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2022年1月5日、AMDはCES 2022に合わせYouTube上でオンラインイベント「AMD 2022 Product Premiere」を開催した。CEOリサ・スー氏が登壇し“今年の展望と抱負”のごときプレゼンを行ったのだが、今回も驚きと衝撃の連続だった。どのような内容を発表したのか、筆者が気になったポイントをかいつまんで紹介しよう。
モバイル向けRyzenは一足先に6nm&Zen 3+、GPUはRDNA2へ!「Ryzen 6000M」シリーズ
今回はデスクトップ分野もモバイル分野も両方において新製品が発表された。まず発表されたのが次世代モバイル向けAPU「Ryzen 6000M」シリーズだ。アーキテクチャーはZen 3+、現行のZen 3よりもさらに微細化が進んだTSMCの6nmプロセスで製造される。そのためRyzen 6000Mシリーズのクロックは5GHzに達するモデルもあると謳う。デスクトップ向けRyzenでも到達しえなかった5GHz動作をノート向けのRyzenが達成したのだ。
Zen 3+が何をもって+なのかには言及されなかったが、Ryzen 6000Mシリーズは内部構造のかなりの部分が変更されている。まずメモリーはDDR5もしくはLPDDR5で、それに加えてUSB4やWi-Fi 6Eといった最新規格をキャッチアップする。ただDDR5メモリーは第12世代Coreの消費電力激増の原因(参考記事:https://ascii.jp/elem/000/004/079/4079237/)にもなっているが、AMDはいきなりDDR5をモバイル分野に持ち込んだということは、インテルができなかったDDR5でも省電力動作を両立させることができるということだろうか? 興味はつきない。
さらに内蔵GPUもRadeon RX 6000シリーズと同じRDNA 2世代のものに更新される。DXR(DirectX Raytracing)を含むDirectX 12 Ultimate対応の内蔵GPUというのはインテルのXe Graphicsにない強烈な強みとなる。
今回AMDは「Ryzen 7 6800U」というモデルをとりあげ、前世代のRyzen 7 5800Uとのパフォーマンス比較を見せたが、動画エンコードで69%、3Dレンダリングは125%、そしてフルHDゲーミングでは100%のパフォーマンス向上を達成できると謳っている。
モバイルなのでバッテリーの持続時間についてもAMDは挑戦を続けている。Ryzen 6000Mシリーズ搭載ノート(そして恐らくは新Ryzen+新RadeonのAMD Advantageノート)では、使ってないCPUコアを積極的に新しいディープスリープステートにして電力を節約するほか、Ryzen 5000Mシリーズにはなかった50のパワーマネジメント機能を搭載し、省電力機能自体を強化。
CPU内のセンサーもさらに強力に活用することで、より素早くクロックを調整できるとした。発表の中で「PコアとEコアを同じコアでまかなかえるのはAMDだけだ」とインテルのAlder Lakeのコンセプトを真っ向から皮肉るシーンも見られた。