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AMDはWQHD向けGPU「Radeon RX 7700 XT/ RX 7800 XT」で優勢を取れるか?【前編】(5/5)

※この記事はASCII.jpからの転載です(文中リンクはASCII.jpの記事に飛ぶことがあります)

激重レイトレーシング処理の「Cyberpunk 2077」はFSR 3対応が待ち遠しい

「Cyberpunk 2077」では画質“レイトレーシング:ウルトラ”をベースに、FSR 2/ DLSSはオフにした設定と、FSR 2/ DLSS“バランス”+DLSS FGを追加した設定を準備。ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートを計測した。

Cyberpunk 2077:1920×1080ドット時のフレームレート

Cyberpunk 2077:2560×1440ドット時のフレームレート

Cyberpunk 2077:3840×2160ドット時のフレームレート

レイトレーシングのパフォーマンス強化がRDNA 3の売りの一つであるが、Cyberpunk 2077ではGeForce勢に比べるとだいぶ見劣りのする結果に終わっている。RX 7800 XTでもAmpere世代のRTX 3070 Tiに一歩届いていない。ただRX 6800やRX 6800 XTと比較すると、確かに旧世代よりも平均・最低フレームレートの両方で伸びている。レイトレーシングのパフォーマンス強化は確かに存在するのだ。

ちなみに、RX 5700 XTはゲームは起動するものの、レイトレーシング設定が有効化できないため値なしとなっている。3DMarkでSpeed Wayが動かないのと同じ理由だろう。

Cyberpunk 2077:FSR 2/ DLSS“バランス”&DLSS FG、2560×1440ドット時のフレームレート

Cyberpunk 2077:FSR 2/ DLSS“バランス”&DLSS FG、3840×2160ドット時のフレームレート

FSR 2を併用してもRX 7700 XTおよびRX 7800 XTはWQHDで平均60fpsの壁を乗り越えることはできなかった。ただCyberpunk 2077はFSR 3の対応予定リストに入っているため、将来的にはフレームレートがもっと伸びる可能性もある。最大3倍程度というAMDの言い分をそのまま適用すれば、RTX 4070 Tiに迫ることもできるかもしれない。1日も早い対応が望まれる。

Cyberpunk 2077:ベンチマーク中におけるTBPの平均値(単位W)、および10Wあたりのワットパフォーマンス(単位fps)

Cyberpunk 2077:FSR 2/ DLSS&DLSS FGを利用したベンチマーク中におけるTBPの平均値(単位W)、および10Wあたりのワットパフォーマンス(単位fps)

TBPの傾向はOverwatch 2の傾向に近いが、メモリーバス幅192bitのGPU(RX 7700 XT/ RX 6700 XT/ RTX 4070 Ti/ RTX 4070)に注目すると、フルHDよりWQHDの方がTBPが大きいが、4Kになると逆に大きく減る。

これはアップスケーラーを使わずに高負荷でレンダリングする際、GPU負荷が高すぎてGPUの処理が全く間に合わなくなった時のパターンである。逆にメモリーバス幅の太いRX 7900 XTやRX 6800 XT/ RX 6800に関してはフレームレートが出ないながらも4Kで消費電力がほとんど落ちていない(RTX 3070 Tiは例外)。より高負荷で粘ろうとするのがRX 7800 XT、WQHDまでにとどめておきたいのがRX 7700 XTといった感じか。

どの解像度で息切れするかに注目の「The Last of Us Part I」

前編最後は「The Last of Us Part I」だ。画質は“最高”に設定。FSR 2/DLSSは“バランス”に設定。新規ゲーム開始序盤、街を逃げ回るシーンにおけるフレームレートを計測した。

The Last of Us Part I:1920×1080ドット時のフレームレート

The Last of Us Part I:2560×1440ドット時のフレームレート

The Last of Us Part I:3840×2160ドット時のフレームレート

このゲームを最高設定で遊ぶ場合、VRAM 8GBではフルHDでも不足気味になる、というのはRX 7600のレビューでも紹介したが、RX 7700 XTやRX 7800 XTではVRAMが増えているぶん息切れしにくい。RX 7600ではWQHDにすると激しくコマ落ちするが、RX 7700 XTでは60fpsをわずかに割り込むこともあるものの、全体としては平均70fpsを達成し、RX 6800と並んだ。

ただ同じメモリーバス幅192bitのRX 6700 XTはWQHDでも平均50fpsを割り込んでいるため、VRAM搭載量やメモリーバス幅だけの問題ではなく、RDNA 3アーキテクチャーの優位性もフレームレート向上に貢献しているといえる。さすがに4KともなるとRX 7700 XTも息切れするが、WQHDゲーミング向けのGPUという事を考えると問題はない。

VRAM搭載量の多いRX 7800 XTは4Kでも激しいコマ落ちはないが、フレームレートは4Kゲーミング向けのGPUと位置付けられるRX 7900 XTに大きく劣る。RX 6800 XTにはどの解像度においても勝っているので新世代GPUとしての勝ち点は積み上がったが、RX 6800 XTの焼き直し感は否定することができないのが残念だ。

The Last of Us Part I:FSR 2/ DLSS“バランス”、2560×1440ドット時のフレームレート

The Last of Us Part I:FSR 2/ DLSS“バランス”、3840×2160ドット時のフレームレート

アップスケーラーを使用するとWQHDではRTX 4070 TiやRTX 4070のフレームレートの方が高くなるが、4Kでは息切れ気味となり、RX 7900 XTが首位に立つ点が面白い。RX 7800 XTであれば、FSR 2を併用することによりRTX 4070を上回るフレームレートで60fpsプレイが可能になるが、RX 7700 XTでは難しい。メモリーバス幅の差に起因するのか、CU数やVRAM搭載量の影響かまでは読み取れないものの、RX 7800 XTは条件次第で4Kも狙えるGPUであると言えるだろう。

The Last of Us Part I:ベンチマーク中におけるTBPの平均値(単位W)、および10Wあたりのワットパフォーマンス(単位fps)

The Last of Us Part I:FSR 2/ DLSS&DLSS FGを利用したベンチマーク中におけるTBPの平均値(単位W)、および10Wあたりのワットパフォーマンス(単位fps)

TBPの傾向はどの解像度でも平均して高いOverwatch 2よりも、解像度に連動するForza Horizon 5に近い結果が得られた。RX 6700 XTやRX 6800よりもRX 7700 XTやRX 7800 XTの方がより低いTBPで高いフレームレートを出せているが、ワットパフォーマンスで見ると大差ない。

後編に続く

以上で前編は終了となる。後編はさらに5本のゲームを利用してフレームレート検証を中心にお届けする予定だ。

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