内蔵GPUの有無ではゲームも差がない
メモリ構成による差は顕著
最後に定番ゲームベンチマークソフトと、3DMarkにて計測し、描画性能の比較を行なった。
CPU関係のベンチマークではスレッド数の違い以外はほぼ横並びの結果だったが、こちらでは構成による違いがハッキリと現れた。グラフィックス関係のベンチマーク同士ではほぼ同じ結果が出ているのも特徴だ。
最初に目につくところはやはりビデオカードのRadeon RX550を使用した構成が、当然他を圧倒していることだろう。DDR4-2400のデュアルチャネル構成でもRadeon RX550にはまだまだ届かない。
ここでも内蔵グラフィックスの有効・無効時の差は見られない。むしろ、内蔵グラフィックスのシングルチャネルとデュアルチャネルの差が非常に大きく、実に2.6倍にも達している。APUのゲームにおけるメモリの重要性がわかる結果となった。また、内蔵グラフィックス同士ではやはり上位モデルであるRyzen 5 2400Gの方が優勢となっている。
描画性能不足を感じたら
ビデオカードを増設しよう
結論からいうとRyzen APUの場合、内蔵グラフィックスを有効・無効によるCPUやメモリの性能差はほとんどないと言って良いだろう。つまり、Ryzen APUでCPUやメモリ性能を落とさない為にビデオカードを増設する必要はないと言える。逆に言えば、ビデオカードを増設するときは純粋にゲームなどGPUのパフォーマンスが必要なときで良いだろう。
理由まではわからないが、恐らくCPUとGPUの融合により、内蔵グラフィックスを無効化しても何かしらメモリ帯域を確保されており、一定の帯域が予約(確保)されている可能性がある。この為に、UEFI上で内蔵グラフィックスを無効にしても実質メモリ周りが切り離されていないのかもしれない。
マイニングブームが落ち着いており、Radeon RXシリーズが安価に買えるようになってきたというのもゲーマーからすると朗報だ。
今回はメインメモリのシングルチャネルとデュアルチャネルの性能比較も入れてみた。キャッシュに収まるようなCPUのベンチではほとんど差が出ないが、グラフィックスやゲーム関係だとタイトルによってはダブルスコア以上の差をつけている。
上位のRyzen 5 2400Gをシングルチャネルで動作させると、デュアルチャネルで動作させた下位のRyzen 3 2200Gに全く歯が立たない。例え1枚入りの大容量メモリが安くても必ず2枚単位で使用して欲しい。また、マザーボードのメモリソケットの挿す箇所でデュアルチャネル動作にならない場合があるのでマニュアルで必ず確認しよう。