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Rosetta@Homeの計算量はCPU/メモリー/ストレージ資源をどこまで使うかで決まる。今回筆者がRosetta@Homeの計算を始めた当初は、CPUは30コア前後しか使われていなかったが、これはメモリーが32GB構成だったため。BOINCの場合1プロセスが多数のスレッドで動くのではなく、並列化する分だけプロセスが起動する。
128コア使えるRyzen Threadripper 3990XでRosetta@Homeを使おうとすると、メモリー不足で処理を止めてしまうプロセスが多発する。そこでさらに64GB(G.Skill F4-3200C16D-32GTZRX×2)を追加し合計96GB構成とし、メモリーの使用上限を全体の90%まで許可したところ、メモリー不足で停止するプロセスは消滅した。
ただその場合でもCPU占有率は80%前後にとどまるので、128コア全て使い切るのは割り当てられるワークユニット次第といったところか。
まとめ:超メニーコアCPUの力を活かす一つのソリューション
今回試した2つの分散コンピューティングプロジェクトの中では、Folding@Homeはお手軽かつシステムへの負担も少なく、常時動かしても軽い感じだった。それこそ、Ryzen Threadripper 3990Xのスレッド数ならば余裕だっため、通常作業の裏で動作させて貢献できそうだ。
一方、Rosetta@HomeはFolding@HomeよりもRyzen Threadripper 3990Xを活用できるが、CPU占有率が80%近くなるだけあって消費電力は445Wと高くなり、電気代は1ヶ月あたり8600円まで上昇した。
Ryzen Threadripper 3990Xの性能を十全に引きだそうとすればメモリーも多量に載せる必要があるので、本気で人類に貢献しようとするなら、かなり覚悟がいるだろう。
だが分散コンピューティングプロジェクトに参加するのは個人の自由だし、Ryzen Threadripperを持っているなら参加すべきだ、なんて事を言うつもりもない。だが今時のAMD製CPUを少し回すだけで、COVID-19に勝つための何かに近づけていると考えれば、この閉塞感も幾分和らぐのではないだろうか。