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ゲーム&配信で「Ryzen Threadripper 3990X」のパワーをどれだけ生かせるか検証(2/5)

加藤勝明(KTU) 編集● ASCII

※この記事はASCII.jpからの転載です(文中リンクはASCII.jpの記事に飛ぶことがあります)

3DMarkではRyzen Threadripperが不利

では定番「3DMark」のスコアー比べからいこう。今回グラフィックはRTX 2080 Tiで統一しているので、このGPUの性能をCPUがどれだけ引き出せるか、もしくは足を引っ張るかが見どころになる。3DMarkはCPUを利用した物理演算性能もスコアーに加味されるため、Fire StrikeとTime Spyのテスト別スコアーも比較する。(図版のThreadripperは、見やすさを重視して、Ryzenを省略)

「3DMark」Fire Strikeのスコアー

「3DMark」Time Spyのスコアー

まず、Fire Strikeでは、完全にRyzen Threadripper勢がRyzen勢に対しスコアーを落としている。CPU負荷が最小限に抑えられているGraphicsテストでは、Ryzen勢に対し20%近く低いスコアーにとどまっている。CPUパワーがモノを言うPhysicsテストでハイスコアーを出したのがRyzen 9 3950Xで、Ryzen Threadripper勢はここでも3950Xの20%程度下の評価となった。

プロセッサーグループの壁を考えなくてよいRyzen Threadripper 3970XでもCPUテストのスコアーが低いことから、3DMarkのPhysicsテストが単純にRyzen Threadripperでは高スコアーが出ない設計であることがわかる。ただCombinedテストではRyzen ThreadripperはRyzenに比べて高いスコアーをつけている。CPUで物理演算を回しつつ、その結果をGPUに描画させるため、メモリー帯域の太さがアドバンテージになっていると考えられる。

Time SpyでもRyzen Threadripper勢のスコアーが伸びないという点については共通している。ハイエンドGPUの描画性能を損なわないという点においては、8コアのRyzen 7 3800Xに劣る。つまり単純なゲーミング用途においては、Ryzen Threadripperにこだわるのは良策とは言えない。

ではそれを裏付けるために描画のやたら軽い「レインボーシックス シージ」と、やや重めの「Borderlands 3」の2つでフレームレートを比較する。ご存じの通り解像度を上げるとCPUの差は小さくなるため、フルHD1本で比較する。レインボーシックス シージはDirectX11モード&画質“最高”(レンダースケールはデフォルトの50%)、Borderlands 3はDirectX 12モード&画質“バッドアス”とし、ゲーム内ベンチマーク機能を利用して計測した。

「レインボーシックス シージ」DirectX11モード、1920×1080ドット時のフレームレート

「Borderlands 3」DirectX12モード、1920×1080ドット時のフレームレート。最低fps(1パーセンタイル点)はログから算出した

Ryzen Threadripper勢が低迷していた3DMarkとは対象的に、実ゲームではThreadriper 3990Xでも高フレームレートを支えるだけのCPUパワーがある、ということがまず読み取れる。レインボーシックス シージの最低fpsは比較的上下しやすいので、数回計測してこの結果となったが、これでも“確実にこの差になる”とは断言できない。

実際ベンチマークを回した感触だと、RyzenよりもRyzen Threadripperの方がフレームレートが一瞬落ち込む時の落差が激しい印象だ。ただ平均fpsは上位CPUの方が高いので、Ryzen Threadripperでもゲームになる、といったところか。

一方、Borderlands 3では画質を一番高い設定にしたためか、平均fpsはどのCPUでも似たり寄ったり。最低fps(1パーセンタイル点)はRyzen勢の方が高いが、Ryzen Threadripper勢もレインボーシックス シージで見られたような激しい落ち込みはない印象だ。

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