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設定はWattman上で完結する
“Radeonの低電圧運用”とは、読んで字の如くRadeonのコア電圧を定格より下げて動作させることだ。定格よりも低い電圧で動かすことで消費電力の低下が期待できるが、同時にパフォーマンスも若干落ちてしまう。消費電力低下とパフォーマンス低下を天秤にかけ、バランスのよい所を探る。
低電圧運用はオーバークロックと同様に、ある一定ラインを超えると動作が不安定になる。よって低電圧運用もオーバークロックと同じくユーザーの自己責任の下で行なう行為であり、無保証のチューニングであることを心に留め置いていただきたい。
Radeonの低電圧チューニングをするにあたって必要なのはRadeon設定内にある「Wattman」だけだ。「Afterburner」などの外部ツールでも同様の設定はできるが、今回はWattmanでのやり方を解説する。今回はグローバル設定を変更して全ゲームで統一的に同じ設定を使用する例を紹介しているが、ゲームごとにWattmanの設定を変更してもよい。GPUの使われ方により電圧の下限値も異なることが十分に考えられるため、ギリギリを攻めたければゲームごとに設定を詰めるとよいだろう。
Wattman設定に出てくるV-Fカーブは、あるクロック(X軸)におけるGPUのコア電圧(Y軸)の関係をプロットしたものだ。V-Fカーブ上には3つの点(ハンドル)があるが、この右端のハンドルを真下に動かせば(理屈上)クロックはそのままに低電圧運用になる。
ただし、クロックを下げずに電圧を下げるだけだと限界がすぐに訪れる。そのため右端のハンドルは微妙に左側(クロック下げ)に移動させつつ、下側(電圧下げ)にもっていくのが低電圧運用の基本となる。まずは真下に動かし、ゲームなどで不具合(表示が変になる、あるいはゲームが落ちるなど)が出たら左に寄せてみる……といったサイクルで適切な値を探ってみるのがイイだろう。
今回筆者が利用したRX 5700 XTのリファレンスカードでは、右端のハンドルは「2054MHz、1193mV」設定がデフォルトになっていた(OCモデルではもっと高くなる可能性がある)。RX 5700 XTのブーストクロック(ピーククロック)は1905MHzなので、かなり高いクロックをターゲットに電圧が設定されている印象がある。どの程度下がるかはGPUの個体差で変わるが、まずは右端のハンドルを下げて運用してみよう。
クロックを下げる場合の目安だが、実際にゲームやベンチマークを動かし、GPUのクロックがどの程度で推移しているのかをWattmanの監視機能を使ってチェックするのがよい。例えば1875MHz前後で推移しているなら、クロックの上限を1900MHzまで抑えても良さそうだ。ただしその設定で実際どこまでクロックが下がるかは動かしてみて確認するしかない。