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VRAMを減らした戦略は? メディアブリーフィングで明かされた「RX 5600 XT」情報まとめ(3/3)

加藤勝明(KTU) 編集●ASCII

※この記事はASCII.jpからの転載です(文中リンクはASCII.jpの記事に飛ぶことがあります)

気になる性能については、まだレビュー解禁どころか原稿執筆時点で評価用ドライバーのない状況なので何とも言えないが、GTX 1660 Tiに対しては10〜20%上回り、さらにGTX 1660 SUPERの強烈なOCモデル(AMDは製品を名指しせず、3連ファン搭載のSuper OCと表現した)でも5〜15%上回ると説明した。

GTX 1660 SUPERのVRAM周りはRX 5600 XTと似ているが、GTX 1660 SUPERは14GbpsのGDDR6なので12Gbps品を使うRX 5600 XTの方が不利だ。しかしゲーミング性能はRX 5600 XTの方が上回っていると、かなりの自信を見せている。

さらにAMDがRadeon Software Adrenalin 2020 Editionで実装した「Radeon Boost」を併用すれば、RX 5600 XTのGeForceに対するアドバンテージはさらに拡大する、とAMDは主張する。

Radeon RX 5000シリーズの仮想敵はこのようになっている。RX 5600 XTはGTX 1660Ti強めにOCされたGTX 1660 SUPERになる

メモリー周りのスペックが近いGTX 1660Tiに対しては、RX 5600 XTは平均fpsにして10〜20%上回るらしい。右側のグラフはeスポーツ性の高いゲームにおけるパフォーマンスをまとめたもの

メモリー周りのスペックではGTX 1660 SUPERに負けるものの、仮にGTX 1660 SUPERが3連ファンの強OCモデルであってもRX 5600 XTは5〜10%上回ると主張している。ただGTX 1660 SUPERの3連ファン搭載モデルは極めて少ないため、実際の製品では差はもっと広がりそうだ

AMDが買い替え需要を喚起したいGTX 1060に対するRX 5600 XTの優位性を謳ったもの。CoD:MW等の大作ゲームでも平均60fpsを大きく超え、fpsが決め手になるeスポーツ系ゲームにおいては平均120fpsを超えるとしている

RX 590等のPolais系ミドルも買い替え需要喚起のターゲットだと思われるが、AMDは具体的な性能差を見せていない。ただこの図によれば、描画性能はRX 590の42%増と謳っている

ベンチマーク解禁は発売日?

AMDがプレス向けに行なったブリーフィングのまとめは以上となる。VRAM搭載量というアドバンテージを捨てた決断には理解に苦しむが、ミドルクラスに強固な壁を作っているNVIDIAに対し何としてでもくさびを打ち込みたいというAMDの気合いは感じ取れた。後日公開されるベンチマーク記事で答え合わせをするとしよう。

またAMDはブリーフィング後の質疑応答において、レイトレーシング(DXR)に関する見通しも語った。現行のRDNA 1.0世代(つまり今のRX 5000シリーズ)ではDXRをサポートしていないが、次のRDNA 2.0世代ではリアルタイムレイトレーシングのハードウェアサポートが追加される(であろう)と語った。

次世代家庭用ゲーム機におけるレイトレーシングサポートの話がある以上、Radeonにもこれが追加されるのは時間の問題だ。ただこれがRX 5700シリーズの上に来る“RTXキラー”になるのかまでは語られなかった。


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