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最強CPUはどれだ!「第3世代Threadripper」vs「第3世代Ryzen」vs「Cascade Lake-X」の性能をガチ比較 (7/7)

文●加藤勝明(KTU) 編集●ジサトラ ハッチ/ASCII

シャープネス処理でフルロードになるRAW現像

 重めのテストが終わったところで、少し目先を変えて「Lightroom Classic」を使ったRAW現像処理を試してみよう。DNG形式のRAW画像(24メガピクセル)を100枚準備し、レンズ補正や色調補正などを適用。その上で100枚全てを最高画質のJPEG形式に書き出す時間を計測する。書き出し時にシャープネス処理(スクリーン用、適用量は“標準”)を付与している。

「Lightroom Classic」での処理風景。シャープネス処理はマルチスレッド処理になっているため、このように全コアを気持ちよく使ってくれる「ことも」ある
「Lightroom Classic」におけるRAW→JPEG書き出し時間

 Threadripper 2990WXの結果が悪目立ちしすぎて他のCPUの差が見えにくくなっているが、、このテストで最速をマークしたのはThreadripper 3960X。DaVinci Resolve Studioなどでも示された通り、コアの負荷が大きく変動する局面がある場合は、熱量的に余裕のある3960Xの方が高クロック動作となり、結果として3970Xを上回ることもある、ということだ(もっとも、Lightroomは計測ごとに誤差が出やすいアプリであるため、3回計測した後中央値を採用している)。

DAW分野ではコア数とメモリの太さが重要

 最後にDAWアプリでのパフォーマンスを「Reaper」で見てみよう。このテストは4トラックで構成された短い音楽の上に、ひたすらダミーのサイン波のトラックを重ねる。このサイン波のトラックには「FabFilter」の「Pro-MB(コンプレッサー)」「Pro-Q 3(イコライザー)」「Pro-R(リバーブ)」、の3フィルターを3つずつ、合計9個重ねてある。

 再生させるとメインの音楽だけが聞こえるようにしているが、サイン波のトラックの処理にはCPUが使われる。そのため、どこかでCPUの限界が来るとメインの音楽にノイズが混ざるようになる。このノイズが混ざる直前のトラック数が多いか少ないかを調べるテストだ。テストのコンセプトは「(Dawbench)」をベースにしているがフィルターの構成を見直している。

「Reaper」によるテスト風景。FabFilterのフィルター9枚を重ねたトラックを再生に支障が出るまで追加していく
「Reaper」による同時再生トラック数の比較。この値は重ねたサイン波のトラック数のみで、実際Reaper上にあるトラック数はこの数値に6を足したものとなる

 コア数が多く処理効率も高い第3世代Threadripperが圧倒的に多くのトラックを動じ再生できることが示されたが、Ryzen 9 3950Xがクロックで勝負できずにコア数なりの結果を出している点に注目したい。

 もちろん結果は使用するフィルターの種類や数により変わってくるし、最近のDAWはフィルター処理をDSPに任せたりするのでこれが必ず実際の制作現場で通用するとは断言できないが、第3世代ThreadripperはDAWにも有効なCPUであることが示された。

Ryzen 9 3950Xも強いが、第3世代Threadripperはクリエイティブ系アプリでも安定して強い

 さまざまなクリエイティブ系アプリにおけるCPU頂上決戦を重ねて分かったのは、今のクリエイティブ系アプリではまだメニーコアCPUを使い切れない局面がある、ということだ。特にGPUを使う場合は第3世代ThreadripperのようなメニーコアCPUよりも、もっとクロックが上がって扱いやすいRyzen 9 3950Xの方がコストパフォーマンスに優れることもある、ということも観測できた。

 Core i9-10980XEも頑張っているが、コアの倍率Auto設定では十分な性能を発揮することができず、By Specific Core設定にする場合はきちんと電圧設定等を詰める必要があるという欠点もある。何より現在のインテル製HEDT向けプラットフォームは、第3世代Threadripperより圧倒的にワットパフォーマンスがよろしくない。

 その点で言うと第3世代Threadripperは常に最速ではないものの、安定して良い結果を引き出せるプラットフォームである、という点を強調したい。

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