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メモリーバス幅がハンデとなった?「Rainbow Six Siege」
ここから実ゲーム検証に入るとしよう。最初に「Rainbow Six Siege」で試すが、APIはVulkanを選択。画質は“最高”にレンダースケール100%を追加した。GeForce勢はフレームレートに影響が出ないようReflexをすべて無効にしている(以降のReflex対応ゲームも同じ)。ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測した。フルHD/WQHD/4Kの3通りの解像度で比較する。
まず、新旧Radeonという軸で見ると、一部例外はあれどRX 6×50 XTはRX 6×00 XTに対しわずかに高いフレームレートを示している。ただし、上位GPU(ここではRX 6750 XTに対するRX 6800、RX 6650 XTに対するRX 6700 XT)を上回るほどではなかった。
同等のRX 6×00 XTに対する上昇幅は解像度にもよるが、RX 6950 XTは最大約9%、RX 6750 XTは約4〜5%、RX 6650 XTは約2〜4%となっている。メモリークロックを引き上げてデータレートが上がったことによる効果といえるだろう。
しかし、Radeon対GeForceという軸で見ると、競合関係にあるGeForceに対し、RX 6×50 XTシリーズは1〜2ランク下のフレームレートにとどまっている。Infinity Cacheが効いてメモリー帯域を稼ぐ設計であっても、素のメモリーバス幅の広いRTX 30シリーズの方が“Rainbow Six Siegeでは”有利であった、ということだ。
「Apex Legends」では最低フレームレートに注目
続く「Apex Legends」では、いつもの通り射撃訓練場における一定の行動をとった際のフレームレートを「CapFrameX」で計測する。画質は最高設定とし、起動オプションで144fps制限を解除(+fps_max unlimited)している。
144fps制限を解除しても、このゲームのフレームレートは300fpsで頭打ちとなる。よって、解像度が低いとGPUパワーの差も見えなくなるが、フルHDでは僅差でRX 6950 XTがRTX 3090を上回った。なお、RX 6900 XTもすぐそこに迫っている。下位モデルではRX 6750 XTはRTX 3070に一歩及ばずだが、RX 6650 XTはRTX 3060よりも高い平均フレームレートを出している。新旧Radeon軸で見ると、上限値に近いフルHD~WQHDのRX 6950 XT以外は、RX 6×00 XTに対し約10〜12%と、平均フレームレートが伸びていることがわかる。
ただ、最低フレームレート(の下位1パーセンタイル点)に注目すると、RX 6950 XTやRX 6750 XTよりも競合するRTX 3090とRTX 3070のほうが高く「よりカクつきにくい映像が得られる」ことを示している。これに関してはメモリーバス幅の違いが考えられるが、RX 6650 XTよりもメモリーバス幅の広いRTX 3060の方がフレームレートで劣っているため、この仮説は一貫性を欠いている。今回の検証とApex Legendsの組み合わせにおいてはRX 6650 XTは仮想敵より優秀だったが、他は今ひとつ伸びきらなかった、というところだろうか。
Radeon勢が輝く「Tiny Tina's Wonderlands」
「Tiny Tina's Wonderlands」ではAPIにDirectX 12、画質は“バッドアス”を選択した。ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測するが、最低フレームレートの1パーセンタイル点は出力されたcsvファイルから直接算出している。
ここではGeForceよりもRadeon勢のフレームレートが圧倒的に高く、特にRX 6950 XTでは4K+最高画質設定でも60fps以上をキープできた点は驚きだ。ほぼ同じエンジンを使っている「Borderlands 3」よりも(ベンチマークが)洗練されより回るようになった印象がある。
また、Tiny Tina's Wonderlandsでは上位モデルほどRX 6×00 XTに対する性能向上幅が大きく、RX 6950 XTで約12〜13%向上、RX 6750 XTで約7〜10%向上、RX 6650 XTでは約5〜6%向上している。ただ、RX 6650 XTの4K設定ではInfinity Cacheのヒット率が極端に悪くなるため、RX 6600 XTと大差ないレベルになっている。