ATIを買収してグラフィック分野に進出
少し時計の針を戻す。1987年はAMDとIntelの訴訟が始まった大きな節目の年ではあるが、同時にATI TechnologiesがEGA互換のEGA Wonder、それとVGA互換のATi VIP(VGA Improved Performance)をリリースした年である。
画像の出典は、AMD
翌年にはSVGAに対応したVGA Wonderを出荷。その2年後の1990年には、まずIBM 8514/A互換となるMach 8(8bitカラー)、1992年には32bitカラーと2Dアクセラレーターを搭載したMach32、1994年には内部64bit化を果たし、VLBusやPCIにも対応したMach 64がリリースされる。
このMach64の後期型に3Dアクセラレーター機能を追加したのがMach 64GT/3D Rage、この性能を改善したのが1996年の3D Rage IIであり、1998年には内部128bit化を果たしたRage 128がリリースされる。
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このRage 128を256bit化するとともに、ハードウェアT&L(Transform&Lighting)を組み合わせたものがR100ことRadeon 256となる。
この後毎年のように性能を拡張しながらRadeon 8500(R200:2001年)、Radeon 9700(R300:2002年)、Radeon 9800(R350:2003年)と来たものの、続くR400/R500というコアは開発がキャンセルされてしまった。
その代わりにR420コアを搭載したRadeon X800と、これのマイナーパフォーマンスアップ版のR480コアを搭載したRadeon X850が2004年に登場。この時期にはAGPからPCI Expressへの転換も行なわれたため、製品ロードマップはかなり入り乱れることになった。
2005年にはR520コアを搭載したRadeon X1800が投入され、翌2006年にはR520のパイプライン強化版であるR580がRadeon X1900/X1950として投入された。
この頃は、ATIとNVIDIAが完全に互角で、グラフィック分野の2強になっており、その他のメーカー(S3、Matrox、Trident、etc…)を振り落としていた時期である。これにある程度成功した2007年、ATIはAMDに買収されることになる。