ハイパワーGPUを搭載したビデオカードに必要な要素といえば、「強力な冷却性能」がまず挙げられる。発熱量の高いGPUでは、冷却系が弱ければGPUのフルパワーが出し切れず、結果としてコストパフォーマンスも悪化するからだ。そしてその上で長期間運用しても壊れにくいという「高耐久設計」が必要になる。今回はこの要素をしっかり盛り込んだビデオカードとして、ASUS製のファクトリーOCモデル「TUF Gaming Radeon RX 7900 XTX OC Edition 24GB GDDR6」をレビューしたい。
本製品は名前から分かる通り、RDNA 3世代のフラッグシップモデルである「Radeon RX 7900 XTX」を搭載した製品となる。RX 7900 XTXのファクトリーOCモデルではお約束ともいえる、3連ファンと巨大ヒートシンクを組み合わせた“かなりゴツめ”のカードとなる。全長は実に353mm、厚みも3.63スロットと、すでに“カード”と呼べないサイズではあるが、ハイエンドGPUを余裕をもって使うにはこのぐらいの装備はあって然るべきものだ。
今回はこのTUF Gaming Radeon RX 7900 XTX OC Edition 24GB GDDR6が、どんなパフォーマンスを見せてくれるのかを検証する。
まさに“タフ”な大型ビデオカード
ビデオカードといえばPCB(プリント基板)の上にGPUクーラー載っているのが基本構造だが、このTUF Gaming Radeon RX 7900 XTX OC Edition 24GB GDDR6の場合は、GPUクーラーのブロックの中にPCBが納まっている印象。全長の長いカードの場合、重力による基板の歪みが問題になる(ゆえにステーが必須)が、「GPUクーラー自体をタフな構造すれば良い!」という設計者の声が聞こえてくる。
ボックス構造なのでカードが歪むリスクは少ないものの、カード自体の重量が2.14kg(実測値)と重いので、重さを分散するためのステーは積極的に使いたい。ちなみに本製品には+ドライバーとしても使えるカードステーが同梱されている。