StoreMIの効果は
CrystalDiskMarkでも顕著
テストの前に、まずは「CrystalDiskMark」(Version 7.0.0)で、各ストレージのリードおよびライト性能を抑えておこう。なお、StoreMIだけ、キャッシュが効いている状態とそうでない状態の両方を確認する必要があるため、初回結果とテストを5回繰り返した結果を示しておく。
すると、同じSerial ATA 6Gbps接続でも、3.5インチHDDよりも2.5インチSSDでランダムアクセスが大幅に向上している。さらに、NVMe接続のSSDでリードとライトともにパフォーマンスが大幅に向上し、PCIe 4.0接続のSSDでは、とくにライト性能のスコアが伸びている。それぞれのアクセス速度の差が改めて確認できた形だ。
注目のStoreMIは、1回目の実行結果はHDDと大差ないものの、テストを5回繰り返すとSSDがキャッシュとして有効に働き、リード性能が大きく伸びているのが分かる。
PCIe 4.0とNVMeの差はあまりない
StoreMIはキャッシュが効くと効果大
それでは、今回は「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ」(以下、FFXIV: 漆黒のヴィランズ)で、ロード時間がどのように変化するのか検証してみよう。
まずは、「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」を実行してみた。このベンチマークを画質設定「最高品質」の解像度1920×1080ドットで実行し、順に映し出される5つシーンで、各シーンのロード時間を計測した。なお、こちらもStoreMIに限り、1回目と5回目の結果を並べている。
その結果だが、HDDで時間が掛かるのは予想どおりだが、StoreMIは1回目に限りHDDよりも時間を要する場面が多く見られる。ただ、5回目になるとキャッシュが有効に働くようで、ロード時間はほかのSSDと同じ程度にまで向上している。それぞれのSSDに目を移すと、Serial ATA 6Gbps接続が若干遅く、ほかのSSDから1秒程度時間を要しているものの、NVMe接続とPCIe 4.0接続では有意な差は得られていない。
続いて、FFXIV: 漆黒のヴィランズの実際のゲーム内でもテストしてみたい。普段からゲームをプレイしていて、ロード時間が比較的掛かりやすい3つのシーンを挙げ、各シーンにおける時間をストップウォッチで測定した。計測したシーンは以下の3つ。
・キャラクターを選択し、ゲームを始めるシーン
・転移魔法のテレポを詠唱し、比較的プレイヤーが集まっている「リムサ・ロミンサ」という町へとエリアが切り替わるシーン
・インスタントダンジョン(ID)の「漆黒決戦ノルヴラント」に突入するシーン
いずれも、シーンが切り替わり、キャラクターが操作可能になるまでの時間を測定している。なお、テストは5回行なったが、連続してテストを行なうとキャッシュが働くと思われるので、毎回ゲームを起動しなおしてテストを実施した。ただし、StoreMIだけはキャッシュを利かせたいので、初回と5回続けてテストを行なった両方の結果を並べている。
その結果だが、StoreMIはキャッシュの効かない1回目はHDDに準じたタイムになっているが、5回目になると十分満足のいく結果が得られている。SSDそれぞれの差に関しては、PCIe 4.0接続が、テレポによるエリアの切り替わりで若干早いタイムを出しているが、ゲーム開始時やID突入時に関してはほかと横並びだ。いずれにしても、SSDであればHDDからロード時間を大きく短縮でき、ゲームの快適性はかなり向上している。
HDDのデータをそのまま高速化できる
StoreMIは魅力的な選択肢
HDDからSSDに変更することで、ロード時間をかなり短縮することが可能だ。ただ、HDDからSSDへと環境を移行するには、データの入れ替えやパーツの組み替えにかなり手間が掛かり、それを億劫に思っている人も多いはず。
そういった人には、HDDのデータをそのままに、SSDをキャッシュに利用できるStoreMIは、かなり魅力的な選択肢ではないだろうか。FFXIV: 漆黒のヴィランズで、ハッキリとStoreMIの効果が表れた点は評価できよう。