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世界初7nm GPU「Radeon VII」で、AMDは再びGPU性能競争の最前線に立てるか?(13/14)

最大の難敵は熱とファンノイズ

シングルGPU性能ではRTX 2080に近く、1世代前のVegaと比較してワットパフォーマンスが大幅に改善したRadeon VIIだが、リファレンスデザインの時点でトリプルファン付きの大型クーラーを搭載している点だ。

そこでRadeon VIIリファレンスカードの冷却性能やファンノイズも検証してみることにしよう。エアコンの設定を24℃にした室内において、アイドル状態から「Shadow of the Tomb Raider」をプレイ状態で30分程度放置し、その際のGPUのジャンクション温度とファン回転数を「HWiNFO」で追跡した。

また、カードの上辺から30cmの位置にSmartSensor製「AR814」のマイクを置き、ゲーム起動前のアイドル時とゲーム起動から30分経過後の高負荷時におけるファンノイズを計測した。部屋の暗騒音は約34.3dBAとなる。CPU冷却に簡易水冷クーラー「X72」を使っている関係上ファンとポンプの動作ノイズも混じってしまうが、どちらも静音重視モードで動作させている。ファンノイズのみVega 64も比較用に加えている。

ファンノイズの比較

GPU温度の推移

ファン回転数の推移

ゲームを始めた直後から温度は急上昇。最終的にはジャンクション温度107~108℃で安定する。普通のビデオカードではなかなかお目にかかれない凄い数値だが、前述の通りRadeon VIIではジャンクション温度をモニターし、ギリギリまでクロックを引き上げることで性能を稼いでいるため、これは正しい挙動である。むしろこの温度レベルで壊れない方が驚きだ。

ただ使っている側としては少し不安になる数値なので、一日もはやく強力なクーラーを装備したリファレンスデザイン以外のRadeon VIIの登場が待たれるところだ。

GPUが熱を持つのだからファンの騒音もかなり耳につく。今回の検証ではゲーム開始と同時にファンの回転数も急上昇。今回はケースの側板は開放状態でテストしたが、閉めていても十分聞こえてくるノイズレベルだ。

だがゲームをはじめて1分半ほどで2300rpm程度まで一気に上り、そこから2分半ほど経過するとファン回転数が徐々に落ちて行く挙動にはやや疑問が残る。

回転数が落ちたあたりからジャンクション温度の上昇率が上がり、最終的に107~108℃のラインに侵入を許してしまう。なぜ回転数を下げてしまうのか理解に苦しむ。UEFIで起動しない点も含め、まだファン制御関連も未完成な部分が残っているのではなかろうかと推測する。

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