AMD HEROES

twitter
facebook
line

3D V-Cache搭載「Ryzen 9 7950X3D」はゲーミングCPUの最高峰に輝くのか?【後編】(5/7)

※この記事はASCII.jpからの転載です(文中リンクはASCII.jpの記事に飛ぶことがあります)

3D V-Cacheの恩恵がなく
Core i9-13900Kの方が圧倒的に有利

Returnal

 「Returnal」では画質“低”、レイトレーシングはオフ(SSRはオン)に設定。ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートを計測した。

Returnal:1920×1080ドット時のフレームレート

 今回14本のゲームで検証しているが、Core i9-13900KがRyzen 9 7950X3Dの完封勝利を破ったのがこのゲーム。Ryzen 9 7950X3DのAutoとFrequency、さらにRyzen 9 7950Xの3者に平均フレームレートで差がない、という点で3D V-Cache搭載が効かないゲームであるといえる。

 出て日が経ってないゲームなのでゲームモードが発動せずCCD1側に負荷が偏ったのかと思ったが、ゲーム中はCCD0に負荷が偏るためその仮説は棄却され、単純に3D V-Cacheが使い切れないゲームであるようだ。ゲーム中のCPU負荷が非常に低いため、CPUクロックが伸びやすいCore i9-13900Kが有利になったと推察される。

Returnal:ベンチマークにおけるCPU Package Powerの平均値

 Core i9-13900Kの消費電力は高いが、これまでのテストに比べるとかなり大人しい。ReturnalのCPU負荷が低いことと符合する。

Ryzen 7 5800X3DもCore i9-13900Kよりも
平均フレームレートで勝る!

Marvel’s Spider-Man: Miles Morales

「Marvel’s Spider-Man: Miles Morales」では、画質“非常に低い”設定とし、レイトレーシングはオフ、アンチエイリアスはTAAを選択。マップ上の一定のコースを移動中のフレームレートを計測した。

Marvel’s Spider-Man: Miles Morales:1920×1080ドット時のフレームレート

 驚いたことにCore i9-13900KはRyzen 9 7950X3Dどころか、Ryzen 7 5800X3Dよりもフレームレートが伸びない。先日のアップデートでRyzen 7000シリーズに対する最適化が盛り込まれたが、その影響が非常に良い方向に働いたのではないかと推察している。Ryzen 9 7950X3Dの伸び率という点では、このゲームが全14ゲーム中最も大きな値(69%上昇)を示していた。

Marvel’s Spider-Man: Miles Morales:ベンチマークにおけるCPU Package Powerの平均値

 Core i9-13900Kではフレームレートは伸びないのに消費電力はずば抜けて高い。つまりCPUの仕事がないからフレームレートが出ないのではなく、CPUが何か非効率な処理を強いられた結果、フレームレートが伸び悩んでいるのではないだろうか。

Ryzen 9 7950X3Dは最低フレームレートが最も優秀

FORSPOKEN

「FORSPOKEN」では画質“低”、VRSはオンに設定。シパールの入り口から図書館前へ移動した際のフレームレートを計測した。

FORSPOKEN:1920×1080ドット時のフレームレート

 Ryzen 9 7950X3DとCore i9-13900Kの差が小さいどころか、Ryzen 9 7950Xとの差もわずかだが、その理由はフレームレートキャップが120fpsであり、Radeon RX 7900 XTXには軽すぎるためだ。ただ最低フレームレートを見ると、Core i9-13900KよりもRyzen 9 7950X3Dの方が高く、よりカクつきにくい環境であることを示している。

FORSPOKEN:ベンチマークにおけるCPU Package Powerの平均値

 120fpsの壁があっても、Core i9-13900Kの消費電力が大きいことには変わらない。Ryzen勢の中ではRyzen 9 7950Xの消費電力が120Wオーバーである一方で、Ryzen 9 7950X3Dが70W台にとどまっている理由はTDPの差ではないだろうか。

この記事もおすすめ

PAGE TOP