、今回のテストは描画負荷が最も高くなる「非常に高い」プリセットで、なおかつレイトレーシングを有効にしている点だ。
これだけ高い設定を適用して美麗な画像で、ゲームが快適にプレイできる点は称賛してよいだろう。スパイダーマンというと、蜘蛛の糸でビルの谷間を颯爽と移動していくのが魅力の1つだが、これらのGPUであれば、それを苦もなく快適に操作できる点は評価できる。もし、Marvel’s Spider-Man Remasteredの購入を考えているのであれば、今回のテスト結果が参考になれば幸いだ。