禁断の7nm CF-XならTITAN RTXをも倒せる?
だいたいRadeon VIIのシングルGPU性能は把握できた。RTX 2080に若干及ばない所はあるようだが、今後ドライバーの熟成で改善する可能性は十分ある(AMDちょっとスロースターター気味なところを改善して頂きたいところだが、贅沢は言うまい)。
ではこのRadeon VIIを2枚揃えCrossFireX運用したらどうなるか? 今回テスト用カードが紆余曲折の末、幸運にも2枚手元にそろったタイミングがあったため実際に試してみた。
Radeon VIIでもCrossFireX構築の手順は同じだ。カードを所定のスロットに装着し、Radeon設定上で有効化するだけ。ライバルRTX 2080や2080Tiは別途“NVLinkブリッジ”が必要だが、Radeon VIIはPCI-Eを利用するのでブリッジは不要。このあたりのエコシステムの優位性は頼もしいところだ。
ただ結論から言うと、今回のベータ版ドライバーではCrossFireX動作は芳しい状態ではなかった。ゲームはシングル相当の性能、あるいはフリーズになるので安定運用できる状況ではなかった。時間も限られていたので3DMarkのスコアーと消費電力をサッと計測して終わりにした。
今回の検証環境では、Fire StrikeおよびUltraといったDirectX11ベースのテストではCrossFireXの効果が全く見られなかったが、Time SpyおよびExtrtemeではスコアーの伸びを確認できた。筆者手持ちのビデオカードの中で最速の「TITAN RTX」と対決させてみたが、CrossFireXで動けばTITAN RTXを上回ることが可能なようだ。
ただ消費電力は650W近くまで達するため、ワットパフォーマンスは芳しくない。流通事情が改善されドライバーの整備が進んだ段階でCrossFireX化を考えても遅くないのではなかろうか。