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まさに“持ち運べるスタジオ”!AMD Ryzen搭載のライブ配信用機器BlastreamsがWindows PCよりも配信に適している理由とは?(2/3)

ジサトラハッチ 編集●ASCII

※この記事はASCII.jpからの転載です(文中リンクはASCII.jpの記事に飛ぶことがあります)

ワンオペで使えるライブ配信機器

鈴木氏曰く、ライブ配信機器はいくつか販売されているが、ボックス型で小窓が付いているだけの製品が多く、実際に現在の配信状況などを確認するには返しのディスプレイが必要になる。

しかしながら、HDMI出力が1ポートしかない製品もあって、複数のディスプレイで出力しようとするとスプリッターを必要とする。これが問題で、配信現場の最もトラブルが起きる原因がこのスプリッターであることが多い。

たとえば、カメラの映像が来ない、といった場合カメラを調べても配信機器を調べても原因が分からず、結果スプリッターを使ったケーブルが問題だった、なんてことは良くあることだという。

従来の配信システムでは、こういったトラブルの元がいくつもあるため、1人でセッティングして配信しようとすると、音や映像の機器のほか、ケーブルの相性問題、最近では有線からネットワーク接続した映像を配信することもあるためTCP/IPまでと、幅広い知識が求められる。そのため、1人で配信できる人はかなり限られてくるとのこと。

従来のライブ配信現場の一例。オーディオ・ミキサーやビデオ・ミキサー、スイッチャー、返しのディスプレイなど、数多くの機器をPCに繋げて使う。そのため、結果作業台はケーブルだらけになり、現場でのセッティング、片付けも大変になる。そのうえ、1人で配信しようとすると各機器の使い方を把握する知識も求められる

そのため、なるべくコネクターやケーブルを最小限にした方が良いのでは?というコンセプトで作られたのが「Blastreams」という訳だ。

Blastreamsの構成は非常にシンプルで、本体とACアダプター、必要であればLANケーブル、そして小さなライブ用のカメラさえあれば十分配信が可能になっている。本機は初めて電源を入れると、まず同社の専用アプリが起動する。

そして、ネットワークに接続するとOBS Studio(以下、OBS)のダウンロードを求められ、それを選択してOBSをダウンロードしてインストールすると、その後はOBSしか起動しないPCになるという。セッティングさえ終わっていれば、ライブボタンを押しさえすれば、すぐに配信が開始する、まさにOBSに激振りしたPCとなっている。

配信設定例。最低限、上の画像にある機器を持っていけば、どこでも配信が可能になる

Blastreamsの基本操作は至ってシンプル。左の4つのボタンがシーンセレクトボタンで、中央がトランジションボタン、右側は左からファンクションボタン×2、録画開始/終了ボタン、配信開始/終了ボタンとなっている

一方で、OBS Studioを一般的なPCで使う場合は、スイッチャーが別で、キャプチャーボードのドライバーなどを自分でインストールする必要がある。

そこで、多くのユーザーは高性能なスペックのPCがあれば事足りるだろうと、ゲーミングPCを購入しているという。しかしながら、ライブ配信だけをするならゲーミングPCほどのスペックは必要ないという。

アスキー編集部の場合は、ビデオカードを搭載した自作PCで、実際に配信を行なっている。省スペースなキューブ型のPCケースを採用しているため、持ち運びはタワー型よりはラクだが、それでもそれなりに重量があり、手に持って移動しようとすると大変だ

そうとは知らずに、多くの人は高性能なタワー型のゲーミングPCを購入して、大きなタワー型のPCを現場に持っていかなくては配信できなくなっているという実例がある。タワー型のPCであれば、別途映像の確認用のディスプレイも必要になる。そういった、外部出力のディスプレイやタワー型のPCのような、大きいサイズのPCが必要なく、それを1台で賄えるのが「Blastreams」ということだ。

以前同社の発表会に伺った際にお聞きしたところ、いろいろなCPUを試したが、最も安定して動作したのがAMD製のCPUだったということで、AMD「Ryzen Embedded V1605B」が採用されているという訳だ。

余談だがRyzen CPUを採用したという経緯から、日本AMDの公式配信番組「AMD HEROES WORLD」の92回放送でも取り扱われ、ゲストで鈴木氏が出演して、本機の魅力を伝えている。

 同社は当初、物理ボタンがあって、手元のボタンで切り替えて、映像や音楽だけ出したいという時に活躍するポン出し機を作ろうとしていたという。そんななか、エンジニアと話をしているうちに、OBSを載せて専用PCとして作れば良いんじゃないか、どうせなら配信もできるようにしようという話からプロトタイプを作ったという。そして、できたプロトタイプは、解像度フルHD(1920×1080ドット)どころか4K(3840×2160ドット)まで対応していたため、それなら一層のこと最強のライブ配信機器を作ろうとしてBlastreamsが生まれたという。

鈴木氏曰く、昨年からNDIカメラが良く話題に上るようになっているという。しかし、どう使うと便利かという議論があり、同社は一例として常設のNDIカメラを使ったライブ配信を提案している。たとえば、学校などでいえば、1年1組、2組、3組にNDIカメラがあり、同ネットワーク内にあれば、LANポート経由でBlastreamsに映像を入力し、切り替えができるので配信が行なえる。

また、顔を自動でトラッキングしてくれるAIカメラも活躍するという。AIカメラがあれば、顔を認識した人物をカメラが自動で追尾してくれるので、カメラマンも必要なくなる。加えて、Blastreamsは一度OBSが動作するようセッティングすれば、現場でセッティングする人も必要なくなる。

スイッチャーに関しても、OBSのシーン転換を自動化するプラグイン「Advanced Scene Switcher」のインストールが可能で、たとえば時間になったら頭の蓋絵が始まる、その後それぞれの時間になったら本編が開始し、画面が切り替わって、と事前に設定しておけば勝手にスイッチングしてくれるため、実質ワンオペでできる。

常設のカメラがあれば、Blastreamsを使って1人で配信も可能。現場に必要なスタッフの削減にもなるとしている

NDIカメラを使った配信例。常設のNDIカメラがあれば、同ネットワーク内に接続するだけで、Blastreamsから複数のカメラを切り替えて配信ができる

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