CPUやビデオカード、メモリーといったPCパーツは、性能と価格でどれを買うか決めるものだが、パーツ選びのポイントはそれだけではない。各パーツの組み合わせによる、見た目も重要だ。そこで、今回は光るパーツに注目した。
パーツを光らせたところで性能が上がらないため完全に趣味の世界となるのだが、これが意外と面白い。パーツの選択からレイアウト、ケーブルの取り回し、色の選択、見せ方など工夫するところが多く、あーでもない、こーでもないと、気づくと数時間ほどいじっていることなんてことまである。
自作PC好きな人たちは、こういった工夫や試行錯誤が好きな人が多いだけに、一度試してみたら見事にハマってしまった……という人も少なくないだろう。
その証拠に、LEDを搭載したPCパーツはその数を増やし、今では自作PCの1ジャンルといえるくらいにまで成長している。
AMDのCPU Ryzenシリーズでは、「Wraith MAX」「Wraith Prism」と、LED内蔵版の「Wraith Spire」と純正の光るCPUクーラーが用意されていて、簡単なライトアップは行なえる。
しかし、今回はそうしたワンポイントではなく、Ryzen 7を使って一歩踏み込んだライトアップPCの一例を組み立ててみた。
ライトアップPCを作るなら
完成形を見据えたパーツ選びが重要
単純にPCを光らせればいい、というだけならLEDを搭載したパーツを組み込めばいいだけだが、はっきり言ってそれでは意味がない。光らせるのが目的ではなく、光らせてより内部を美しく魅せる、というのが目的だからだ。
また、トコトンこだわるなら蛍光のクーラント液を使った本格水冷というのが理想だが、さすがにそこまで追求するのは難易度が高く、おいそれと手を出せるものではない。今回は、なるべく手軽で誰もが実現できるものを目指してみよう。
そんなわけで、ざっくりと3つほどコンセプトを決めてみた。
まずひとつ目は、前述の通り「なるべく手軽にできる」というもの。早い話がパーツ自作に近いカスタマイズはせずに、既成のLED搭載パーツを組み合わせて使うということだ。
さらに手を加えればより凝ったライトアップPCが作れるのも事実だが、難易度を上げるのはひとまず組み上げた後からでも遅くはない。最初から難易度を上げて挫折するより、まずは手軽に組み上げ、気になる部分を後から改造するほうが作りやすい。
ふたつ目は、「ケース内をまんべんなく光らせたい」というもの。これはライトアップPCを作るときによくあることで、背面近くばかりがテカテカして、それ以外の下側や前面は全く光らないという失敗をしないために考えたものだ。
光る部分にムラがあるとカッコ悪く見えてしまいがちなので、ケース内全体にライトアップ用パーツが散らばるよう考えたパーツ選びを心がけることにした。
最後は、なるべく無駄なパーツを減らし「実用性を重視する」というもの。ライトアップPCというとLED搭載のファンを多用しがちだが、装飾用のファンは使わないことにした。通気に関係ないLED搭載ファンを使うとキレイなのは確かだが、数が多くなるとうるさく感じやすいだけに、過度なライトアップを避けるという意味もある。