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「Radeon Anti-Lag」を使えば“見て反応”がより楽になる?
PCゲーム、特に反射神経の速さが求められる“eスポーツ性”の高めなタイトルで勝ち上がるには、様々な努力の積み重ねが必要となる。ゲームの知識やプレイヤースキルといった(人間側の)ソフト面は当然として、ハード面でも積み重ねが必要になる。反応を良くするためにPCスペックに余裕をもたせ、マウスやキーボード、液晶ディスプレーを高性能なものに変えるなど、様々なアプローチが存在する。
AMDがRadeon RX 5700シリーズと同時に発表したRadeon Anti-Lagもそのひとつと言えるだろう。PCゲームのグラフィック描画処理において必ず発生するタイムラグを少しでも減らし、ディスプレー表示とゲーマーの入力操作のタイミングを近づけるための機能だ。
今回はこのAnti-Lagがいったいいかなる機能か、そして実際のゲームにおいていかほどの効果を発揮するのかを検証してみたい。Anti-Lagがeスポーツシーンにおいて有効な選択であれば、Radeonを組み込む理由がまたひとつ生まれたことになる。
Anti-LagはDirectX 9/11ゲームのみで発動する
まずはAnti-Lagを使うための前提条件を確認してみよう。AMDの公式情報によると、以下の条件を満たしている必要がある。
GPU:GCNベースのRadeon以降(HD 7700シリーズ以降)
OS:Windows 7または10
API:DirectX11&DirectX9(RX 5700シリーズのみ)
ドライバー:Radeon Software 19.7.1以降
これを見て分かるとおり、ここ数年のRadeon系であれば、Anti-Lagは利用することができる。Radeonはビデオカードでも良いし、現行AthlonのようにAPUとして実装されているものでも良い。そして公式情報にはあえて明言されていないが、CPUはRyzenでなくとも良い。インテルのCoreプロセッサーでも動作する、という点にも注目しておこう。
だが一番重要なのはゲームが利用するAPIの方である。Anti-Lagは基本的にDirectX 11のゲームでのみ利用できるが、(現時点では)最新のRX 5700シリーズに限り、DirectX9のゲームでもAnti-Lag対応となる。
だがここでひとつの疑問が出てくる。最新ゲームはDirectX 12やVulkanのように、より低レイテンシーなAPIを使うものが増えている。DirectX 11と12が選択できるゲームでもDirectX 12の方がパフォーマンスが出る場合も多い(マルチGPUだとDirectX 11の方が有利になることもあるが、その話は脇へ置いておく)。つまり今後より使われるだろうDirectX 12に非対応な時点で、Anti-Lagは有用といえないのではないか? と考える人もいるだろう。
だがeスポーツシーンの中心にいるゲームでは、DirectX 11ベースのゲームが大多数を占めている。完全にDirectX 11が時代遅れとなるまでは、Anti-Lagは有用なソリューションといえるだろう。