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3D V-Cache搭載「Ryzen 9 7950X3D」はゲーミングCPUの最高峰に輝くのか?【後編】(2/7)

※この記事はASCII.jpからの転載です(文中リンクはASCII.jpの記事に飛ぶことがあります)

Ryzen 9 7950X3DはCore i9-13900Kよりも
フレームレートで20%上回った!

Overwatch 2

「Overwatch 2」では、画質“低”、レンダースケール100%、フレームレート上限600fpsに設定。マップ“Eichenwalde”におけるBotマッチを観戦中のフレームレートを計測した。また、フレームレートの計測は全て「FrameView」を使用している。

Overwatch 2:1920×1080ドット時のフレームレート

 Ryzen 9 7950X3DはCore i9-13900Kに対し平均フレームレートで20%上回っているだけでなく、最低fps(正確には下位1%以下のフレームレートの平均値)も11%高い値を出している。フレームレートが高すぎて差を視認するのはもはや不可能だが、RX 7900 XTXのポテンシャルをこのゲームで最も引き出せているのは3D V-Cache搭載のRyzen 9 7950X3Dである点は間違いない。

 そして面白いのはRyzen 9 7950X3DのFrequency設定時とRyzen 9 7950Xの結果がほぼ同じという点から、3D V-Cacheはゲームの処理において特効であることが示されている。Ryzen 7 5800X3Dも悪くはない選択だが、最低フレームレートの値を考えると、より優れた選択はRyzen 9 7950X3Dであると言えるだろう(値段のことはさておき)。

 では、このフレームレートを出した時に各CPUがどの程度の消費電力で動作しているのかも比較しておこう。このデータはFrameViewのログから、CPU Package Powerを拾い上げることで取得している。

Overwatch 2:ベンチマークにおけるCPU Package Powerの平均値

 Core i9-13900Kの消費電力はゲーム中だとそれほど大きくないが、それでもRyzen 9 7950X3Dと比較するとほぼ2倍。フレームレートではRyzen 9 7950X3Dの方が高いのだから、ワットパフォーマンスもRyzen 9 7950X3Dの圧勝といえる。Ryzen 7 5800X3Dも消費電力はほぼ同じでフレームレートは7950X3Dの方が上なのだから、こちらも優劣は明らかだ。

 そして注目したいのは、Ryzen 9 7950X3DのFrequency設定時の消費電力と、Ryzen 9 7950Xの消費電力がほぼ同じという点。CCD1は高クロックだが消費電力は大きくなる。クロックが高いというだけではなく、L3キャッシュが小さい分メモリーアクセスも増えるなどの理由からここまでの大差がついた可能性もある。

Overwatch 2と傾向は似ていて
Ryzen 9 7950X3Dは優秀

Call of Duty: Modern Warfare II

「Call of Duty: Modern Warfare II」では画質“最低”に設定。レンダースケールが50%だが、今回はその設定をそのまま使用している。また、アンチエイリアス品質は“ウルトラ”だ。ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートを計測した。

Call of Duty: Modern Warfare II:1920×1080ドット時のフレームレート

 全体の順位はOverwatch 2から変化なし。Ryzen 9 7950X3DがCore i9-13900Kに勝っている点も、伸び率(19%)も似ている。Ryzen 9 7950Xに対しては実に37%も上回っており、3D V-Cacheがしっかり効いていることを示している。

Call of Duty: Modern Warfare II:ベンチマークにおけるCPU Package Powerの平均値

 フレームレートは予想通りだったがベンチマーク中のCPU Package Powerはやや不可解だ。Ryzen 9 7950X3D (Auto)がCore i9-13900KやRyzen 9 7950Xより低いのは確認できたが、Ryzen 9 7950X3D (Freq)がAutoより低い(複数計測したが変化はなし)。本来ならRyzen 9 7950Xと同程度になるはずだが、原因については特定に至っていない。

Ryzen 9 7950X3DはCore i9-13900Kよりも17%ほど上

Tiny Tina’s Wonderlands

「Tiny Tina’s Wonderlands」ではAPIにDirectX 12、画質“最低”に設定。ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートを計測した。

Tiny Tina’s Wonderlands:DirectX 12 API、1920×1080ドット時のフレームレート

 このゲームではCore i9-13900KとRyzen 9 7950Xが僅差で競り合っているところを、Ryzen 9 7950X3Dが余裕(17%程度上)でフィニッシュといった感じとなる。このゲームでもRyzen 9 7950X3DをFrequency設定にするメリットは全くない。

 こうして見るとまだRyzen 7 5800X3Dは現役で使えるが、前回の通り動画エンコード系は弱いので、ゲームも動画編集も、と考えるならRyzen 9 7950X3Dへ進むべきだろう。

Tiny Tina’s Wonderlands:ベンチマークにおけるCPU Package Powerの平均値

 こちらもCore i9-13900Kの消費電力が飛び抜けて高い一方で、Ryzen 9 7950X3Dのワットパフォーマンスは非常に良い。ただSocket AM5マザーはアイドル時の消費電力が非常に大きく、システム全体では帳消しといったところだ。3D V-Cacheでフレームレートが増えればビデオカードの消費電力も増えるため、全体の消費電力は増えてしまうと考えられる。

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