※この記事はASCII.jpからの転載です(文中リンクはASCII.jpの記事に飛ぶことがあります)
RTX 4080との性能差に注目
では今回の検証環境を紹介しよう。RX 7900 XTX/ RX 7900 XTのリファレンスカードと比較するために前世代のRX 6950 XTと、仮想敵であるRTX 4080を準備した。RX 6950 XTは補助電源8ピン×3仕様のハイエンドファクトリーOCモデル、RTX 4080はFounders Edition(FE)である。
OSはWindows 11の22H2とし、ReSizable BAR/Secure Boot/コア分離(VBS)/Windows HD Colorといった要素は、全て有効化している。ドライバーはRX 6950 XTがRadeon Softwareの22.11.2、RTX 4080 FEはGameReady 527.56、RX 7900 XTX/RX 7900 XTは評価用β版(12月2日付)である。
【検証環境】 | |
---|---|
CPU | AMD「Ryzen 9 7950X」 (16コア/32スレッド、最大5.7GHz) |
CPUクーラー | ASUS「ROG RYUJIN II 360」 (簡易水冷、360mmラジエーター) |
マザーボード | ASUS「ROG STRIX X670E-F GAMING WIFI」 (AMD X670E、BIOS 0805) |
メモリー | G.Skill「F5-6000J3636F16GX2-TZ5NR」 (16GB×2、DDR5-5200) |
ビデオカード | AMD「Radeon RX 7900 XTX リファレンスカード」、 AMD「Radeon RX 7900 XT リファレンスカード」、 PowerColor「Red Devil AMD Radeon RX 6950 XT 16GB GDDR6」(Radeon RX 6950 XT)、 NVIDIA「GeForce RTX 4080 Founders Edition」 |
ストレージ | Corsair「CSSD-F1000GBMP600」 (1TB M.2 SSD、PCIe 4.0、システムドライブ)+ Silicon Power「SP002TBP34A80M28」 (2TB M.2 SSD、PCIe 4.0、データドライブ) |
電源ユニット | Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」(80PLUS Platinum、1000W) |
OS | Microsoft「Windows 11 Pro」(22H2) |
ラスタライズ系テストではRTX 4080よりも上回るが、
レイトレーシング系では下回る
いつも通り「3DMark」の性能比較から始めよう。ラスタライズベースのFire Strike&Time Spy系と、レイトレーシングを使うTime Spy&Speed Wayでグラフを分割している。
ラスタライズ系テストではRX 7900 XTXがトップ、続いてRTX 4080、RX 7900 XT、最後にRX 6950 XTという結果になった。RX 7900 XTXは特にFire Strike Ultraにおいて、RTX 4080を13%上回ったが、他のテストでは1~4%程度の伸びにとどまっている。
一方、RX 7900 XTはRTX 4080よりも3~8%低い値になっている。RX 7900 XTのTBPが300W→315Wに引き上げられたのは、ライバルとの差を縮めるためだったと推察できる。
また、RX 6950 XTを基準にすると、RX 7900 XTXは5~29%上昇、RX 7900 XTは-1~14%上昇となった。負荷の低いFire Strikeでは性能アップはわずか(あるいはわずかに下)だが、負荷が上がるとスコアー差が大きくなる。
特に4KでレンダリングされるFire Strike UltraやTime Spy Extremeの伸び率が大きいのは、メモリー帯域の大幅な拡大が原因のひとつであると考えられる。RX 7900 XTXのCU数はRX 6950 XTの1.2倍なので伸び率的には間違っていないが、高クロック動作である点やCUの2命令同時実行能力といった要素を考え合わせると、もう少し伸びてもおかしくない。例によって今回も評価用ドライバーは熟成度の面で微妙な面があったため、今後はもっと改善する可能性がある。
RDNA 3ではレイトレーシングを実行するRay Acceleratorの機能・性能向上も盛り込まれているが、実際のところはRTX 4080の20~30%下という残念な結果になった。特に負荷の高いSpeed Wayでの落ち込みが激しい。
ただRX 6950 XTに対してはRX 7900 XTXで44~46%、RX 7900 XTで26~29%と確かな成長は達成できている。しかしながら、レイトレーシングを使ったゲームに関しては、現状RTX 4080でもネイティブ解像度でのプレイが難しい場合も多々あるため、RX 7900 XTX/RX 7900 XTではFSR 1やFSR 2の併用が必須となる。この点はフレーム生成が可能になる(とされている)FSR 3の一日も早い登場が待たれる。