フレームレートの差はゲームによりけり
続いて、実ゲームにおけるフレームレート測定を通じて検証してみよう。ここでの検証はすべて「FrameView」を利用し、実際に画面に表示されたフレームレートを計測している。
最初に試すのは「Overwatch 2」だ。画質”エピック”を選択しレンダースケール100%、フレームレート上限600fps、加えてFSR 1は無効に設定。マップ”Eichenwalde”におけるBotマッチを観戦中のフレームレートを計測した。
フルHDではRTX 4080に平均フレームレートで若干後れを取るものの、最低フレームレート(正確には下から1%点までのフレームレートの平均値)では本機の方が勝っている。WQHDではRX 7900 XTXを搭載した本機が優勢、だが4Kになると差がなくなる。
肝心のPrimaryとSecondaryの差については、どの解像度でもPrimaryの方が数fps高くなる程度で、決定的な違いが出るとは言えない。ただこれはゲームによりけりな部分もあるので、次のゲームで違いが出るかチェックしておきたい。
次に検証するのは「Call of Duty: Modern Warfare II」だ。画質は”極限”、アンチエイリアスは”ウルトラ品質”に設定。ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートを計測した。
元々Radeon、特にRX 7000シリーズでフレームレートが伸びやすいゲームである関係でどの解像度でも終始NITRO+ AMD Radeon RX 7900 XTX Vapor-X 24GBがRTX 4080 FEを圧倒。Primary BIOSを選択することでさらにフレームレートを上積みできる点に注目したい。
続く「Forza Horizon 5」では画質”エクストリーム”、MSAAはx2に設定。ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートを計測した。
PrimaryとSecondary BIOSの差が小さいという点ではOverwatch 2に通じるものがあるが、総合的にみるとややRTX 4080 FEより下回る。しかし、WQHDで平均144fps前後、4Kなら120fps弱出せているので、FSR 2を有効化して負荷を下げることで安定したフレームレートを目指すとよいだろう。
話題の新作「FORSPOKEN」も試してみた。画質”最高”をベースにFSR 2はオフに設定。内蔵ベンチマーク機能はあるが、シーンの繋ぎ目でフレームレートが激しく変動して平均フレームレートに強く影響するので、フィールド内の一定のコースを移動した際のフレームレートを計測した。レイトレーシング処理も普通に有効化している。
このゲームもCoD:MWIIと同様に、Primary BIOS使用時のフレームレートが大きく伸びやすい。レイトレーシング入りの設定なのでGeForce有利かと思いきや、Primary BIOSのOCパワーがあれば、ライバルを力で上回ることができる。
最後に試すのは、先日配信が始まったリメイク版の「Dead Space」だ。画質は”ウルトラ”、アンチエイリアスは”TAA”とした。レイトレーシングによるアンビエント・オクルージョンも設定可能だが、ウルトラ設定ではレイトレーシングは使われない。
検証はハンガーエリアの無重力空間を移動した際のフレームレートを計測した。
フルHDでは3者は僅差だが、解像度が上がるほどにRTX 4080 FEがじりじりと後退。解像度が上がるほどNITRO+ AMD Radeon RX 7900 XTX Vapor-X 24GBが有利になるようだ。さらにここでもSecondary BIOSよりもPrimary BIOSのパフォーマンスの伸びが印象的。4Kになってもしっかりクロック上昇分だけフレームレートが伸びている。
4Kで安定したフレームレートを出すにはFSR 2を利用する必要はあるが、名作のリメイクを最高の環境で堪能したいなら、Primary BIOSでプレイしたいところだ。