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ゲーム&配信で「Ryzen Threadripper 3990X」のパワーをどれだけ生かせるか検証(4/5)

加藤勝明(KTU) 編集● ASCII

※この記事はASCII.jpからの転載です(文中リンクはASCII.jpの記事に飛ぶことがあります)

ではBorderlands 3を使ってもう少しエンコード設定とCPUパワーの関係を掘り下げてみよう。ここまでの話ではベンチマークモードを使っていたが、ここでは実際にゲームをプレイし、その模様をOBS Studioでストリーミング&録画した時にCPUはどの程度使われるか、エンコードミスはどの程度になるのかをチェックする。

ベンチマーク中の戦闘シーンが比較的穏やかであるため、あえて手動で激しいバトルをエンコードさせてみた。Borderlands 3側の画質設定はDirectX 12&バッドアス設定だが、解像度は2560×1440ドットとし、それをOBS側でフルHD&60fpsに変換する。また、配信が60fpsなのでBorderlands 3側も垂直同期をオンにして60fpsでキャップになるよう設定した。

「Borderlands 3」を使った検証風景。タスクマネージャーでCPU占有率もTwitchにストリーミングした

「Borderlands 3」のプレイ風景。敵の集団のど真ん中で激しく動き回りつつ爆発や連鎖をばら撒くスタイルでプレイしたため、システムの負荷も高め

ストリーミングのビットレートは筆者のネット回線の限界を上回らないよう9Mbpsに制限したが、録画は50Mbpsとし、エンコードのCPU負荷を変えて検証する。先のフレームレート検証ではOBS Studio側のエンコード設定はmediumに統一したが、ここではfast/medium/slowの3種類の設定(当然slowは画質が良い分重い)を試した。fastならGPUエンコーダーの結果に近いので、CPUを使うからにはmediumやslowでエンコードさせたいが、CPUパワーは間に合うか? という点を検証するのが目的だ。

ここでの検証では、x264のfast/medium/slow設定のエンコードがどれだけ破綻なく実行できるかを見る。Borderlands 3のステージ(マリワンテイクダウン)を開始時点から録画をはじめ、ボスを倒した時点で録画をストップ。各試行ごとのプレイ時間は一定ではない(ゲーム展開に依存する)が、概ね15〜20分程度だ。

録画終了時点でOBS Studioの統計ウインドウを見て、エンコードスキップの発生率をチェックする。エンコードスキップの発生は動画のカク付き頻度となるためゼロが目標、多くても1%未満に抑えたいところだ。CPUのコア数と録画条件でどう変化するのかが見ものだ。

プレイが終わった時点でOBS Studioの統計ウインドウを見て、「エンコードのラグが原因でスキップされたフレーム」のパーセンテージを見る。0%あるいは0に近い値なら問題ない

CPUがエンコード処理に負けてしまうと、エンコードスキップの比率が大きく上がってしまう(図中赤字部分)。レンダリングラグもカクつきの原因になるだが、今回のテスト環境では滅多に出ることはなかった

ストリーミング9Mbps/x264 fast&録画50Mbps/x264 設定時のエンコードスキップ率の比較

この結果から読み取れるのは、OBS Studioでストリーミングと録画を別のエンコード設定にした場合、まともに見られる形でエンコードができるのはRyzen 9 3900X以上であり、8C/16Tの3800Xではエンコードスキップが非常に多く、3800Xのslow設定ではゲーム画面側も激しくカクつくためslow設定での測定は断念している。ただ、Ryzen 9 3900Xでもx264 fastが限界で、x264 medium設定にするにはRyzen 9 3950X以上のCPUが必要であることも分かった。

Ryzen Threadripperはコア数が多いだけあってx264 medium設定でもエンコードスキップが全く観測されなかった。Ryzen 9 3900Xのx264 fast、3950Xではx264 mediumではグラフ中では0%だが、ボスが大爆発するようなシーンではエンコードスキップが数フレーム発生しているので、ここがエンコードスキップが出る/出ないCPUの境目のようだ。Ryzen 9 3950XよりもRyzen Threadripper勢の方が安定感が格段に違う。

しかし、x264 slowともなるとどのCPUでもエンコードミスが発生。Ryzen Threadripper 3990Xのエンコードミス率は3970Xの半分以下であるため、コアが多いだけの今回設定したOBSの設定下では、CPUエンコードの限界はx264 mediumまでで、Ryzen Threadripperなら安定性抜群、といえる。ただ、表で走らせるゲームの選択や、ビットレートの選択次第ではエンコードスキップの比率がまた変わってくるので、あくまでこの例では、という話にとどめたい。

このテストにおいて、各CPUがどれだけ使われているかについても比較しておこう。実際にOBS Studioでゲーム画面の上にタスクマネージャーをオーバーレイ表示させ、それを録画したものからトリミングしたものを見てみよう。

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