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突然やってきたセカンドPCにピッタリのグラフィックス内蔵エントリーAPU(1/4)

文●ふっけん 編集● AMD HEROES編集部

タイトルの通り、このRyzen 3 4300Gは突然国内で販売することが発表されたCPUだ。このモデル自体は特に新しい製品と言うわけではなく、従来はOEM向けに供給されていたものだ。これがリテール品として店頭で販売されるようになったのである。

筆者もこのCPUが単品販売されることは全く知らず、AMD HEROES WORLDの配信で初めて知った為、突然現れたCPUといった印象である。執筆時点で店頭販売価格は15800円となっており現行品のAPU(AMDのグラフィックス内蔵のCPU)としては最も安く、安価なPCを組みたい人には要注目の製品である。

実際、AMD HEROES WORLDの配信のコメントでもかなり好意的な意見が多かったのでセカンドPCやビジネスPCなどの用途でこのクラスのAPUを待っていた人が多いのだなと感じている。

 

CPUはZen 2世代。実質アンロック版Ryzen 3 Pro 4350Gだ。

この突然登場したRyzen 3 4300Gの正体だが、最新のRyzen 7000シリーズの2世代前の「Zen 2」アーキテクチャを採用した「Renoir」である。内蔵グラフィックスも同じ「Vega」世代のものだ。

元々、Ryzen 4000シリーズ自体OEM向けであり単品販売はされていないのだが、日本市場のみ例外でRyzen PROシリーズの4350G/4650G/4750Gがバルク品(簡易パッケージ)として投入されていた。(私も以下の写真のように複数購入し、海外のニキから日本が羨ましいという旨のメッセージを受け取ったこともある。)

Ryzen 3 4300Gと近いスペックのCPUを比較してみよう。

 

見てすぐに気づくのは、Ryzen 3 4300GとRyzen 3 PRO 4350Gのスペックがほぼ同じということ。オーバークロック向けのアンロックに対応有無の違い程度である。Ryzen Proを冠するモデルにはAMD PRO セキュリティーという企業向けのデータ保護機能などが搭載されているのだが、一般ユーザーは気にする必要はないだろう。

また、現在店頭で販売されているAPUで、Ryzen 3 4300Gの次に安価なモデルはRyzen 5 5600Gとなる。「Ryzen 5」が示す通り上位グレードのAPUでありコア/スレッド数、クロック、GPUとも後者が優れる形となる。実売価格で4000~5000円の差である為、どちらを選択するか非常に悩ましいところではある。

 

早速、パッケージを開けてみよう。

・CPU本体
・CPUクーラー(Wraith Stealth)
・マニュアル類
・エンブレムシール(RyzenとRADEONの2枚)

付属のCPUクーラーはお馴染みのWraith Stealthだ。小型のわりにファンの口径が大きめでCPU付属のクーラーの中では静かなのが特徴だ。高さが低いのでスリムケースにも組み込み易いだろう。予めサーマルペーストも塗られているのではじめて組むときは別途グリスを用意しなくて良いのは嬉しい。

 

マザーボードはA520/B550チップセット搭載モデルがお勧め。ディスプレイ出力を吟味しよう。

Ryzen 3 4300GはAM4プラットフォームであり、多くの対応マザーボードが流通している。お勧めなのはコストパフォーマンスかつ、BIOS対応に不安少ないA520とB550チップセット搭載モデルである。これらの製品は基本的に初期BIOSからRyzen 3 4300Gに対応している為、BIOSが対応していなくて起動しないという問題は発生しないので安心だ。(念のため、購入時にCPUのサポートリストを確認しておこう)

次にチェックしたいポイントはディスプレイ出力である。自分の使用するディスプレイ出力があればOKなのだが、せっかくなのでマルチディスプレイを推しておきたい。

多くの方はHDMIとDPでディスプレイに接続するだろう。ただし、エントリー向けのマザーボードではDPを搭載している製品はあまり多くないので注意したい。

代わりによく見かけるのは昔ながらのアナログD-SUBとデジタルDVI-D出力である。D-SUB出力は職場や自宅で17インチ程度のスクエア液晶を余らせている方も多いと思う。セカンドディスプレイとしてTwitterやバックグラウンドで動画配信を「ながら見」するときに便利だ。もちろん、業務で使う場合も広い作業領域があればOfficeソフトの文書作成も非常に快適になる。

また、DVI-Dは数百円程度で売られている変換アダプタでHDMIに変換することができる。(解像度はFull-HDまで) 普段の作業はPCディスプレイで、ゲームや動画鑑賞は大画面のテレビに同時に接続といった用途に応じたマルチディスプレイ構成も楽しめるのだ。

今回、使用したマザーボードはGIGABYTE製「A520M DS3H」である。実売価格11000円と安価ながらHDMI、DP、DVI-Dの3出力を搭載している。DVI-Dに加え、DPも1000円程度の変換アダプタでHDMIに変換できるため、オンボードでHDMIを3系統出力できるのだ。自宅にテレビだらけの筆者には嬉しい仕様である。(但し、変換アダプタを経由した場合、音声が転送できない場合もあるので気を付けよう。)

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