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「Rainbow Six Siege」ではジャイアントキリングを成し遂げたものの……
ここから先は実ゲームの検証だ。まず「Rainbow Six Siege」ではAPIでVulkanを選択。画質“最高”にレンダースケール100%を追加した。ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測する。解像度はフルHDのみとした(以降同様)。
GeForce環境だとRyzenよりも圧倒的に第12世代Coreプロセッサーの方がフレームレートが出る印象だが、今回の検証では実力伯仲どころか、Ryzen勢の方がやや高いフレームレートを示している。肝心のRyzen 7 5800X3Dは一応平均フレームレートにおいてトップに立ちCore i9-12900KSを上回る結果をみせたが、Ryzen 7 5800Xと大きな差があるとは言いがたい。
Zen 3+Radeonのタッグは元々良く、そこにRyzen 7 5800X3Dの3D V-Cacheが最後の一押しを加えただけ、ともいえる。3D V-Cacheの価格差を考えると、Ryzen 7 5800X3Dが今ひとつ伸びていない、という印象すらある。
効果が確認できなかった「Apex Legends」
次に試すのは「Apex Legends」だ。画質は最高設定とし、射撃訓練場における一定の行動をとった時のフレームレートを「CapFrameX」で計測する。計測にあたっては144fps制限を起動オプションで解除(+fps_max unlimited)している。
144fps制限を解除してもゲームの設計的に300fpsで頭打ちになってしまうため、平均フレームレートはどのCPUでも全く差がない。ただ最低フレームレートにおいては、数fpsではあるが全体的にRyzenの方が高い値を示している。Ryzen 7 5800X3DのパフォーマンスはRyzen 7 5800Xよりは気持ち良い程度だが、この程度の差は誤差の範囲である。3D V-Cacheが特別な働きを示したと言うことは難しい。
3D V-Cacheの絶大な効果を確認できた「Far Cry 6」
続いては「Far Cry 6」だ。このゲームはAMDが製品購入特典として配布していたゲームだが、一番フレームレートが出るのは第12世代Coreプロセッサーということが知られている。
今回は画質“最高”をベースに高解像度テクスチャーとVRS(Variable Rate Shading)を追加。レイトレーシングは全てオフとした。ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測する。
Radeon環境においてもFar Cry 6のフレームレートはRyzenよりも第12世代Coreプロセッサーであることが再確認できた訳だが、Ryzen 7 5800XとRyzen 7 5800X3Dの差が極めて大きく、平均フレームレートで考えると20%伸びているのは素晴らしい。
最低fpsの落ち込みを回避した「Tiny Tina’s Wonderlands」
続いては「Tiny Tina’s Wonderlands」だ。APIはDirectX 12、画質は“バッドアス”とし、ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測した。最低フレームレートの1パーセンタイル点は出力されたcsvから算出している。
今回のテストでの平均フレームレートはどれも差があると言いがたい。GPU側のボトルネックが出てしまったようだ。ただRyzen勢は最低フレームレートが第12世代Coreに比べ落ちやすい傾向であったが、Ryzen 7 5800X3Dの増量されたL3キャッシュがそれを解消していることが示唆されている。
「Halo Infinite」も最低フレームレートの底上げ効果が
「Halo Infinite」でも検証してみよう。画質は“ウルトラ”をベースに非同期演算も追加。対戦マップ「Fragmentation」において一定のコースを移動した際のフレームレートを「CapFrameX」で計測した。
手動計測なので誤差もあるが、ここでも最低フレームレートの落ち込みをRyzen 7 5800X3Dの3D V-Cacheが緩和している様子が窺える。ただ平均フレームレート自体はさほど伸びておらず、わずかだが第12世代Coreプロセッサー勢に負けている。
「Forza Horizon 5」ではCPU処理時間が短縮
「Forza Horizon 5」でも検証してみよう。画質は“エクストリーム”とし、ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測する。リザルト画面で表示される数値のうち、CPU側のレンダリング処理のフレームレート(CPU MinおよびCPU Avg)と、GPU側のレンダリング処理のフレームレート(GPU MinおよびGPU Avg)をそれぞれ比較する。
大前提としてGPU Avgが127〜128fpsで頭打ちになっているため、画面に出てくるフレームレート自体はどのCPUも大きな差はない。ただCPU Avg、即ちCPUで1フレームの処理をするためにかかった時間から割り出したフレームレートでは、Ryzen 7 5800X3DはCore i9-12900Kをわずかに上回るパフォーマンスをみせている。
巨人を倒した「F1 2021」
ゲームの最後は「F1 2021」での検証だ。画質は“超高”としたが、レイトレーシングは全て無効、アンチエイリアスはTAAとした。ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測するが、ベンチの条件はモナコ+ウエットとした。
F1 2021はメモリー帯域(DDR5が有利)が効くゲームであることが分かっていたが、さらに今回はキャッシュの搭載量がモノを言うことも分かった。Ryzen 9 5900XやRyzen 7 5800Xだと第12世代Coreプロセッサーを大きく下回るフレームレートしか出ないが、Ryzen 7 5800X3DではCore i9-12900KSを凌ぐフレームレートを出している。
Ryzen 7 5800XからRyzen 7 5800X3Dへは平均フレームレートは約18%伸びているが、これはFar Cry 6における平均フレームレートの伸び率とほぼ一致している。