■ゲームタイトル:ペルソナ4 ザ・ゴールデン
■メーカー名:ATLUS
■価格情報:1980円
■公式サイト:http://p-atlus.jp/p4g/
怪事件の謎を“ペルソナ”と共に追う、名作RPGがいよいよPCに登場
ATLUSの「ペルソナ」シリーズナンバリングタイトル4作目として2008年にリリースされ、ダンジョン攻略型のコマンドRPGをベースに、連続殺人を追うミステリー、高校生活を追体験する青春群像劇といった要素を盛り込むことで大きな人気を博した「ペルソナ4」。後発の関連作品や メディアミックスも多く展開された本作だが、「ペルソナ4 ザ・ゴールデン」は、「ペルソナ4」本編に新規要素を追加し、携帯機であるPlayStation Vita用ソフトとして販売されたアップグレード版とも言える作品だ。
長らくPlayStation Vitaでしかプレイできなかった「ペルソナ4 ザ・ゴールデン」だが、2020年6月に突如として「Steam」上でPC版がリリース。実売2000円前後と安価で購入できることも相まって、配信開始から数時間であっという間にトップセールスに食い込む人気ぶりを見せている。本編発売から10年の時を経てなお、その魅力は健在のようだ。
「ペルソナ4 ザ・ゴールデン」の舞台となるのは、典型的な日本の地方都市とも言える「八十稲羽(やそいなば)」市。この街で春からの1年間を過ごすことになった主人公は、同時期に噂が流れていた「マヨナカテレビ」をきっかけにテレビの中の異世界の存在を知り、そこで「心の力」“ペルソナ能力”を覚醒。仲間たちと「自称特別捜査隊を結成し、テレビの中にある異世界で謎の敵「シャドウ」と闘いながら、事件の解決を目指すことになる……というのが大まかなあらすじだ。
「ペルソナ3」以降の同シリーズ最大の特長と言えば、「日付」の概念を取り入れたことにより、1年間の濃厚な学生生活の追体験が可能になっている点だろう。物語は引越しの初日からスタートするが、特別なイベントを除き、プレイヤーは1日ごとに主人公の行動を自由に決めていける。
1日は「放課後」や「夜」などいくつかの時間に区切られており、その時間でダンジョンを攻略するのはもちろん、仲間と絆を深めたり、街の施設でステータスを強化したり、買い物をしたり……といった行動を選択していくわけだ。期間内にダンジョンを攻略できないとゲームオーバーになる、といった制約はあるものの、1日1日の行動を積み重ねていくことで、青春を謳歌しているかのような充実感を感じさせてくれるのは、このシリーズ独特の魅力と言っていいだろう。
日常生活の醍醐味とも言えるのが、街の人々との絆を紡ぐ「コミュ」の存在だ。自称特別捜査隊の仲間や特定の人物には、タロットカードのアルカナになぞらえたコミュレベルが設定されており、そのキャラクターと一緒に過ごしてコミュレベルを高めていくことで、該当するアルカナのペルソナを作成する際にボーナスの経験値が獲得できたり、強力なペルソナの合体が解禁されたりといったメリットがある。「勇気」や「魅力」といった特定のステータスが必要な行動もあるが、日常生活で上手くコミュのレベルを上げていくことが、ダンジョンの攻略にも役立つという仕組みだ。
コミュを築ける人物や内容は千差万別であり、絆を深めていくごとにキャラクターの内面や持っている悩み、乗り越えるべき課題が見えてくる。言わばサブシナリオのようなドラマ性があり、コミュを進めることでキャラクターへの愛着が湧いたり、物語を盛り上げる一助になってくれるはずだ。一部キャラクターとは絆を深めることで「特別な関係(恋人)」に発展する可能性があるが、複数のキャラクターと特別な関係になることも可能であり、このあたりはプレイヤーのスタンスが問われるところだろう。
とはいえ、コミュの発見には積極的に部活動に参加したり、アルバイトをしたりといった行動力が求められる。ゲームを深く楽しむには、多くのコミュを見つけ、スケジュールを上手く調整してコミュを進行していく管理能力が求められるのは悩ましい。
学生生活と並行して、主人公は仲間を集め、テレビの中の異世界にあるダンジョンを攻略していかなければならない。主人公や仲間たちは“ペルソナ”能力を発現させており、ダンジョンではペルソナによる強力なスキル攻撃を軸に、敵である「シャドウ」を退治していくことになる。
攻撃には属性が設定されており、ペルソナによって得意な攻撃や弱点があるので、そういった点を考慮しつつバトルに臨むのが戦闘のコツだ。敵の弱点を突くことで行動回数が1度増える「1MORE」システムをうまく活用しよう。先に述べた通り、ダンジョンの攻略は定期的に行なわなければならず、決まった時期までにダンジョンをクリアできなければゲームオーバーになってしまう。タイムリミットは“霧が出る日”なので、テレビなどで天気予報をこまめに確認しておくのも重要だ。