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パーツのちょい足しで性能&機能を強化! デスクトップPCを長く快適に使うためのワンポイント拡張(4/5)

宮里圭介 編集●AMD HEROES編集部

CPUの換装でPC性能を大幅にアップさせる!

ノートPCでは難しく、デスクトップPCにしかできないといっても過言ではないのが、CPUの換装だ。PC性能を大きく左右するCPUそのものを交換できるため、処理速度が遅く感じるようになってしまったPCも、最新PCに劣らない性能にまで強化できるというのがメリットだ。

慣れている人にとっては難しくないものの、そもそも自作PCにチャレンジしたことがないような初心者にとってはかなりの難易度だ。失敗するとCPUだけでなく、マザーボードなどほかのパーツが壊れてしまう危険もある。とはいえ、入念に準備を行ない慎重に作業すれば、そうそう失敗することはないので安心して欲しい。

最初に準備しておくべきことは、換装するCPUに何が使えるのか調べる事。AMDのメインストリーム向けCPUは形状が共通のソケットAM4なので、同じマザーボードのまま、新しい世代のCPUが動作することが多い。

しかし、チップセットによって対応するCPUの世代が変わってくるため、すべてのCPUが動作するわけではない、という点に注意が必要だ。

具体的にどのCPUが動作するのかは、マザーボードの詳細を調べてみるとスグに分かる。また、マザーボードがメーカー独自製品の場合は、チップセットから調べるという手がある。AMDのサイトにチップセットと動作するCPUの対応表が掲載されているので、ここからチェックするのがオススメだ。

AMDのサイト、チップセットの仕様ページにある対応表。どのチップセットでどのRyzenシリーズが動作するのかがまとまっている(https://www.amd.com/ja/chipsets/x570

「Regulus AR7」に搭載されているマザーボードは、ASRockの「A520M」カスタム版。マザーボード単体での情報はないものの、チップセットはA520となっているので、Ryzen 3000シリーズ、もしくは5000シリーズが動作すると考えられる。

1つ注意しておきたいのが、APUからグラフィック機能を持たないCPUへと換装する場合、別途ビデオカードが必要になる点だ。ビデオカードを使いたくないというのであれば、APUの上位モデルを選ぶようにしよう。

Ryzen 7 PRO 4750Gは8コア/16スレッドのかなり性能が高いAPUなので、そうすぐに換装することはないと思うが、あえて候補を挙げるなら、Ryzen 5000Gシリーズがオススメだ。

最新のRyzen 7 5700Gはコア数こそ同じだが、動作クロックの向上、そしてクロックあたりの性能向上により、Ryzen 7 PRO 4750Gを凌駕するAPUになっている

Ryzen 7 5700Gの詳しい性能に関しては、加藤勝明氏による「Zen 3世代のAPU「Ryzen 7 5700G」「Ryzen 5 5600G」はPCパーツ高騰時代の救世主なのか?」の記事を参照して欲しい。「CINEBENCH R23」のベンチ結果を引用させてもらうと、Ryzen 7 PRO 4750G比で2割近い性能アップとなっているのが分かる。

CINEBENCH R23での性能比較。コア数は同じなのに、Ryzen 7 PRO 4750Gから大きく性能が向上しているのがわかる。Ryzen 5 PRO 4650Gからの換装であれば、かなりの性能強化となるはずだ

CPU性能が高くなれば、それだけ発熱も増えるというのが一般的。もちろん、付属のCPUクーラーでも十分冷えるのだが、より冷却性能を高め、静音化もしたいというのであれば、CPUだけでなくCPUクーラーの換装も行なおう。

CPUクーラーは、ヒートシンクとファンを組み合わせた空冷、ポンプとラジエーターを使う水冷の大きく2つの種類がある。冷却性能でいえば水冷が有利だが、PCケースによってラジエーターの設置場所の確保が難しい事、取り付け難易度が高いことから、初心者は空冷を選ぶといいだろう。

空冷でも、大型ヒートシンクを採用したサイドフローのCPUクーラーは冷却性能に優れている。騒音が小さなモデルを選べば、水冷に負けず劣らずの性能となる。

AMD標準のCPUクーラー。ヒートシンクは小さめだが、ファンで風を送り込むことでしっかりと冷却できる。ファンの回転数はやや高め

換装するCPUクーラーの選び方は様々で、冷却性能重視か静音重視かでも変わってくる。基本的にはヒートシンクのサイズが大きいほどよく冷える傾向にあるが、あまり大きいとケースに収まらなくなってしまう。事前にスペースがあるか、しっかり確認しておきたい。

サイドフロー&デュアルファン搭載の「noctua NH-U12A」(実売1万3000円前後)なら、空冷でも強力に冷却できる。ただし、サイズはでかい。元のCPUクーラーと比べてみるとその差は歴然だ

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