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突然やってきたセカンドPCにピッタリのグラフィックス内蔵エントリーAPU(4/4)

文●ふっけん 編集● AMD HEROES編集部

■PCMARK10で普段使いから編集作業までの性能向上を確認

PCMARK10はパソコン全体の基本的な性能を測定するソフトだ。無償版では3つの項目が測定でき、アプリの起動や動画再生、ブラウジングなどの軽作業の性能を測定する「Essentials」、Officeソフトの性能を測定する「Productivity」、動画・写真編集、レンダリングなどクリエイター向けの性能を測定する「Digital Content Creation」がある。

残念ながら旧PC1ではCore i3-2120のGPUが「Digital Content Creation」に対応しておらず動作しなかった。旧PC2のA10-5800K環境と比較すると新PCは「Essentials」「Productivity」では1.7~2.5倍のスコアとなり、「Digital Content Creation」に至っては約3.8倍となっている。当時のPCと比べるとアップグレードしたPCは軽作業からちょっとした編集作業までかなり快適になりそうだ。

 

NVMe SSDでWindowsの起動時間も高速に

ここではちょっとアナログな性能比較として起動時間(電源ONからWindows起動してChromeでGoogleのトップページ表示まで)を比較してみた。10年前のPCだとストレージ主流はHDDでパワーユーザーがSSDを選択し始めたことであり、まだM.2は無かったのである。

旧PC1はハードディスクのため起動に70秒以上もかかってしまう。今回はクリーンインストールしたばかりの綺麗な環境であるが、何年も使った環境ではファイルの断片化やソフトの追加などで更に遅くなっていると思われる。友人の「職場のパソコンの起動に5分かかる・・・」という愚痴もあながち嘘ではないのかもしれない・・・

旧PC2はSATA世代のSSDを搭載している為、ハードディスク環境よりずっと早く快適だ。それでも、新PCだとNVMe接続のSSD搭載している為、更に10秒程度早く起動している。今、システム用ドライブを選ぶならNVMe接続のSSDで間違いないだろう。

 

■最新APUなら4K解像度のマルチディスプレイもばっちり

Ryzen 3 4300Gなら旧PCでは対応できない4K解像度の表示もバッチリだ。まだFullHD解像度のディスプレイを使用している方も多いと思うが、是非それ以上の解像度も検討してほしい。4Kだと作業スペースが格段に広がるのでブラウジングやOffice、Twitterまで非常に快適に使うことができるのだ。4Kテレビに接続するのも良いだろう。

今回使用したGIGABYTE製「A520M DS3H」ではRyzen 3 4300Gの内蔵グラフィックスを使用してHDMI出力から4K、Displayport-HDMI変換ケーブルから4K、DVI-HDMI変換ケーブルから2Kというトリプルディスプレイを実現できた。

 

筆者は以前、職場の設計開発業務で4Kディスプレイを使いたいためにRyzen APU搭載のショップブランドPCを導入してもらった。ライバル製品よりもHDMI Ver.2.0(4K60Hz)対応が早かったこともあり非常に快適に業務をこなすことができるようになったのだ。(但し、マザーボードによってはHDMI Ver.1.4の製品もあり、その場は4K30Hzになったりカラープロファイル制限が出たりするので4Kを狙うならよく確認しておこう。)

 

待望の低予算PC向けCPU。用途を選べば使いどころは多い。

Ryzen 3 4300Gの利点は何といってもCPU+グラフィックスのコストを安くできることに尽きるだろう。どうしても新発売のCPUと言えばゲームや配信、動画編集などのパフォーマンス重視の用途を想像してしまいがちだが、ブラウジング、動画鑑賞、Officeなど比較的軽い作業で使う人も多いのである。

APUを使用すると別途グラフィックスカードを必要としない分、消費電力が低く、拡張カード無しでも運用できるためスリムな小型ケースでも使いやすいはずだ。今回のような古いマシンのアップグレードというのも面白いと思う。今回の検証で10年前のPCでは動作しないソフトも増えてきたので尚更である。

Ryzen 3 4300Gでゲームができないかと言うとそのようなことはなく、軽量なタイトル、そうでないタイトルも解像度や設定をいじればわりとプレイ可能だ。それでも不足を感じる場合は後でRADEON RXシリーズなどのグラフィックスカードを追加することもできるので初期投資を抑えたい人にも良いだろう。

もちろんWindows11対応も重要となってくるだろう。執筆時点ではWindows10のサポート終了日は2025年10月14日となっている。直前に導入すると慌てることになるので余裕のあるうちに導入して新しい環境に慣れておくのも良いだろう。Windows11サポート対象外となるRyzen 1000シリーズ/Intel 第7世代以前のマシンを使っている方は要チェックである。

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